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「草食系男子」生みの親が語る“自分らしさのマーケティング”とは

あなたが考えるマーケティングとはどのようなものですか?現代では、ユーザーへの伝え方という意味で使われることが多いかもしれませんが、Google、マッキンゼーを経て楽天の執行役員などを務めたIT批評家の尾原和啓さんが思うマーケティングはそれとは異なるようです。そこで今回は、メルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』の中でマーケティングについて、そして自分らしさをマーケティングする方法について深堀りしています。

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「おひとりさま」「草食系男子」生みの親・牛窪恵さんとの対談で話題になった“ザ・マーケティング”

今日は、以前牛窪(恵)さんとの対談の中で話になった“ザ・マーケティング”っていう話をしたいと思います。

マーケティングの原点からみる、「自分らしさのマーケティング」とは?

マーケティングってなんとなく、「うまいソーシャルメディアの使い方」「コマーシャルの打ち方」というように、ユーザーへの伝え方がマーケティングと言われることが多いです。

けど、僕が好きなマーケティングの定義はドラッカーの定義です。それは、「マーケティングとは、売り込みをなくすこと」という言葉なんですよね。

つまり何かというと、「売り込む」というのはセールス(販売)の仕事ですが、マーケティングというのはユーザーが自分でほしくなって自分から買いにくる状態を作ることです。

なのでマーケティングの根幹は、「このメッセージは私に送ってくれてるんだ」っていうふうに、使ってくださる方のことを使ってくださる方以上にグッと見ること。そして、「その人の人生を肯定する」「その人を肯定するような言葉をつける」ことが始まりだったりするんですよね。

牛窪さんのマーケティングは、「新しい世代」「新しい生活スタイル」を好奇心を持ってみて、その人を温かくプラスにつないでいく言葉に変えていくことです。

そうすることによって、“自分は他の人達と違う”と思っていたのが「おひとりさまでもいいんだ」「草食系男子でもいいんだ」というふうに肯定的に包まれていく。

何よりも、「おひとりさま」 として活き活きと生きられるような商品やサービスがそれに基づいて生まれてくるので、より生きやすくなるという話なんですよね。

そこがマーケティングの根本であり、それがゆえに

といったところをずーっと見ることが大事です。

それは「モノを売る」ではなく、「モノを買っていただける」に変えていくためのマーケティングでもある。しかも、そうすることによって自分たちが自分を肯定できる。

だから、「観察をして名付ける」という本当の意味のマーケティングって、商品とかサービスだけじゃないんですよね。それは、“自分が自分であることをマーケティングすること”です。

つまり、自分が自分らしくあって周りの仲間から自然と何か一緒にしたくなることは、売り込みをなくすことではなく、ユーザーが買ってくれることと同じです。

“自分をマーケティングする”というのは、自分の自分らしさがより表出されて、周りが自ずと「自分らしさがいいね」って言ってくれて、コラボレーションにつながることなんですね。

だから、そういう観点で牛窪さんがやってきた「あらゆる手法」「なぜ自分らしさが生まれてくるのか」を考えていくことが大事で。

「きちんと自分を深掘る」「相手を深掘る」という定性調査としてずっとやってくことや、定量調査として数値を冷静に見ていくことも大事です。

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なぜ「自分らしさ」が生まれてくるのか?

「世代」というのは個性が大きいです。ただ、人間は関係性の生き物だから自分が育った環境が似てくると、その環境によって自分の個性にもある程度偏りが出る。

わかりやすい話で言うと、時代がものすごい上り調子なのか、時代の中で突然ガーンと落ちる悲劇の経験があるか、ということです。

僕の好きな言葉で、「失望が自分を形成する。自分の傷が自分を作ってくれる」という言葉があって。そういう意味での「時代の傷」とは何なのか?例えば

というふうに、「親」や「時代の傷」によって自分の世代が変わってくるんです。

あともう1つ大事なのが、「いつの時代でどういうつながりをしたか」ということです。特にZ世代、ゆとり世代(アメリカではミレニアル世代)。僕の本の中では、この草食系世代以降をモチベーション革命における「乾けない世代」と言っていますが、草食系世代以降の変化は何かと言うと

自分が社会につながるタイミングで当たり前のようにインターネットがあるから、「つながっている中で自分がどういうモノの見方をされるのか」が変わってきているんですよね。

ただ、草食系世代のタイミングでは、あくまでインターネットは仲間内の通信を便利にするものです。

Z世代になってくると、インターネットの中で全く新しい友人と出会うことが当たり前というふうに変質してきている。そのへんが、志向性の変化につながってくるわけです。

自分の周りを囲っている

を冷静に考えていくと、話が戻るんですけど、「自分らしさ」をうまく名付けていけば、自分を売り込まなくても周りが「あなたのあなたらしさがいいね」って言ってつながっていきます。

最後に

繰り返します。ドラッカーのマーケティングの定義は

では、つながる時代の未来を楽しみしょう。じゃあね。

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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