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卑怯な中国。IOCまで使って台湾に北京五輪開閉会式の参加を強要した黒い思惑

北京五輪の開閉会式への参加見送りを表明していた台湾が、中国の働きかけを受けたIOCによる度重なる参加要求を呑み、不参加を撤回したニュースが大々的に報道されています。普段は国際社会からの蔡英文政権排除に血道を上げる中国が、自国開催五輪の式典に台湾を参加させる意図はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、その裏にある中国の「黒い思惑」を推測。その上で、台湾が参加という「妥協」を選んだ意義についても解説しています。

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※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年2月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【台湾】台湾に北京五輪開閉会式参加を迫ったIOCと中国の黒い思惑

台湾 不参加から一転 北京五輪開会式「参加する」

台湾政府は1月28日の段階では、コロナを理由に北京オリンピックの開会式や閉会式に参加しないと表明しましたが、1月31日深夜、不参加を撤回しました。

報道にあるように、その理由は、「IOC=国際オリンピック委員会から式典に参加するよう要請があったから」とのことです。産経新聞の報道によれば、

IOCから参加を求める通知を何度も受け取った。IOCは、五輪に参加する各国・地域は、関連式典への参加を含む責任を果たすべきだと強調したという。防疫面では、全面的協力を約束した。

 

IOCの要求の背景には、中国の働きかけがあったとみられる。

台湾、一転して五輪の開閉会式参加を発表…IOCが何度も要求通知「責任果たすべきだ」

とのことです。そもそも、コロナの起源についてもWHOのテドロス事務局長の中国びいき発言が象徴するように、いくつかの国際機関は中国に骨抜きにされています。IOCのバッハ会長もテドロス氏と同じ臭いがするのは、私だけではないでしょう。

一部報道では、バッハ会長と中国の親密ぶりが報じられています。その証拠に、北京市中心部にある東四オリンピックコミュニティー公園には、早くもバッハ会長の銅像が建てられているそうです。とはいえ、ネット上では、音楽家のバッハだと勘違いする人が続出だとか。

北京五輪直前公園に“バッハ像”登場「音楽家バッハが蘇ったのか」と中国のSNSで話題

この公園では、近代オリンピックの父といわれるクーベルタン男爵、そして2001年に北京五輪が決定した際にIOC会長だったサマランチ氏、2008年の北京五輪時に会長だったジャック・ロゲ氏の銅像もあるそうです。つまり、クーベルタン男爵以外は、中国の国威発揚に貢献した人たちということで銅像が建てられているわけで、その一人として、バッハ会長も名を連ねたということです。

さらに、バッハ会長は、昨年の東京五輪のときに「ジャパニーズ」と言うべきところを「チャイニーズ」と言い間違えるということもありました。

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そして、張高麗元副首相に性的強要をされたと告発したことで、世界的にその安否が懸念されている女子テニス選手の彭帥氏の問題でも、女子テニス協会(WTA)がコンタクトを取れないなか、バッハ会長は簡単に彭帥氏とビデオ通話したと発表しました。しかも、その会話風景の動画は流さず、単に静止画を公表するだけで、「彭帥氏は無事で安全だ」などと強調し、まるで中国当局の代弁者のような振る舞いに、多くの批判が集まったことは記憶に新しいでしょう。

中国との「親密」ぶり本物 北京市中心部にIOC・バッハ会長の銅像建立

そんな人物が会長を務めるIOCから台湾が再三不参加撤回を指示されたということは、半ば強制的に撤回させられたようなものでしょう。

台湾は国際的な評価が急上昇しているとはいえ、中国の巧みな戦狼外交とバラマキ外交のアメとムチで包囲されていては、身動き取れない部分もあるのでしょう。

台湾内でも、以前もこのメルマガで書いたように、国民党勢力が台湾独立を叫ぶ立法委員をリコールしようとしたりと、台湾の民主主義堅持を邪魔しようとしています。蔡政権は内外の圧力と闘わなければならないわけで、台湾が前進するためには、今回のような妥協もひとつの選択肢にせざるを得ないのでしょう。

中国は、台湾を北京オリンピックの開閉会式に呼び、「中国台北」という呼称を使い、台湾は中国のものだと世界に示したいのでしょう。IOCでの呼称「チャイニーズ・タイペイ」は通常、「中華台北」と呼びますが、先日、中国政府当局は、「中華台北」ではなく、わざわざ「中国台北」と呼び、台湾側が反発したことがありました。

五輪で「中国台北」と呼称 中国報道官、台湾反発

台湾当局は、開閉会式に参加しない理由として、新型コロナの影響を挙げていましたが、中国側からこの「中国台北」という呼称を使われることを避けるためだという見方も広がっていました。

たしかに、先の東京オリンピックでは、開会式で入場行進する台湾選手団に対し、日本のアナウンサーが「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」と連呼したことで、台湾で大きな話題になりました。中国はこの意趣返しをしようと狙っている可能性があります。

台湾で異例の盛り上がり 史上最多メダル、呼称問題も話題―東京五輪

とはいえ、長い目でみれば、今ここで不参加を堅持するよりは妥協する道を選ぶことで、世界に台湾の存在をアピールすることも可能です。とくに今回の北京冬季五輪は、これまでもメルマガでお伝えしてきたように、世界中から異様な大会だと認識されています。

自由主義陣営の国々はもとより、世界の人権団体、マスメディアも、かつてないほど中国の動向を注視し、警戒しています。

人権や発言の自由のない国の異様さと、台湾のような民主主義国の自由な気風の違いを開閉会式で世界に印象づけ、相容れないまったく異なる国だということを明らかにすることも、大きな意義があると思います。

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image by: Mirko Kuzmanovic / Shutterstock.com

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