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かわいがっていたインコを亡くした悲しさをいい思い出に変えるには

コロナ禍以前の状況が戻り始めたことは、人によっては良いことばかりとは言えないようです。家にいる時間が減って、かわいがっていたインコの異変に気づくのが遅れて亡くしてしまい、4ヶ月も落ち込んだままという読者の相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で、公認心理師の永藤さん。悲しみに浸っていたいのでなければ、一歩ずつ、一歩ずつ前に進む決心をして、まずは「つらくない5分」を作ることを提案。亡くしたのがインコであることに心無い反応をした同僚との付き合い方についてもズバリ、アドバイスをしています。

世界がずっと灰色

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

40代女性。一人暮らしです。4か月前に、ずっとかわいがっていたペットのインコが亡くなって以来、世界がずっと灰色です。

ステイホーム中はずっと家にいて、世話ができたし何か異変があってもすぐに気づけたのですが、コロナの規制が緩和されて、出勤するようになってからすぐに、水やえさの減りが悪くなり、週末に病院に連れて行こうと思っていた矢先に、私が会社から帰ってきたら亡くなっていました。

看取ることもできませんでした。私がもっとちゃんと見てやれていたら、とか、なんで気づいてあげられなかったのだろうと、後悔しかありません。

私があまりにも落ち込んでいるのを見かねた同僚が、「どうしたの?」と尋ねてきたので、「ペットのインコが…」と涙ながらに話したら、「え?鳥?犬とか猫とかじゃなくて?」というようなことを言われ、さらに傷つきました。

いつまでもこんなじゃいけないと思っています。でも、あのかわいい姿ばかり浮かんできてしまいます。ずっと悲しくて、つらいです。

【永藤より愛をこめて】

心無いことを言う人がいるものですね。犬や猫だけがペットじゃないのにね。あなたにとって、インコが大切な家族だったというのに。

大切な家族を失ったら、そりゃ世界が灰色になります。部屋の中でも、その子がいた場所や使っていたケージを見たりすれば、「ああ、もういないんだよね」と、ものすごく大きな喪失感にすっぽりと包まれてしまうのは当たり前です。どんなに手を尽くしてあげていたとしても、後悔は残ります。だから今の気持ちは決しておかしなことではないです。

でも、「いつまでもこんなじゃいけない」と思っているんですね。悲しみを少しずつ手放したいと思っているんですね。「悲しみに浸ったままの自分」でいたいわけではないんですよね?

そうだとしたら、まずは一歩ずつ、一歩ずつ、小さな歩みでも構わないので、前に進んでいく決心をすることです。どうなっていたら、あなたはつらくなくなっているでしょうか?周りの風景は色を取り戻すでしょうか?インコちゃんの思い出を、笑顔で話せるでしょうか?

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「ずっとつらい」のであれば、まずは「つらくない5分 …

「ずっとつらい」のであれば、まずは「つらくない5分」を作り、それを10分、30分、1時間、3時間と膨らませていくことです。それには、何かに没入する時間を作る。映画館で映画を観るもよし、漫画や小説に没頭するでもよし、皮から餃子を作ってひたすら包んでいくもよし。

少しずつ、少ーしずつ、前に進んでいくのです。思い出がわーっと浮かんで来たら、その時はぶわっと、オイオイ、泣けばいい。一瞬引き戻されるかもしれないけれど、でもまたそこから一歩ずつ前に進んでいくのです。まずは4か月、やってみてください。4か月後は、真夏です。その時に世界はどんな色をしているか、教えてください。

あ、それから、心無い言葉を発するような人たちとは、遠慮なく距離を取ること!物理的な距離が難しければ(同僚とかね)、心の距離を取って、プライベートな会話は、理解しあえる親しい人とだけすること!

まずは今の季節、少しだけでも桜色があなたの視界に入りますように。

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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