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我が子がいじめの“加害者”に。友人を無視するのはなぜなのか?

子育てに悩みはつきもの。それがもし「我が子が友達を無視する」という、いじめの加害者のようなことになってしまえば、「親としては自分の育て方が悪かったのでは…」と考え込んでしまうかもしれません。そんな悩みが無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』の著者・パピーいしがみさんに寄せられました。お母さん自身の育った家庭環境が子供にも大きく影響しているかもしれないとして、アドバイスを送っています。

親との確執

こんばんは。パピーいしがみです。

今回は印象に残っている「良かったな~」と思ったご報告についてお話ししたいと思います。

ご相談頂いたワイママさんからはこんな内容のメールを頂いていました。

パピーさん、始めまして。

たくさんのお母さんたちが頑張っている様子。子供達やご家庭が変化していく様子を読んで、とても力づけられます。

私も勉強を始めて、子供との関係が良くなったかな…と感じてもいるのですが、一度、ご相談をしてみようとご連絡をさせて頂きました。

私が悩んでいるのは、娘(小学2年生)が友達を無視することです。

学校で娘から無視をされ続けたことで、学校にこれなくなってしまったお子さんがいらして、学級会でも問題になり、私も学校に呼ばれて詳しい家庭環境を聞かれたり、先生も娘に「無視は人を傷つける事だよ」と話をしてくださったのですがそれでも治らず、今も、一度激しく怒ったり、自分が気分が悪くなると、とことんその子を無視し続けます。

ですがこれって私自身が原因だと思っています。

私は子供が言う事を聞かないと「もう知らないからね」と言って子供が泣いて謝るまで無視をし続けた事が何度もあります。一度、市の子育て相談に行った時に「あなた、それは虐待よ」「あなたが変わらないと子供も変わらないわよ」と言われました。虐待と言われて怖くなり、相談所から逃げるように帰りながらネットで調べてみると、子供への無視や脅しも虐待であることを初めて知りました。

実は私がこんな性格になってしまったのは、私が育った家庭環境が関わっていると思います。

私は3歳の頃、両親が離婚して、9歳までは母と二人で住んでいました。その頃までは母が大好きでしたし、よく笑う普通の女の子だったと思います。ところが10歳になる前に母が再婚して、父となる男性のマンションで3人で生活することになりました。

経済的にも満たされ、新しい服を買ってもらったり、外食に連れて行ってもらったり、ずいぶん生活は変わりました。ですが、私は(思春期だったせいもあり)新しい父を受け入れる事ができず、話しかけてもらってもぶっきらぼうに返事をしたり、プレゼントをもらっても「いらない」と言ってしまったり、決して嫌いではないのだけれど、はずかしくもあり素直になれず反発ばかりしていました。

「女の子だし最初は難しいよね。ゆっくり仲良くなれれば…」と言ってくれていた父でしたが、母からは「せっかく歩み寄ってくれているんだから、あなたもちゃんと応えなさい」「にっこり笑うだけでも良いんだから」「こんなに良くしてもらっているのを感謝しなさい」とよく叱られました。

自分でもそれはわかっているのです。でも素直になれない。

私が6年生の時、母が弟を妊娠し、翌年弟が生まれました。それまでも私は腫物のような存在でしたが、そんな扱いにくい子供よりも赤ちゃんの方が可愛いのは当然で、嬉しそうに弟をあやす両親を見て「自分はこの家にはいない方がいいんだ」「父・母・弟の3人がこの家の家族なんだ」と思うようになりました。

それまでは小言や注意をしてくれた母も「何を言ってもダメなら、好きにしなさい」と、何も言わなくなり、私は私で心にシャッターを降ろし「誰にも頼らずに一人で生きていきます!」と決めました。

高校は家族の迷惑にならないように寮のある学校に行き、看護の資格を取って一人暮らしをしました。「誰にも頼らずに」とは言っても、学費だって高校・専門学校と出してもらっていたのですから、ただのうぬぼれです。でも「私は親にも頼らず生きてきた」という変な自負心があって、自分一人で何でもできると勘違いしていました。

そんな性格でしたから、自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなって、友達も簡単に切ってしまったり、結婚をして娘が生まれたものの、長くは続かず離婚。結局、親を失い、友達も失い、夫も失い、たった一人になって初めて、自分がやってきた愚かさに気づき、今、娘にそれが表れている姿を見る事で、深く反省をしている状態です。

テキストを勉強してみて「自分が模範となるように…」と今は、子供を無視をするような事は止めていますし、自分の感情で行動する事は避けるように頑張っています。

私が悪い見本を見せて、娘をこんな風にしてしまったのは承知していますが、何か改善のヒントがあれば教えて頂きたいと思います。

とこんな内容でした。

ワイママさんは、ご自分がやってきたことが娘さんに表れている、ととても後悔されているし、反省もなさっていて、なんとかお力になりたいとは思うのですが、それが改善に向かうかどうかは何とも言えず、自信はなかったもののこんな風にお返事しました。

ワイママさん、こんにちは。メール拝見しました。

今、とても後悔されているご様子。痛いほど感じました。

なるほど。娘さんへの無視を続けてこられて、娘さんは友達やクラスメートにも無視をするようになってしまったんですね。

「無視」は人格否定でもありますし、それをされたら子供は(大人も)強烈に精神的な負担を感じます。

「虐待だ」と言われて、ご自身でも後悔をされておられるようですが、やはり子育てではするべきではなかったですね。

今はワイママさんご自身が、子供の模範になれるように、と「無視」はやめて、ご自分の行動にも注意をされている、との事でしたから、まず今できる事はされているといえると思います。

が…もしかして、ワイママさんも娘さんも「ごめんね」が苦手なのではないでしょうか?

