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最近おかしくなった橋下徹氏。印象操作をするのは何が目的か?

弁護士としてメディアに出始め、後に大阪で府知事や市長をつとめるなど、その歯に衣着せぬスタイルで人気となった橋下徹氏。しかし、今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の著者、本のソムリエさんは「最近の橋下徹氏は何かがおかしい…」と思っていたそう。その違和感の正体を暴いた一冊を紹介しています。

【一日一冊】橋下徹の研究

橋下徹の研究

百田尚樹 著/飛鳥新社

実は本のソムリエは、大阪府知事の頃の橋下徹氏が好きでした。ところがロシアのウクライナ侵攻への橋下徹氏の発言を聞いて、オヤ?と思ったのは、百田さんも同じだったようです。こうして一冊の本として研究してもらえるのは、ありがたいの一言です。

橋下徹氏のウクライナへのスタンスは、以下の発言で明確です。祖国防衛という名のもとに戦って命を落とすことはおかしい、というものです。

もし日本の北海道が、ウクライナのようにロシアに侵攻されたら多くの日本人が戦う選択をすると私は直感的に思いますが、橋下徹氏の考えは違うのです。

ウクライナ人のグレンコ・アンドリー氏に対しても、橋下徹氏はテレビで次のような発言をしています。祖国防衛のために死ぬのは違う。国外に退避する自由を与えよう!とウクライナ人のアンドリー氏に面と向かって発言しています。橋下徹氏はツイッターでも、同じような発言を繰り返していることから橋下徹氏の持論なのでしょう。

この本では「逃げる自由を与えろ!」とウクライナの出国禁止令について批判する橋下徹氏が、ロシアの出国禁止令には何も言及しないことについて、矛盾していると指摘しています。

祖国防衛のために命を落とすことが一択になるということが、僕は違うと思うんですね…ロシアが瓦解するまで国外で退避したっていいじゃないですか。祖国防衛、そこで命を落とす、それしかないという状況にみんななってしまうと、国外退避することが恥ずかしいことだ、それやっちゃいけないことだ、売国奴だという批判を恐れてしまうような空気、僕はおかしいと思う(橋下)(p35)

この本では橋下徹氏の印象操作とでも言えるようなテクニックが紹介されています。

例えば、高市早苗氏とのテレビ番組の中で橋下徹氏は「靖國問題ですが、…総理が靖國参拝するとなると、中国が貿易や商取引に対して…中小企業の利益が害されるというときに、あえて政治信条を貫いて行くのですか?」と質問しています。

それに対し、高市氏は直接答えず信教の自由があること、アメリカもアーリントン墓地があることなどを答えていました。

その後、別の番組で橋下徹氏は、「高市さんは『中国との取引なんかなくなったって、いや靖國参拝行くのよ』というふうに言っていたので、そこは心配だったんですけどね」と、高市氏の発言を意訳してレッテルを貼っているのです。

同じように櫻井よしこ氏とのやりとりでは、「櫻井さんはもう、もう芯からの中国嫌いですから…櫻井さんの考え方は、ウクライナをある意味犠牲にしながら全体の世界の秩序を守っていくことだと思うんです」などと、櫻井よしこ氏に中国嫌いのレッテルを貼り、ウクライナがロシアに抵抗することは、ウクライナ市民を犠牲にしているという印象操作をしているのです。

橋下氏は「中国に強く言うことで支持を得る人たち(政治家たち)がいっぱいいる」と言っています…今の日本には、中国に毅然とした態度を貫き、強い物言いができる国会議員なんかほとんどいない(p66)

この本では橋下徹氏はハニートラップに引っかかったのではないか、とやんわりとほのめかしています。これを証明することは、二重スパイでもいなければ、ほぼ不可能でしょう。

私の仮説は、橋下徹氏は中国、ロシアから弁護士として仕事を受注したのではないか、というものです。そうでなければ自国防衛のために戦っているウクライナの人たちに、「祖国防衛のために命を落とすことはおかしい」などと言うことはできないと思うのです。特に橋下徹氏は頭が良いので、意図を持って発言しているのは間違いないのです。

それとも、ロシアがウクライナに核兵器を使用して、ウクライナ人が数百万人も虐殺することをなぜか知っており、ウクライナの人々に死んでほしくないと考えているのでしょうか。

さらに、可能性の低い別の仮説を立てるとすれば、橋下徹氏は中国・ロシアの日本征服計画を知り、絶対に日本が負けて、植民地となることを確信し、中国の日本自治区となってからのポジションを狙っているとか。

橋下徹氏の歯に衣を着せないスタンスが好きだったのですが、最近の橋下徹さんは何かがおかしいのは確かなようです。もう少し橋下徹氏を、観察していきたいと思います。

百田さん、良い本をありがとうございました。

【私の評価】★★★★★(90点)

<私の評価:人生変える度>
★★★★★(ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(素晴らしい本です)
★★★☆☆(読むべき一冊です)
★★☆☆☆(余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては)
☆☆☆☆☆(こういう本は掲載しません)

image by:soraneko / Shutterstock.com

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【著者】 本のソムリエ 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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