いつのまにか私たちの生活の中で定着したものってありませんか?例えば、野菜でいえば「アボカド」。当初はちゃんと発音できる人すら少なかったのに、もはや当たり前のような顔をして食卓に並んでいます。なぜ、馴染みのないアボカドがここまで日本で流行ったのでしょうか?メルマガ『Mのメルマガ』の中でその知られざる事実が明らかになります。
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アボカドのお話
先日ネイルサロンに行った際、朝に食べたアボカドが小指の爪の間に入っていて緑色になっていてとても恥ずかしかったのです。
アボカドは今や男性も食べる健康食。アボカドバーガーやアボカドサラダなど爪が緑になるおしゃれなアボカド絡みの食べ物が世の中にいっぱいです。
私も日常的にアボカドを食べているものの、買うのは結構難しい。数年間、毎日のように食べているものの、未だにスーパーで“いい”アボカドを選ぶことができず、硬かったり、逆に柔らかすぎて端が黒く変色していたり、はたまたぱっと見かなり調子良さそうなのに種が取れない?ようなものだったりと、そのためアボカドについては、スーパーではなく八百屋で買うようにしています。
八百屋のアボカドの目利きは相当なもので、大きさも十分だし切るとまるでアボカドのフリー画像に使えるのではというくらいのクオリティ。シミ一つないきれいな薄いグリーンで、スプーンですくうとクリームチーズのように滑らかです。
こんなアボカド選べるのはすごい。八百屋は無くなってほしくないと思いつつも、近所にできたイオン系スーパーに完全にお客さんを取られてしまっていて、閉店するのは時間の問題かなと個人的に思っています。
こういうのはとても残念なのですが、やはり時代の波というのがあり、人々は現金以外で支払いたいし、どうしても“便利”というのは強力で流れてしまいがちです。
高齢者などのこういう昔ながらの商店は、東京に限らず、大きいスーパーなどの進出によって閉店の危機にさらされていますよね。
今の波に乗って行こうとする商店の経営者は、ネットでの販売を学んだり、今の時代に合わせて売上を伸ばす努力を重ねて、日本中にファンを持つ、地方の小さなお店も少なくないと思います。
個人的には、年配の方には難しいとは思いつつも、今の売り方やITについてがんばって学んで、わたしたちに買い物をさせてくれるような魅力的なお店に生まれ変わってほしいと思います。
ただ先ほども書いたけど「現金だけ」しか使えないというのは、お客さん想いとは言えない気がしています。
コロナで現金をあまり使いたくない、というのもあるし、支払い方法だけでも何かキャッシュレスで支払えるようにしてくれたら、それだけでも買い物に行く機会は増える気がします。(個人的に)
私が行く八百屋さんも、無くなってしまったらいいアボカドを食べられなくなってしまうしパスモでいいからキャッシュレス、お願いします。。
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アボカドの話に戻りますが、日本でアボカドがここまで食べられるようになったのは、2010年代のヴィクトリアシークレットのエンジェルの影響だと思っています。
ヴィクトリアシークレットは数年前に、経営が傾いてコンセプトもカジュアルになってしまいましたが、それまではセクシーなランジェリーを扱うブランドでした。高級路線ではなくカジュアルな価格帯のブランドです。(日本のランジェリーブランド「ピーチジョン」は、元々、“ヴィクトリアシークレットの日本版“をイメージしてスタートした印象です。)
ヴィクトリアシークレットはアメリカのブランドです。日本はあまりターゲットにしておらず、私は高校生の時からカタログを取り寄せて通販で買っていました。
そして、このヴィクトリアシークレットのモデルたちは、世界中のファッションモデルの憧れでもあり、ヴィクトリアシークレットのモデルのエースたちを“エンジェル”と表現するのですが、ヴィクシーのエンジェルたちのインスタグラムが世界中の女性たちの流行を作っているといっても過言ではありません。
オーストラリア出身のモデル、日本でも一時大人気だったミランダ・カーもヴィクシーのエンジェルです。
とにかく彼女たちがインスタなどのSNSで発信することを世の中のセレブにおち、素人のインフルエンサーにも落ちて、という形で広まっていきます。ローラなども3次請けくらい。悪い意味ではなく皆エンジェルの真似っこです。
なので、次に何が流行るかを知りたければ、エンジェルたちのインスタをチェックするのが一番早いです。
先ほどヴィクトリアシークレットは経営が傾いて、それを期にコンセプトがカジュアル路線になったと書きました。昔のLLBeanを想起してしまうのですが、そういうセクシーな、ではなく「普通の」というのが、そういう風に“幅を広げた”と言ったほうが正しいと思います。セクシー路線も残っているものの、勢力は弱いです。
そのため、さんざんエンジェルの話をしたけれども、もはやエンジェルという存在がもうほとんどないですね。
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エンジェルのトップといえば、2018年に引退したブラジル人モデル、アドリアナ・リマ、このあたりでもう、2000年少し前から続いてきたヴィクトリアシークレットのきらびやかな時代は終わったとも言え、そうなったのはインスタなどで素人インスタグラマーなどで影響力がある個人が増えてきたこと、カリスマというのがなくなり、ファンがもう分散化してしまい、ひとつのところに集めて魅せるということに、皆が興味を示さなくなったことが大きいと思います。
けれどそのきっかけ(素人に力を与えた)を作ったのが、ヴィクシーのエンジェルたち(の発信するSNSや投稿)だったというのは少し皮肉だなと思います。
アボカドに関しては、ブラジル人モデル、ジゼル・ブンチェンあたりがはじめに何かのSNSで、毎日食べていることを明かしていた気がします。
2015年くらいだったと思います。それからアボカドは海外の美容意識の高い女性に広まり、ローラみたいな国内のアイコンになるような女性がそれを2次請けで紹介し、ナチュラルローソン好きのおしゃれっぽい健康意識高め女子がアボカドを食べ始め、ニーズに気づいた〇〇サラダワークスみたいなお店もアボカドを用いたサラダを提供しはじめ、そんなアボカド女子を彼女や奥さんに持つ男性は、カリフォルニアロールに入ってるくらいしかイメージのなかった緑の物体への警戒がなくなった、こういう流れでアボカドが食べられるようになったと思うんですよね。
森のバターって言われても、まぐろの代わりくらいしかイメージがなかったのに。
こういう刷り込み系というか、私たちの中になにかが入って、それが普通になってくる感覚って非常に面白いと思います。
わたしはよくそういうのを客観視して自分の中のそれに対する気持ちがどう変化していくかも観察しているのですが、これについてはまた今度書きたいと思います。
アボカドはとにかく緑なので、爪に入ったり、紙につくとやっぱり緑は取れないのでお気をつけください。
わたしは事業の売買契約書の上部にアボカドがついてしまい、税務署で恥ずかしい思いをしたことがあります。「こんな重要な書類にアボカドつけて・・・」って言われていないけど、緑は取れないですからね。
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