健康にいいと言われているものを、好きでもないのに摂り続けて長生きをする─。それもひとつの健康法だと思いますが、今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』が紹介しているのは、人生を楽しみながら健康に少し気を使っていこうと気を軽くさせてくれる一冊です。
【一日一冊】健康マニア、何が楽しい 体にいいことばかりやってて疲れない?
『健康マニア、何が楽しい 体にいいことばかりやってて疲れない?』
新見正則 著/集英社
人生は楽しんだ人の勝ち、楽しめなかった人が負けと教えてくれる一冊です。体に悪いといわれているものでも、おいしければ食べればいい、タバコも吸いたければマイナス効果を納得していれば吸えばいいのです。
最近、渡辺徹が亡くなりましたが、好きなものを食って糖尿病となり、61歳で亡くなりました。本人からすれば、やりたいことをやり切った良い人生だったのかもしれないのです。
タバコが体に悪いのは当たり前ですが、清涼飲料水も砂糖が大量に入っています。アルコールも飲めば飲むほど体に悪いことは、間違いないのです。著者は冬山登山と同じで、リスクを承知で楽しむなら飲めばいいということです。
目指すのは長生きするではなく、…死ぬまで現役で、毎日を楽しむこと(p27)
医療業界の内輪話がおもしろい。
例えば血圧を下げても、健康状態はあまり変わらないとしつつ、そうしたデータは医療業界の誰も得しないので広まらないという。年をとれば、血圧が上がるのは当たり前なのです。
また、人間ドッグも商売だからもともと判定基準が辛めに設定されているので、結果に一喜一憂するのは意味がないとしています。
例えば、肥満の指標であるBMI値は、日本では25以上が肥満とされていますが、男性でいちばん長生きする人のBMI値は26というデータがあるのです。
血圧も正常値とされる基準がどんどん低くなっていますが、これは製薬メーカーの見えない強制力によるものだという。特にお年寄りは、血圧もコレステロール値も少し高いほうが元気なのにです。
人間ドッグの担当医は基本的に、ケチをつけるのが仕事…判定する基準がもともと辛めに設定されているのです(p59)
現代医療はグレーゾーンが大きく、健康にいいというデータがないものが多いという。薬を飲みすぎて病気になってしまう人もいるわけです。
その一方で、余命半年と言われた人が奇跡的に回復することもあるのです。だから、がんの人に運動しろ、温かいものを食べろ、漢方を飲め、そして希望を持てと話しているという。
医療業界の本音をぶっちゃけた一冊でした。テレビにしろ病院にしろ製薬会社にしろ金儲けを目的とした民間企業なのですから、その言葉の裏にあるものを見る必要があるのでしょう。
とりあえず、炭水化物と甘いものを減らしていきたいと思いました。
新見さん、良い本をありがとうございました。
【私の評価】★★★★★(92点)
<私の評価:人生変える度>
★★★★★(ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(素晴らしい本です)
★★★☆☆(読むべき一冊です)
★★☆☆☆(余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては)
☆☆☆☆☆(こういう本は掲載しません)
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