MAG2 NEWS MENU

Takoyaki, Octopus dumplings, Japanese food

流行りは必ず廃れる。人気たこ焼き店「銀だこ」に学ぶ、成功する多角化とは?

多くの路面店やショッピングモールにも出店し、よく目にする人気たこ焼き店「銀だこ」。1号店出店から今年で25年を迎えた、安定成長の秘訣とは何でしょうか?今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央さんが詳しく紹介しています。

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

初月無料で読む

新規事業はバリューチェーンの見直しから~ 銀だこのホットランドに学ぶ失敗しない立ち上げの視点

ファストフードの会社が運営する築地銀だこは、1号店を出してから今年で25年とのことです。

銀だこは路面店だけでなく、ショッピングモールのフードコートにも入っていますよね。私も実はたこ焼きが好きで、ランチを食べる時なんかはつい、一品たこ焼きを買い足してしまいます。

銀だこのたこ焼きはもちろん、定番のものも美味しいのですが、チーズ明太やネギたこ焼きなんかもあるし、季節限定の物も売っているのでいつ行っても食べたくなります。

ホットランドでは、銀だこを中心に飲食業のビジネスをやってきて、右肩上がりの成長をしてきました。

ところがコロナ禍もあって、外食産業がダメージを受けた時に、「たこ焼きだけの一本足打法ではだめだ」と、多角化を推進することを決めたそうです。

銀だこでは、ロードサイド店舗を増やしたり、テイクアウトを充実させていますし、また、冷凍を拡充させて、海外への進出も狙っています。

中でも興味深いのが「タコの養殖」を手がけている点です。

日経MJによると、2013年から養殖を手がけ始め、2015年に熊本の上天草水産研究所を、始動させたとのことです。

たこは1匹が10万~20万個の卵を産むため、養殖に適しているそうですが、一方でその生態があまりわかっていなくて、安定した養殖をするのに苦労したそうです。事業として成り立たせるためにはまだ課題も多いそうですが、かなり目処も立ってきた、と報道されています。

この養殖がうまくいけば、たこ焼きの原材料として安定して供給ができることになり、コスト面でも話題性でもインパクトが大きいですよね。

ホットランドの多角化を見ていると、自社のメイン事業になる「たこ焼き」から大きく外れることなく展開をしようとしています。

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

初月無料で読む

どうしても売り上げが落ちてくると、「新しいことをやろう」、「多角化だ!」となって、流行りのことや、今売れていることに手を出すこともよくあります。

その時に考えなければならないのが、自社の核になる事業との“相乗効果”です。

新規事業をやると会社全体にいい効果を生み出す、となるのが理想的です。

その時に考えるべきことは、まずこれまでのバリューチェーンを見直すこと。

バリューチェーンとは、自社プロダクトの生産や仕入れから始まって、生産、加工、そして顧客へのコミュニケーションを経て、流通を通り、顧客の手に渡るまでの、一連の流れを指します。

ポイントは、この一連の流れの中で、「各工程でどんな付加価値を付け加えられるか」を考える点です。

供給網としてのサプライチェーンとは、その点が違うので注意しましょう。

バリューチェーンの各フェイズを見直し、それぞれで何ができるかを考えていくと、このホットランドのように、「川上で仕入れている素材を、安定的に仕入れられれば、コストを下げることができる」という発想が出てきます。

新規事業の創発にはいろいろなやり方がありますが、バリューチェーンを見直すことで、新しい事業を生み出すこともできるのです。

その意味ではこのタコの養殖、とても期待できます。

ホットランドは、積極的にM&Aを実施しています。銀だこ以外にも多くの業態の飲食店を経営しているので、いつか、銀だこの新商品や飲食店のメニューに、「熊本産 自家養殖のブランドタコ」が、追加されるのが楽しみです。

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

理央 周この著者の記事一覧

ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】 』

【著者】 理央 周 【月額】 ¥825/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第2火曜日・第4火曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け