ロシアのウクライナへの侵攻を皮切りに、世界各国から核戦争への言及がされ始めました。では、米国に迫る勢いで成長を続ける隣国・中国はどのように核を捉えているのでしょうか?中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんは自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』で、 中国の一般の人々の核兵器への考えについて語っています。
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中国の一般の人々は核兵器をどのように受け止めている?
【Question】
このところ、世界の指導者から核戦争への言及があることに恐怖を覚えます。中国の一般の人々は核兵器をどのように受け止めているのですか?
【黄文葦さんからの回答】
中国一般の人々は核について、複雑な気持ちを抱いていると思います。核の研究者、つまり科学家について、国の誇りという存在だと宣伝されていることです。核、勿論怖いものだと知っているはずですが…。
ネットで調べていると、中国の核兵器に関する話題をよく目にするのが、中国の核兵器政策のメリットを語る人がたくさんいます。以下のような意見がありました。
50年前の中国は貧しく後進国であり、核兵器開発時に採用された最低限の核反撃要件により、核兵器製造の目的は主に他国による中国への核脅威と核侵略を防ぐことでした。中国が徐々に強くなり、他国が簡単に中国を侵略する勇気がなくなってきたのです。しかし、中国が強くなったため、アメリカは中国を敵視するようになり、中国に迷惑をかけ続けています。それなら、中国もそろそろ核政策を調整して、実力のある相手になってほしいと思います。
つまり、中国の核兵器政策は今、米国の脅威に合わせて調整されなければならないと主張します。核兵器がやはり必要だと思われます。
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2年前、「人民日報」傘下の「環球時報」の元編集長である胡錫進氏が、中国が核兵器の規模を拡大すべきであると示唆したことで、国内外に懸念が広がっています。胡氏を戦争屋と批判する人もいれば、胡氏に賛同する人も少なくなかったのです。
一部のネットユーザーの見解は、中国の核兵器の強さは質・量の両面で大幅に強化する必要があり、質の面ではさらに強化し、量の面では少なくとも1,000個を超えるべきだというものです。
中国の核戦力は、国力全体、特に経済力に全く見合わないと主張されています。中国の経済力はロシアの5倍以上、核兵器の数はロシアの10分の1以下です。
中国が世界のどの地域にも打撃を与えられるように、射程2万キロメートル以上の核弾頭をさらに追加する必要があると主張する人さえいます。中国は、核兵器運搬の機動性と利便性を高めるために、原子力空母や原子力潜水艦を増設する必要があると主張されています。
北朝鮮の核兵器問題についても、中国の人々は「人民の食糧問題が解決できないのに核兵器を開発するのは不合理であり、世界に危険な要素を加える」と完全的に批判しています。
当方の知る限り、核兵器に反対している中国の大学の学者やメディア関係者が大勢います。高度な知識を持つ人々が核兵器に反対しているようです。
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