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ヤケクソか? BALMUDA Phoneが早くも“雑なキャンペーン”で大幅値下げ

前回のインタビュー記事、『「こんなに逆風が吹くとは」“アンチなスマホ”のバルミューダ寺尾玄社長が語った本音』で社長の本音を掲載したメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』。著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは今回、このBALMUDA Phoneが早くも値下げを断行し、そのキャンペーンがターゲットにそぐわないと指摘。“アンチなスマホ”はこれからどうなっていくのでしょうか。

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BALMUDA Phoneが早くも大幅値下げ—–「春の新生活応援キャンペーン」はターゲットにマッチしてるのか

BALMUDA Phoneが早くも値下げされることが明らかになった。

ソフトバンクショップの直営店では、BALMUDA Phoneを48回払いで購入した際、のりかえもしくは5~30歳の人が新規契約でメリハリ無制限もしくはスマホデビュープランのいずれかの加入、または機種変更の場合、通常価格の14万3280円が7万1664円に割り引かれるというものだ。

のりかえはワイモバイルとLINEMOから番号移行も含み、さらに機種変更も対象となるなど、かなり太っ腹なキャンペーンといえる。

これまでバルミューダの製品は一般的な製品よりも高価な値付けを維持していたが、わずか3ヶ月で値下げに踏み切るとは驚きだ。

バルミューダの寺田玄社長は「現在の販売状況が、私たちが望んだものと乖離がある。BALMUDA Phoneをより多くの人にお使いいただく試みなので、望ましいことだと考えている」としている。

実際、バルミューダの決算では携帯端末関連の売り上げは計画値を上回っており、キャリア納入分に加えてSIMフリー分が上振れしている模様だ。

ソフトバンクとしては、計画通りの台数を在庫として抱えているわけで、なんとか3月末までに裁きたいと必死なのだろう。

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ただ、条件のなかで、新規契約の場合は5~30歳の人という年齢が限定されているのが何ともピントがずれている感がある。

今回のキャンペーンの立て付けでは「春の新生活応援キャンペーン」として、バルミューダの公式オンラインストアで使える20%オフクーポンがもらえるということだが、新社会人や新入学生が新生活を始めると言う段階で、バルミューダの製品を揃えるというのはちょっと考えにくいのではないだろうか。

バルミューダの製品は、多少高くても「トースターがおいしい」とか「風が気持ちいい」といった体験価値に対して、惜しみなくお金を払ってくれる人が喜んで買うものであり、「春から新生活を始める人」がターゲットではないはずだ。

若い人の新生活に必要なのは、まずは一人暮らし用の小さな洗濯機や冷蔵庫であり、バルミューダのコーヒーメーカーや加湿器ではないはずだ。

BALMUDA Phone自体も、動画やゲームをしまくる若い人向けではない。音声通話がメインで、スケジュール管理をスマホで行い、メールはもっぱら部下からの報告をチェックするといった年齢層高めがマッチしているのではないか。

この時期に在庫処分したいからと「春の新生活応援キャンペーン」という立て付けにしたのは理解できるが、バルミューダの製品コンセプトやターゲット層を考えた上で、もうちょっと丁寧な見せ方ができなかったのだろうか。

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image by: Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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