地域によっては、短期で人材が不足した場合は雇用側に大きな負担があり、遠くに住む人を募集することはあまりにも非現実的でした。しかし、それを現実するサービスができあがったようです。今回、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で紹介するのは、旅先で仕事を提供するサービス「おてつたび」です。その気になるシステムとは?
「おてつたび」で、人材確保。プラス地域の魅力を発信!
地方で地味に静かに営業を続ける、小さな組織。農業、漁業、宿泊業、製造業……。
そこでは、小さな組織なりの悩みを抱えています。
知名度が低く、思うように売り上げが伸びない。人口が少なく、人材を確保できない。事業規模が小さいため、正社員を雇えない。
これらを解決できるかもしれない、新たな取り組みが始まりました。
「おてつたび」という、不思議なネーミングのサービスです。
● おてつたび
お手伝い(仕事)と旅を掛け合わせた造語で、「知らない地域に行きたい」「仕事をしながら、暮らすように旅をしたい」という人をサポートする、WEB上のプラットフォームです。
地域あるいは業種によって、季節的・短期的な人材不足が多く見られます。
地域だけで人材を集めることは非常に難しく、短期ながらも慢性的な課題を抱えて、苦労しています。
季節労働や短期バイトは、昔なら求人雑誌で、現在はネットでの求人も行われています。
しかし、雇う側が交通費や宿泊場所などのすべてを用意する必要があり、遠くに住む人を雇うのは現実的ではありませんでした。
また、期間が短い場合には、交通費の割合が高くなり、経費倒れとなってしまいます。
この「おてつたび」では、雇う側は交通費の負担がありません。
宿泊場所だけを用意すれば良く、大きな経費は掛からなくなっています。
あくまで旅をする人の“旅費を稼ぐ場所”として、仕事を提供しているのです。
従来のアルバイトとやっていることは同じなのですが、働く人の意識がまったく違うのです。
稼ぐためだけに行くのではなく、自分の知らない、魅力ある地域を探す旅をするために、このプラットフォームを利用しています。
また、有料でやっているような「農業体験」「漁業体験」をお金をもらいながら楽しむことができるのです。
雇う側のメリットは、安く人材を確保できるだけではありません。
地元の良さを全国の人に知ってもらうことができ、次なる人の誘引に繋がるのです。
この地に住んでみたい。また遊びに行きたい。そう思ってもらえれば、地域の活性化にも繋がります。
また、地域外の人なら、地元の新たな魅力を発見してくれるかもしれません。
地元民では気づかない良さを教えてくれるのです。これは、大きなメリットです。
参加者としても、報酬はそれほど多くはないのですが、さまざまな仕事を「体験」することが、報酬になっているのです。
意識・考え方を変えるだけで、これまでにもあった短期雇用のシステムを大転換させたと言っても良いでしょう。
大きな可能性を感じさせるサービスではないでしょうか。
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