働きすぎとも世界から揶揄される日本の社会人たち。厚生労働省も日本の過労死の増加により、新たな基準を設けるなど対策を講じていますが、コロナの影響での人員削減やリモートワークなどで仕事に追われる人も多くなってしまいました。そこで今回は、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者でブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、効率的な仕事の減らし方を提案。世界的なコンサルティング会社で14年間も勤務した知見から「悪循環を止める」方法を紹介します。
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仕事があふれ、処理しても処理しても終わりません。
Question
機械メーカーの購買部で6年働いていますが、仕事があふれ、処理しても処理しても終わりません。取引先が大変に多い上、変更対応が頻発しているため、その都度やり直し、再発注、個数変更、修正依頼などが続くためです。ノー残業デイなども増えて会社では処理しきれないので、かなりの仕事を家に持ち帰って毎日2~3時間は仕事しています。もちろん、家族も決していい顔をしていません。残業に加えて、休日出勤も月4日はあります。それでも、仕事があふれていっている状況です。どこから手をつけて改善していったらいいでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございました。仕事があふれている方が多いと思います。人員削減が続き、リモートワークなどで生産性が落ちたことで、仕事が集中している部署は大変なことになっているようです。
どこから手をつけるかですが、何といっても、まず悪循環を止める必要があります。
悪循環があると、仕事が雪だるま式に増えていき、収拾がつかなくなります。悪循環を何とか止めれば、悪化することがなくなっていきますので、少しずつでも改善し、バランスが取れるようになっていきます。
バランスが取れるようになると、あと一息で、好循環が始まることさえあります。
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さて、悪循環を止める方法ですが、優先順位をつけて仕事を処理しようとよく言われます。教科書的には正しいですが、人が処理する場合は、自分がいっぱいいっぱいにならない工夫が必要です。
処理能力を一番ひどく奪うのは、「ああ、もうこんなにある。どこから手をつけたらいいかわからない。どうしようもない」というあきらめの境地です。戦うに戦えなくなっていきます。ため息ばかり出て、力が出なくなってきます。
それを防ぐには、実は優先順位を過剰に考えるよりは、目についたものを片っ端から処理して、残業務を減らし、「あとこれとこれとこれだけやれば何とか片付く、だから、もう少し頑張ろう」というふうに考えられる形にしていくことです。
合理性はそこまでありません。20個片づけなくてはいけないとき、簡単なものからさっさと片づけ、むずかしいものを後に残したほうが、モヤモヤが減り、より効果的に取り組むことができると私は考えています。
こういう大胆なやり方をすると、悪循環が少し止まり始めます。精神的な余裕が出始めると言ってもいいでしょう。
その次にやるべきことは、この際、やめてしまってもいい業務はないか、吟味することです。やめてしまうと何かと問題があるように見えますし、関係各所は騒ぎ立てますが、実はそこまで大切でない業務も長年のおりとして相当にあるはずです。
そこを大胆に削っていきます。これは、先輩社員にも手伝ってもらって、思い切りをよくしたほうがいいです。自分ひとりでは、なかなか踏ん切れません。
次には、残った業務のやり方を大幅に簡素化し、まずはいったん終わらせることに集中します。2~3割の削減、改善は絶対にできると信じて取り組んでください。
1~2週間、このように集中して取り組んでいると、結構、展望が開けます。絶対無理と思っていた業務の山がいつの間にか、何とかなりそうな状況に見え始めると思います。
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