事業として始めやすくても、大きく儲けるのは簡単ではないカフェの運営。オープン直後の忙しさが終わり売上が落ちつくと、低空飛行が続くことも多いようです。それでもプロによるテコ入れで、約3倍もの売上アップを実現した例があるのだとか。ノウハウを明かしてくれるのは、メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』著者で、船井総合研究所で史上最年少のフード部マネージャー職に就き、現在は京都で外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポートする堀部太一さん。さまざまな改善策を実施しながらも、忘れずにやり続けなければならない4つの当たり前のことについても指南しています。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
カフェ業態のテコ入れで行った事
参入は多い中で中々儲けるのが難しいカフェ業態。短期的ヒットを作れても長期的に安定感を得るにはより越えるべきハードルがあります。
今回のメルマガではオープンしてしばらくは坪月商10万円程度と苦戦しながらも、今は安定して30万円以上売れるようになった企業で取り組んできた事をまとめてみました。
<時間帯別売上と客層の把握>
オープン景気が終わりガクッときた、坪月商10万円という事実。想定より忙しく内部環境が高まる前にファンを作れなかったという要素もありますが、変化しなければならないのは明白でした。
そのため、まず把握したのが「時間帯別売上」です。ランチとディナー。カフェ業態ではこの大雑把な分け方だと、意外と狙いがぼやけてしまいます。
1時間別で売上と客層を把握してみました。するとやはり特徴って出るんですよね。本当はもっと複雑ではあるのですが、ざっくりこのようなパターンが。
11-12:幼稚園や保育園を送った後のお母さんの集まり
12-13:近隣で働く方のランチ
13-14:近隣のお母さんのカフェ利用
14-15:スイーツを食べに来る大学生やフリーター層
15-16:休憩
16-17:休憩
17-18:大学生のカフェディナー
18-19:仕事終わりの食事
<時間帯別コンセプトの決定>
このように見えてきた時に、決めたことがあります。
- 伸びるところを徹底的に伸ばす
- 需要がありながら獲得してない用途を足し算する
この辺りです。
具体的には下記を実施しました。
お母さん層の更なる強化
- 内装を未就学児にも優しい内容に
- 健康訴求を実現できる商品内容に
- カフェメニューのテイクアウト強化
目的来店の大学生やフリーター層
- SNSと相性の良い商品開発
- インフルエンサーマーケティング
- アンバサダーを巻き込んだ商品開発
食事需要としてのディナー獲得
- 脱カフェメニュー
- 複数人で集まれる料理プラン開発
繰り返しとなりますが、
- 伸びるところを徹底的に伸ばす
- 需要がありながら獲得してない用途を足し算する
で考えたのが上記となりました。
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<低単価高頻度業態としての立ち位置>
上記を考えましたが絶対に忘れてはいけない視点も。それは「足元商圏」に支持されなければ成り立たないという事です。カフェ業態ですのでいわゆる低単価高頻度業態の位置付けです。そのため大切にしていたのが、
- 名物カテゴリーはぶらさない
- 毎月月替わりでメニュー開発
- ドリンクとスイーツは常にトレンド追っかけ
- LINE獲得の最大化
この辺りをやり切るようにしました。物凄くシンプルなのですが、逆のお店って多いですよね。
- 名物は特に見当たらない
- 最後の商品開発が一体いつかわからない
- 料理がいつも古臭い
- 情報発信媒体がない
当たり前力の差って本当に大きいなと思います。一つ一つ振り返っていても、
- 名物カテゴリーはぶらさない
→客数対比で80%以上の注文カテゴリー - 毎月月替わりでメニュー開発
→作りやすいものではなく名物になり得る4番バッターメニューを考え、毎月交差原価率を確認する - ドリンクとスイーツは常にトレンド追っかけ
→テレビでの特集やコンビニスイーツ、PinterestやInstagramでのビジュアル把握 - LINE獲得の最大化
→新規客数に対して10%以上の獲得率、開封率は80%以上をエンゲージメントに、毎月の取り組みを雑誌風に訴求
などなど、この辺りを仕掛けていました。
<目的来店性の要素>
上記は「足元商圏」の話。しかし14時以降はスイーツカテゴリーの集客力が強くどうやら「広域商圏」での集客比率が高いことがわかりました。(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2022年8月29日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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