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Businessmen use their hands to break the bar. Continuous falling. Hedging concept Preventing mistakes in business, losing money to retain benefits or haunting.

日本の将来は真っ暗か?リスクヘッジが苦手な日本人が世界で通用しない訳

ロシアや中国、北朝鮮など周辺の国の問題が多い中、「日本にはリスクヘッジの発想があまりにもなさすぎる」と、メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』の著者で現役医師の和田秀樹さんは語ります。今後、日本を沈没させないために、私たちは何を準備すればいいのでしょうか?

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リスクヘッジの発想がない日本の将来

日本人の悪いところは、リスクヘッジの発想がないことだ。

ITがいいとなればそれだけを志向し(それなのに韓国や台湾に勝てないのは情けないが)、DXがよければそればかりだ。

ウクライナ問題でも、西側についていれば大丈夫と思いきっている。

中国が台頭してきたときの準備をしている人が少ない。政治がダメなら民間外交的なことができる人がいればいいが、北朝鮮に行った猪木氏(惜しい人を亡くしたと思う)を除いて、そういう人が本当に見当たらなくなった。

今は民間でもロシアを避けているからリスクヘッジが本当にない。

ロシアが早晩音を上げると思っている人が多いが、ナポレオンやヒトラーに耐えたしぶとさをみんな忘れている。

中国のGDPがアメリカを抜かしたときにアメリカがどう出るのかもわからない。

EUやNATOとの同盟を強めて対抗する可能性が大きいとされているが、中国と仲良くして、ビジネスをとるかもしれないし、それ以上に左派がもっと強くなって社会主義的な大統領が出ることだってあり得る。

そのときに日本が置いてけぼりになる可能性もある。

EUだって一枚岩でい続けるかもわからない。

どんな時代になるかわからないのだから、そうなったときの対応をしないといけないのだが、その準備をしているようにはまったく見られない。

あるいは、その時に、相手に嫌われない準備だってろくにしていない。

ロシア人だって中国人だって、彼らに嫌われるままでいいのだろうか?

あるいは、プーチンだけ、習近平だけに嫌われてもいいがロシア人、中国人に嫌われないようにしようという発想もない。

私の心配が杞憂ならいいが、現実のものになったとき、日本がさらに沈没するのが怖い。

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前回、これからの教育の話をしたが、これからどんな時代になるかわからないということを考えると、いろいろなタイプの人間を育てるほうがいいのではないかと思うようになった。

前も書いたが、私は競争を排除するより、いろいろなタイプの競争を用意するほうがいいと思っている。

勉強ができる人間も(あるいは数学だけ、国語だけできる人間も)、スポーツができる人間も、音楽ができる人間も、アニメオタクも、鉄道オタクも、料理の名手も、すべての子供が一等賞を取れるように競争を用意してあげるのが教師の仕事なのではないかと思えるようになった。

今、役に立つ人間が10年後20年後役に立つかどうかはわからない。

アニメオタクがアニメーターになってそれが日本の主力産業になるかもしれないし、料理人が日本を救うかもしれない。

AIの時代になれば、のび太君のように「こんなものが欲しい」とわがままが言える人間が最高の経営者になるかもしれない。

日本人は、リスクヘッジができないのは、何が正しくて何が間違っているかを決めないと気がすまないからだ。あるいは、現行の正解が絶対に正しいと信じ込んでいるからだ。

正解がころころ変わると思えば、その準備をするだろうが、今の正解を信じていれば、正解が変わった時の準備がない。

これからの教育というのは、時代が変わった時に、それに必要な人材を用意できる教育なのではないかと私は思うようになった。

もちろんそれによって、時代にマッチした人間は大成功するだろうが、膨大な人間が無駄な人になるかもしれない。

ただ、意外にここで普通教育の意味が再認識されるかもしれない。

明治憲法でも現行憲法でも義務教育は普通教育と明示されている。

それまでは徒弟教育が教育の基本だったが、それでは職業を変えたいときに対応できないので、どんな職業にでもつけるベースとして普通教育を受けさせる義務が親に課された。

時代が、変わるということは、そういう時代に対応できる基礎学力がかえって重要になるかもしれない。

これからの時代の普通教育とはどういうものなのかを考える時期がきているように思えてならない。

※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2022年11月5日号の一部抜粋です。

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高齢者を専門とする精神科医、学派にとらわれない精神療法家、アンチエイジングドクター、そして映画監督として、なるべく幅広い考えをもちたい、良い加減のいい加減男。

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