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あの魚介も実はロシア産。ウクライナ情勢は日本人の食生活にどこまで響くか

プーチン大統領によるウクライナ侵攻に伴い、西側諸国がロシアに発動した経済制裁。その規模は科す側が返り血を覚悟するほどの厳しいものと言われますが、日本はどれだけのダメージを被ることになるのでしょうか。今回のメルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』では、Webメディア『ECのミカタ』元編集長で株式会社「team145」代表取締役石郷学さんが、データの抽出のプロにしてロシア渡航歴27回を誇る専門家の力を借りその実態をリサーチ。さらに「グローバル時代だからこそ大事にすべきこと」について思うところを述べています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2022年3月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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ウクライナ情勢は小売業のどこにダメージを与えるのか

ロシアの輸入品には何がある?

ロシアによるウクライナ侵攻に関連してロシアへの経済制裁が、小売にどんな影響を及ぼすのか気になったので、それを数値でみていきます。

具体的には、デジタルコマース総合研究所 代表取締役 本谷知彦さんに協力してもらいました。彼は「電子商取引に関する市場調査」の制作に携わっていたので、データの抽出はお手のものです。今回で言えば「財務省貿易統計」というデータを使って、対ロシアと日本の関係について触れました。

日本はロシアから何を輸入しているのかを今一度、確認してみましょう。

原価の高騰が避けられないカテゴリー

それでいうと割合が大きいのは「魚介類」です。調べたものを表にしたのが下になります。

貿易統計の分類では「魚介類および同調製品」というカテゴリー。その額は1,374億3,867万8,000円に及びます。

政府は国内産業への影響を考え、直接、関係各社に「これらを仕入れないように」という指示をしているわけではないようです。しかし、決済手段に制限がかかっている以上、厳しいのは確かです。

もう少し具体的にみるとリアルに

よりリアリティを持って感じてもらう為に、その内訳も出してもらいました。ここまでくると我々も想像がつきやすい。

数字としてロシアからの輸入額が最も多かったのは「かに」です。輸入額は379億8,900万1,000円。

もっと分かりやすくする為に「漁獲量」と「輸入量」とで比較してみましょう。

2020年の農林水産省「漁業・養殖業生産統計」に基づけば「かに」の国産の捕獲量は2.1万トン。それに対してロシア産の輸入量は1.1万トンです。

さてここでもう一度、貿易統計のデータに戻ると「かに」に続いて多いのが「さけ及びます」です。199億6,723万9,000円で、本谷さん曰く「多くは『さけ』の方ではないか」と。

意外に多いのが「うに」。97億7,592万1,000円です。具体的な品名で聞くと、我々の食生活に密接なものが多いです。ということは、関わる事業者も多いという事です。

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ロシア人のメンタリティ

ロシアは広大な大地を持ち、資源に溢れた場所なので、それをテコに海外との取引を行い、積極的に外貨を入れて、国力を増強してきたのだということがわかりました。

ただ、残念なのは軍事と宇宙開発に力を入れるのではなく、もっと内政をしっかり強化して、経済を生産性高く、成果を上げるような仕組みを整えるべきだったのではないかと本谷さん。

そこを踏まえた上で、ロシア人の気質からこうなることを予測できたのか、ということに言及してみたいと思います。

実は、安倍晋三元首相がロシアとの関係構築に熱心だったこともあり、本谷さんは、大和総研の時代、ロシアの案件に多く関わっていました。彼自身、ロシアに合計27回渡航しロシア人のメンタリティに精通しています。

なくはなかった戦争?

それを思えば、なくはない事態だったと話します。彼は「ロシア人」の性質を3つの「S」で表現できると話していました。

一つに「そっけない」けれど、二つに「素直」で、でも三つ目「粗暴」だと。

社会主義の影響かもしれないけど、用心深く、どこか人を信用していなくて、コミュニケーション下手になりがちなのかなと聞いていて思いました。

余談かもしれないですが、プーチン大統領はサンクトペテルブルク出身。そこは素晴らしい街並みで、華がある。かつてのロシア帝国の首都であり、そこで彼は育った人間なので、古き良きロシアの時代を取り戻すんだという思いがあっても不思議ではないと話します。決して、戦争は許されないけれど。

最後にロシア人の話に触れたのが本質で、僕らが認識しなければいけないのは、「日本とは違う人種を相手にしている」ということ。

2020年代に入って、新型コロナウイルス感染症の拡大であるとか、ウクライナ情勢など、僕らには到底、予測しえない事態が起こり続けています。

けれど、改めてそれらは、自分達が向き合っているものが必ずしも同じ条件で、同じようにずっと続くものではないという教訓を示してくれている気がします。自動販売機じゃないんですよね。

だからこそ、人種など現場をよく把握して、その性質を踏まえて付き合っていく等、グローバル時代だから、現場を重んじ、雑にしない事が大事だと思いました。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2022年3月28日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込962円)。

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image by: Konstantin Baidin / Shutterstock.com

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