コロナ禍の婚活ツールとしてすっかり定着した感があるマッチングアプリですが、ここに来てアプリから結婚相談所のサービスに切り替える利用者が増加しているといいます。このような流れが起こる裏には、一体どのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』ではMBAホルダーの理央 周さんが、その理由を考察。さらに当事例から得られるビジネスの学びを解説しています。
この記事の著者・理央 周さんのメルマガ
なぜ、結婚相談所が再評価されているのか?婚活に学ぶ0M0の本質
結婚相談所を利用する20~30代が増えているそうです。
結婚相談所、ときくと、結婚したい方々のために、相手を紹介してくれる、仲介やお見合いを斡旋してくれるところ、というイメージです。
仲人さん的に動いてくれて、結婚したい人の間を取り持ち、アドバイスをしてくれて、マッチングしてくれる、以前からあるサービスですよね。
日経MJによると、ここ数年コロナ禍の中で婚活パーティーや合コンなど、大人数でのマッチングイベントが開催しづらくなったことが、結婚相談所に戻ってきている1つの要因だと言っています。
確かに、外食を含めて、出会いを求める機会はかなり減りました。
そこで出てきたのが、マッチングアプリですよね。私の親戚もマッチングアプリで知り合った方と、婚約をしました。今では、かなり浸透してきています。
興味深いのは、マッチングアプリから、結婚相談所のサービスに切り替えた人の事例です。
「アプリ疲れした」のが原因で、やはりまだ会ってもいない人と、チャットでのやり取りだけでは、やはり疲れてしまう、ということです。
結婚相談所の利用は入会金もかかるので、最初はハードルが高いけれど、マッチングアプリなどからの流入も増えている、とのことです。
小売業などでは顕著ですが、今消費者はオンラインとオフライン(リアル)の、区別をしなくなってきました。
今回はリアルで買おう、今回はネットだな、と最初から決めてかからずに、探す時にオンラインで調べ、リアルのショップでみて、最後はオンラインで買う、といった具合に、オンラインとオフラインを、行ったり来たりするのです。
これが、婚活のような、形のない「無形の商品・サービス」でも、顕著になってきました。
こうなってくると、リアルの結婚相談所も、ネットでのサービスを導入したり、拡充したりしていますし、その逆も必要になってきますよね。
このような現象を、OMO(オンライン マージズ ウィズ オフライン)と、呼びます。
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OMOは、買う時だけのことではありません。人がニーズに気づくと、
- 情報を探し
- 他と比べ
- 買う直前に評価し
- 買い
- 受け取り
- 使い
- 評価、クチコミをし
- 1に戻る
というステップを踏みます。
ここで大事なことは、顧客は買う時だけではなく、1.の探す段階からすでに、OMOの状態に入っているということです。
なので、顧客コミュニケーションを組み立てる時に、顧客が探す時、比べる時、事前評価する時、クチコミをする時といった、顧客行動の各フェイズに、オンラインとオフラインの両方に、仕掛けをしていかなければならない時代になった、ということが言えます。
この傾向は、様々な業種で、これからもどんどん広がっていきます。そして、元には戻らない不可逆な流れです。
このような消費者行動の変化に伴って、ビジネスの仕掛けも、ネットとリアルを分けて考えるのではなく、お客様ならどこで何をどうやって探して、購入するのだろう、という一連の流れを考えて、販売促進や売り場所を、考えなければならない時代になりました。
この事例からの学びは、
– 人は何かを買う時にオンオフラインを区別しなくなってきた
– それは顧客が情報を探す段階から始まる
– なので、売れる仕組みの仕掛けはどちらにも必要
ということになりますよね。
ぜひ、明日からの仕事に役立ててください。
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