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A person who scams on the Internet

女性暴行事件で大炎上の中国。警察と反社が手を組む現状に国民激怒

中国の河北省唐山市にある串焼きレストランで起こった事件。9人の男が4人の女性に殴る蹴るの暴行を加えたというもので、日本のテレビでもその映像が繰り返し報道されました。現地中国ではこの事件に対し、不可思議な現象が起こっているといいいます。今回の無料メルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』では、中国在住のMochiさんが事件について詳しく語り、何やら裏のありそうなとある現象についても紹介しています。

華南の風』中国・深セン【17】唐山殴打事件

皆さんこんにちは!ここ数日は最高気温が33℃とだいぶ夏らしくなってきました。蝉の声も増えてきている気がします。深センのセミはひたすら「ジーー」の一辺倒で結構うるさいです。ヒグラシのような情緒的な鳴き方をしてくれるとよいのですが。

さて今回は最近中国で起こったショッキングな事件のお話をしたいと思います。河北省唐山市にある串焼きレストランで起こった事件です。9人の男が4人の女性を殴る蹴るの暴行を加えている監視カメラの映像がネットにアップされたのです。Youtubeで「Tangshan」で調べると出てきます。非常にショッキングな映像なので心の準備をしてから見てください。

この9人の男はいわゆる地元のヤクザですが、「あり得ない」という言葉しか出てきません。一夜にしてあらゆるSNSはこの動画一色に染まり、怒りのコメントで溢れました。そして炎上後2日で9人全員逮捕されました(現行犯逮捕しろよ)。

これが「人間のクズが起こした悲劇」で終わるかと思いきや、次から次へとトピックが発展していきました。

1.周りの客も通行人も誰も止めに入らなかったこと
2.事の始まりの前にヤクザがレストランの店長に「あそこの女を外に連れ出すから」と伝えていること(店長黙認?)
3.通報を受けた警察が数百メートルしか離れていない警察署から現場に到着するまでに3時間かかったこと
4.別角度から撮影した動画をSNSに挙げた女性に警察署から「体裁が悪いから削除してくれ」と電話がかかってきたこと←録音されて再炎上。この女性は地元警察がヤクザとグルのため不安だとして別の省へ移動してから通報
5.これらのヤクザを含む反社会勢力から被害を受けた唐山市民が次々と動画を挙げて自分の被害内容と警察が何も動かなかったことを訴え始めたこと

どのトピックも議論を呼び、人々の怒りと諦めの声が絶えることなくコメント欄に出てきました。

怒りはもちろん女性に対する容赦のない暴力、何もしない警察に対して。諦めは「所詮中国の文化はこのレベル」、「法律では正当防衛が認められず喧嘩両成敗になる(だから誰も助けない)」など。

事を重く見たのか、SNS上に「警察署の幹部が取り調べを受けている」、「××の党委員会書記が取り調べられた」などの動画が増えてきました。コメントは「しっかり調べてね。頼みます!」、「悪者は厳罰だ」、「法律を破るとこういうことになる」というコメントの流れ。

同時に「被害者の4人のうち2人は軽症で既に帰宅、残りの2人も軽度の傷害と判断され軽症の病室に移った」との動画が増えてきました。「あれで軽症はないだろう」と誰もが思うはずですが、そのようなコメントは見当たりません。そして「軽症でよかった」「早く元気になって」の流れのコメントだけです。

つまりどちらの動画もコメントも政府のメディア部隊の自作自演なんですね…。これでこの惨事の幕引きを図ろうとは考えが甘い。コメント欄は「9人は全員死刑だ」の声が圧倒的です。

「被害者は既に亡くなっていて、担架の写真は替え玉」のような動画も見かけますが、削除されてしまうのか翌日には出てきません。日本人的には死体が無きゃ殺人罪には出来ないし死刑にしにくいと思ってしまうのですが、人治国家のこの国は寧ろ世論を受けてすぐ死刑にしてしまうので事態の収拾を図るため、本当に死刑になってしまうかもしれませんね。資格十分であるということは実証済みです。

現時点で共産党上層部の公式発表は出てきてません。汚職の撤廃、反社会勢力壊滅というスローガンでスタートした習近平体制ですが、蓋を開けたら行政・警察・反社会勢力が手を組んで好き放題やっていたという現実が曝されてしまいました。

習近平は汚職調査で政敵を駆逐したのですが、その数年後に汚職調査委員会を解散してしまいました。国民の怒りの矛先がそこに向かうのをきっと何よりも恐れているでしょう。

この秋に通例を覆す3期目の国家主席となって歴史に名を残すという目論見が危うくなってきました。

とにかく被害者の方々が一日でも早く回復されることを願います。

(『出たっきり邦人【アジア編】』6月24日号より一部抜粋)

著者/Mochi(「『華南の風』中国・深セン」連載)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 アジア6カ国の在留邦人メンバー 【発行周期】 週刊

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