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Old fashioned angry teacher holding stick in classroom

最悪な「教師ガチャ」を引いてしまった生徒たちが追い込まれる日本の悲劇

本来であれば生徒たちの味方であるべき教師が自ら「いじめを助長」する……、そんなひどい現実が実際に起きています。今回は、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』を発行する、同ネット代表の井澤一明さんが複数のいじめ事件について言及。ありえない教師の言動や学校のひどい対応への対処法を紹介しています。 

教師ガチャ。一握りのトンデモ教師にあたってしまった子供たちの不幸

先日、中学生のお母さんから相談が入りました。娘が修学旅行に禁止されていたスマホを持っていったことで叱られて、クラス全員の前で謝罪させられることになったという連絡が、学校から入ったというのです。

その子は中1からいじめを受けて、2年になってからは不登校になっていましたが、高校には行きたいと3年に上がってから学校に通い始めたという経緯を持った子でした。それ故に、修学旅行中のいじめが心配で親がスマホを持たせたのです。「うちの子は、みんなの前で謝罪しないといけないのでしょうか」という相談でした。

いじめの危険性があるような状況であれば、親としては緊急連絡用にスマホをもたせるのも当然と言えます。

また、いじめの後遺症が残っている時に、クラス全員の前で謝罪をさせられ、つるし上げにあったら、不登校どころか、精神への大きな被害を受けるのは確実です。

「今から、学校に電話をして『いじめから守ってくれてなかったのに、この仕打ちひどすぎる』と訴えましょう。学校が対応を変えないようでしたら、すぐさま教育委員会に電話して相談すべきです」とお話いたしました。

いじめの対応はできないのに、枝葉末節的な形式的なルール違反には厳しい。そこからは、物事の見極めができない、マニュアル対応しかできない教師の姿が見えてきます。

教師の優先度は、いじめを解決し、安心して修学旅行に参加できる環境を提供してあげることです。残念な対応です。

また、9月半ばぐらいから嫌なニュースが何度も飛び込んできています。

9月13日、埼玉県のJR北戸田駅でさいたま市の中3の女子生徒。

9月21日には、広島県東広島市で、中学生の姉妹。

9月29日、埼玉県毛呂山町の踏切で、女子高校生。

10月8日、大阪府摂津市のJR千里丘駅で15歳の女子高校生と17歳の男子高校生が死亡しました。

いずれも自殺と見られています。新型コロナウィルスが蔓延する以前の例年ですと、夏休みの最後から新学期の始まる9月1日前後に、子供たちの自殺のニュースが多かったものですが、今年は変わっているようです。何が大きく変化したのでしょうか。悔しい事件です。

 

いじめを受けて自殺しても、加害者が反省をし、いじめを認めるまでは、簡単にはまいりません。

10月7日のNHK NEWS WEB、熊本日日新聞社によりますと、2018年5月に、いじめを苦にみずから命を絶った熊本県北部の高校3年生の両親が、同級生4人に1,100万円の損害賠償を求めた裁判で、7日、係争中の3人のうち1人がいじめを認めて謝罪し、10万円を支払う内容で和解が成立したということです。

2人が和解し、残る2人も、いじめと自殺との因果関係を認めた上で、遺族側に和解を申し入れているということです。被害者の父親は「裁判をしなければ、本人たちの口からは何も聞けなかったと思うので、よかったと思います。娘にすぐ報告してあげます」と話していたとのことです。

ここまで来るのに、訴訟を起こし、4年も経過しての謝罪です。ご遺族の心労はいかばかりか、いじめの初期に解決してあげたかったものです。

学校のひどい対応もニュースになっています。いじめによる不登校問題で、第三者委員会が不登校の長期化の原因を「学校にある」とした画期的な指摘をしています。10月3日のNHK NEWS WEBの記事を抜粋いたします。

3年前、大阪市内の当時小学2年生の女子児童がいじめで不登校になったとして
保護者が詳しい調査を求めていた問題で、市の第三者委員会は、同じクラスの児童からいじめを受けていたことを認定したうえで、不登校が長期化した原因は学校側が適切に対応せず、女子児童の不安感や不信感が増大したためだとする調査報告書をまとめました。
(中略)
さらに、報告書は、学校側が、女子児童の保護者が訴えた数々のいじめ行為を事実だと思わずにおざなりの対応に終始し、法外な要求を突きつけてくる“クレーマー”だという認識を持っていたと思われるなどと指摘し、いじめを訴える女子児童や保護者に寄り添った対応が求められるにもかかわらず、おろそかになったとしています。

さらに、MBSニュースでは、母親の声として、

(担任から)“自分で掻(か)いたんじゃないですか”とか“(娘の)訴えの全てを信じて聞くことはできない”というふうに言われたときに、ものすごい不信感を覚えました。

と伝えています。

こんな教師がいるんです。しかも3年も前の事件ですから、教育委員会も、第三者委員会の指摘がなければ事実を認めず済ませてしまったと考えられます。不登校になっている子がいるなら、第三者委員会なんてやっていてはだめなんです。即応すべきことなのです。この事件でも、報告書がまとまるまでに3年も経ってしまっているのです。あまりにもひどい担任、そして学校、教育委員会の姿勢だと言うしかありません。

 

また、9月29日に、NHK NEWS WEBで、滋賀県の野洲市で、教師が“無視しよう”と、小2児童へのいじめを扇動したというニュースが流れました。

滋賀県野洲市の市立小学校の50代の教諭が担任する児童について、「無視しよう」などと不適切な言動を繰り返し、子ども同士のいじめを引き起こしていたとして、学校が担任を交代させていたことがわかりました。学年主任を務めていた男性教諭は、2年生の男子児童の質問に対して、「本当に言葉を知らんな」とか「無視しよう」などと繰り返したということです。これによって、ほかの児童も「無視しよう」、「言葉を知らないくせに」などと発言するようになり、いじめにつながったということです。さらに、教諭は、「発達障害なので検査を受けるべきだ」などと発言したという。

とんでもない教師が全国にまだまだいるという現実があります。こんな教師の下では、いじめが激しく、ひどくなることは当然としか思えません。頑張っている先生の方がはるかに多いことも事実なので、尚一層残念です。今回、タイトルに「教師ガチャ」という言葉を入れました。一握りのとんでも教師にあたってしまった子供たちにとっては、悲劇です。私たち保護者も学校に対して、しっかりとおかしいものはおかしい、良いものは良いという声を届けていきたいものです。文科省も教師の質を担保できる施策を試みていただきたいものです。

10月が始まりました。子供たちも忙しくなってきています。素晴らしい季節だからこそ、子供たちにもこの秋の訪れを味わい、喜んでいただきたいものです。どんなことでも結構です。おかしいかなと感じたらご相談いただければ幸いです。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いじめから子供を守ろう!ネットワーク 【発行周期】 週刊

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