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Blonde Woman in retro American dinner cafe bar, holding menu. Pin-up Girl in fast food restaurant wearing white-black dotted dress with red accesories.Woman in retro diner cafe bar

さびれた団地の中にある個人経営バーガーショップが大繁盛している理由

郊外にある個人経営のお店なのに大繁盛、そうなる理由はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、横浜郊外のさびれた団地の中にある個人経営のハンバーガーショップにスポットを当て、郊外の繁盛店に共通する特徴を挙げています。

サビれた団地に小さな光!?バーガーショップが住民を元気にする!!

小さな子どもを連れた家族や若いカップル、学生、高齢者など、幅広い層のお客さまでいつも賑わっているハンバーガーショップ「パスタイム」。

横浜市磯子区にある洋光台中央団地の1階テナント部分に、このお店はあります。

JR洋光台駅前という好立地のマンモス団地ですが、1970年完成のため、古くサビれており、静かで暗い雰囲気が漂っています。

商店街とはいうものの、シャッターの下りたお店が多く、活気とは縁遠い街となっています。

この暗い街で、異質とも言うべき、ひと際明るい光を放っているのが、このハンバーガーショップなのです。

いつも多くの人が集まっている人気店です。

お店の外観は、アメリカの片田舎にあるダイナーのよう。

店内もレトロなポスターや看板が掲げられた、アメリカンテイスト。

団地にあるとは思えない、お洒落な空間になっています。

オーナー夫妻は、元々大手バーガーチェーンで勤めていた者同士。

互いにハンバーガーが好きで、意気投合。いずれは自分たちのお店を持ちたいと思うように。

休暇を取っては、アメリカのバーガーショップを見てまわるようになりました。

チェーン店ではなく、個人経営のお店を探したところ、都市部ではなく、郊外に多くあることがわかり、「ルート66」沿いのお店を片っ端から訪ねてみました。

およそ4,000kmの道を10年掛けて巡りました。

そうしたお店で、チェーン店とは違う、独自のハンバーガーを知ることとなります。

チェーン店は、気軽に手早く食べられる軽食のイメージですが、個人店のそれは、気軽ではありながら、充分に食の欲求を満足させられるご馳走だったのです。

チェーン店とはまったく違う食べ物なのです。

さらに、もっと大きな違いにも気づきました。

郊外にある繁盛店には、共通する特徴があったのです。

お店の人とお客さまとのアットホームな関係です。

声を掛け合い、冗談を言ったり、時には相談をしたり。温かい繋がりが見えたのです。

これこそが、自分たちの望むお店の姿だったのです。

こんなお店を持ちたい。こんなバーガーショップをやりたい。

ふたりの夢が、具体的なカタチとなっていったのです。

そして、この地で開業。

いわゆる郊外ではなく、団地を選んだのはなぜでしょう。

50年以上前にできた団地の街は、賑やかさのない、静かな郊外のようでもあります。

昔から住む人が多く、サビれた街を憂いながら、ひっそりと暮らしています。

オーナー夫妻は、そんな街を明るく照らしたいと考えたのです。

特に高齢者は、人の温もりを求めます。人とおしゃべりがしたいのです。

このお店に来れば、楽しい時間が過ごせます。人との繋がりも生まれます。

お客さまは、こう言います。

「マスターがよく話し掛けてくれる」
「年寄りを大事にしてくれる」
「このお店がなくなっては困る」

団地のバーガーショップは、明るい街、賑やかな街を取り戻す、ひと筋の光となるのかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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