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Hot dog with ketchup and yellow mustard.

なぜ、福岡の公園にある「宇宙人が売るハンバーガー店」にはYouTuberが集まるのか?

福岡市のとある公園でハンバーガーの販売を続けているキッチンカー。「宇宙人」というあだ名を持つ店主のいるこの店に、ユーチューバーたちがこぞって撮影にくるようになったといいます。なぜ、ユーチューバーたちはこの店を取材するようになったのでしょうか? 今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、人気バーガー店のマーケティングを分析しています。 

宇宙人が売る山上のハンバーガーショップに「弟子入り志願者」続出

福岡市中央区の西公園に、宇宙人が売るハンバーガーショップがあります。

正しく言うと、宇宙人というあだ名を持つ店主が営む、ハンバーガーのキッチンカーのことです。

キッチンカーと言えど、移動はせず、その場所に固定されています。

1972年にこの商売を始めた当時、移動販売車だったので、その名残りとも言えます。

移動販売は、イベントなどに左右され、収益が不安定なことから、この場所での固定を選びました。

それから40年以上となります。

さて、なぜあだ名が宇宙人なのでしょう。

買いに来てくれた子どもたちとの会話から、このあだ名がついたようです。

「この車は宇宙船よ。おじさんは宇宙人とよ。夜になったら、この宇宙船で違う星に帰りよーとばい」という店主の冗談から始まっています。

このハンバーガー屋さんに、数年前から行列ができるようになりました。

昔から美味しいと評判で、人気はあったのですが、SNS時代となり情報が拡散し、多くのユーチューバーたちが撮影にやって来るようになってから、行列の絶えることがなくなったのです。

毎日、11時の開店前から行列ができ、お客さまは全国各地からやって来ます。

SNS・ユーチューブは、地方の公園の一角にある、小さなハンバーガー屋さんにさえ、たくさんの人を集める力を持っているのです。

店主もユーチューバーに感謝していると言います。

もちろん、ハンバーガーが美味しいということが大前提なのですが。

ここのハンバーガーは、他とは大きく違っています。

見たら驚くというか、ツッコミを入れてしまいます。

「ホットドッグやん!」。

そうなのです。バーガーバンズではなく、ドッグパン(コッペパン)なのです。

店名は「今屋のハンバーガー」。

しかし、売っているのはホットドッグ。

メニュー写真にも「焼き立てホットドッグ」と書かれています。

なぜ、ハンバーガーという店名になっているのでしょうか。

始めた頃は、手づくりのハンバーグが売りで、バンズを使ったハンバーガーも売っていました。

しかし、キッチンカーではハンバーガーよりホットドッグの方が売れることから、ハンバーガーは無くなり、ホットドッグだけとなったようです。

以来、店名を変えることもなく、「今屋のハンバーガー」のホットドッグが売れ続けているのです。

最近は、この味を広めたいという人が現れ、弟子入り志願者が増えています。

店主も、ホットドッグを売るお店が減っていることを嘆き、もっと増えて欲しいという思いから、弟子を受け入れることにしました。

と言っても、大袈裟なことではなく、キッチンカーでの実践的研修と販売、経営、仕入れのことなどを数週間から1ヵ月ほどで教えています。

「ホットドッグは、安くすれば、お客さんが増える。高く取ったらいかん。ボッタクリだ。安ければ、何度も来てくれる。100個売れば、儲かる」と言います。

手間の掛かるホットドッグなのに、薄利多売の商売をしています。

なぜ、そこまで頑張るのですか?の問いには、「お客さまが並んどるけん」。

これぞ、真の商売人ではないでしょうか。

“映え”ばかりを追求した、ボッタクリ商売をしている偽商売人は、この店主の元で修行すべきです。

※メニュー(一例)

ウインナーサンド:300円
エッグウインナー:400円
フランクドッグ:400円
ミックスバーガー:400円
トマトレタスバーガー:400円
100%北海道クリームチーズ:500円

image by: Shutterstock.com

佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント)この著者の記事一覧

なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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