例えばお父さんとの事でも「決して嫌いではないけれど、はずかしくもあり素直になれず反発ばかり」と書かれていましたね。

又、お母さんとも「何を言ってもダメなら、もう好きにして」と言われたら「誰にも頼らずに一人で生きていきます!」と決めた。

娘さんにも「子供が泣いて謝るまで無視をし続けた」と。

これってもしかしたら、自分からシャッターを下ろしてしまうのもそうだけれど、修復のタイミングや「ごめんね」や「ごめんなさい」が難しいって事はないかな?と思ったのです。

私は怒ることは誰にでもある事だと思います。

でもその時100%相手が悪いわけではなく、こちらにも多少の落ち度はある事の方が多いと思うのですね。

又、早い段階で機嫌を直し、翌日は普通に接することができると「ごめんね」はなくても、元に戻れたりもします。

なのに、いつまでもむくれていたり「ごめんね」もせずにいれば、小さなことが原因で完全に決別となってしまいます。

今、娘さんに「無視はダメだよ」「感情で行動してはいけないよ」と模範を見せておられるようですが、それと一緒に自分が折れる事や、「ごめんね」って言えるようにすると、ワイママさんも娘さんも今よりずっと楽になれると思うのです。

ワイママさんの言葉に「親を失い、友達も失い、夫も失い、たった一人になった」と書かれていましたね。

でも、私はワイママさんさえアクションを起せば、お母さんは振り向いてくれるのでは?と思うのです(もしかしたら友達も)。

子供の頃は分からなかったお母さんの気持ち、ご自分が母になって分かったこともあるのではないでしょうか?

そして今ならお父さんにも感謝の気持ちを表せるかもしれませんよね。

親から離れて一人で生活していたのは本当に立派だと思います。

でも離れていたとしてもずっと授業料を払ってくれていたのと同じように、お父さん・お母さんはいつも気にかけ、心配されていたのでは?と思うのです。

もし「ごめんね」が苦手なら、ご自分もそこを乗り越えて、自分に非があると感じたら子供にも謝る姿勢を見せて頂くと違ってくるのでは?と思うのですがどうでしょう?

このようなお返事をしましたら、ワイママさんからも「まさに謝ることができない自分だった」とお返事を頂きました。

そして少し変化が起き始めています。

パピーさん、お返事ありがとうございます。

子供が友達を無視する。その問題をどうにかしたいと悩んでいましたが、自分に原因があって、それも私の生い立ちも関係している事もあり、解決って難しいだろうな…と思ってはいたのですが、

「もしかして『ごめんね』や『ごめんなさい』が難しいって事はないですか?」とあって、実はその通りで、私は謝ることがとても苦手で、仕事以外では自分から謝ったこと…無いかもしれません。

「無視をする」という事が問題なのだと思っていましたが、非を認めず謝らない自分がより問題を大きくしてしまい、娘も私そっくりになりつつあるんだ、と分かりました。

ただ、父・母と関係修復は、私にはハードルが高すぎると思いました。でも自分ができない事を子供にしろとは言えないし…。

悩んで悩んで、でも結論が出ないので、娘に相談してみました(娘の事ではなく、自分の問題として)。

娘に相談するのも初めての事でしたし、なぜ親と絶縁状態なのかも話したことはありません。

すると娘は「自分が悪いと思ったら、謝らなきゃだよね。もし怖かったら私も一緒にいてあげるからさ、今、電話してみたら?」と言いました。

私は(人の事だとしっかりした判断ができるのね)と少しおかしかったですが、娘の「今、電話してみたら?」という軽いノリが背中を押してくれて、その場で電話をすることになりました(時間的に父は仕事でいない事はわかっていました)。

電話をしてみると母はとても驚いていましたが、娘もそばにいる事を伝え「じゃあ、テレビ電話で話そう」という事になって、約1時間。

娘がいてくれることでクッションになって、いろんな話をしましたが、最後には「私のワガママでお母さんには嫌な気持ちをさせたと思うけどゴメン」と言う事が出来ました。

母はそれについては何も言わず「電話もらって嬉しかった」と涙を流してくれて「良かったら今年のお正月帰ってこない?」と言ってくれました。

「えっ」と即答できずにいたら娘が「行くよね。ママ。私も行くからね」と言って、お正月に帰る事。帰ったら父にも会う事が決まりました。

電話が終わってから、体の力が抜けて、どっと疲れましたが、今までの背負っていた重い荷物をやっと下ろせた思いでした。

そして娘が「おばあちゃん、泣いてたね。ママも泣いてた。でも二人ともうれしそうだったね」と言ってくれました。

娘には「ママ、1人では電話なんてできなかったと思うから、あなたのおかげだよ。ありがとう」と言うと、本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

そしてその日から、娘の表情が明るくなって、会話が急に増えたように感じています。

お正月に父にお詫びと感謝が言えたら、又、ご報告させてください。

今から緊張していますが、勇気を出して一歩踏み出すことでこんなにすがすがしい気持ちになれる事を今、本当に嬉しく思っています。

娘がそれを傍で見て、何か感じてくれるといいな、と思います。

一応、途中経過です。

娘さんの「無視」については、まだ結果が出たわけではありません。

ですが、そのご相談がもとになって、ワイママさんがずっと閉めていた扉が開き始めたみたいですし、

そこには娘さんの力が大きかった、と聞けて、とても嬉しいご報告でした。

きっとワイママさんが見せる姿が子供によい影響を与えると私は思いますし、

相談した時の娘さんの「自分が悪いと思ったら、謝らなきゃだよね」の言葉。

そしてお母さんに頼ってもらえた、という気持ちは、誇らしく感じていると思います。

お正月明けに、又、ご報告くださいね。楽しみに待ってます(^^)。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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