ご当地グルメといえば今や各地で人気の品があります。しかし、食べ物だけではなく、そのご当地でしかお目にかからない“食べ方”もあったりしますよね。三重県四日市にある餃子専門店には、私達が思う常識を覆す“食習慣”が存在していました。今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、 その不思議な組み合わせを楽しむお店について詳しく紹介しています。
ミステリアスな食習慣。餃子を食べながら、牛乳を飲む!?
地域によって、食の習慣はさまざま。変わった食べ方、不思議な組み合わせが各地に存在します。
三重県四日市市にも、実にミステリアスな食習慣があります。
それは、ある餃子専門店に。
メニューは、焼き餃子と飲み物、持ち帰り用生餃子のみ。カウンター席に座ると、注文しなくても、餃子1人前が出てきます。後は、飲み物を注文するだけ。
このお店で食べられるのは、8個入りの焼き餃子のみで、1人前ずつしか注文できません。これは、焼き立てを食べてもらいたいがための“キマリ”なのです。
追加注文する時は、空いた皿を上のカウンターにのせれば、何も言わずとも次の餃子が運ばれてきます。メニューが1つだけだからこそのシステムとなっています。
餃子の餡(具材)は、キャベツ、ニラ、玉ねぎ、豚肉、ニンニク。野菜を多めに使うことで、シャキシャキとした食感となり、サッパリと食べられます。
野菜にもこだわり、季節ごとに一番美味しい産地のものを使っています。
このあっさり餃子に合うのが、カウンターに置かれた赤い液体。刻んだニンニクをラー油に漬け込んだものです。
これをつけて食べると、香りと辛味が食欲を刺激し、野菜の旨味と甘味を際立たせてくれます。ほとんどのお客さまが、このラー油をつけて食べ、次々にお代わりの皿をカウンターに置いていきます。
餃子だけを黙々と食べている光景は、不思議というのか、不気味と言っても良いのかもしれません。
さらに、そんな食べている光景の中に、一般的にはあり得ないものが存在しています。お客さまのほとんどが、餃子を食べながら、牛乳を飲んでいるのです。
瓶入りの牛乳を美味しそうに飲んでいます。
こんな食習慣は、他の地域には絶対にないと断言しても良いでしょう。固定観念からすると、この組み合わせはあり得ません。
しかし、店内のほとんどで同じ光景を目にするのですから、美味しい組み合わせなのでしょう。
牛乳を置くようになったキッカケは、ニンニクの匂い消しとして、食べた後に飲んでもらうため。それが、いつの間にか、餃子に合うと評判になり、食べながら飲むことが定着したようです。
牛乳は、ニンニクの辛味をマイルドにしてくれたり、餡に含まれる豚肉の脂分と調和することもわかりました。
お店には、ビール、日本酒、ウーロン茶などもあるのに、お客さまが頼むのは、牛乳が圧倒的に多いのです。
これはつけ足し情報ですが、りんご牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳も用意されています。
奇妙とも言える食べ方、組み合わせですが、偶然から生まれた食文化が、長年に渡って続いていることは、非常に興味深いものです。
常識的なものの考え方をしていては、決して誕生することのなかった食習慣だと言えます。
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