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釜山沖で爆発なら福岡にも被害。北朝鮮「津波発生兵器」への備えは万全か?

北朝鮮が実験成功を主張する、水中での核爆発による津波で敵に大打撃を与えるという新兵器。はたして北朝鮮に、かような兵器を作る能力があるのでしょうか。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、その可能性について考察。さらに日本人として必要な備えについて紹介しています。

津波を起こす核兵器の開発をする北朝鮮

そもそも気象を操る兵器ができるのか

気象を操る、ということは様々なことに出てきています。

実際に、古代の物語であるはずの三国志演義の中、そのもっとも盛り上がるところの一つである「赤壁の戦い」で、英雄諸葛孔明は、風を起こすということがあります。

北から攻めてくる曹操軍と、南を守る孫権軍の戦いで、長江沿いに布陣した両軍。その中にいおいて、水軍で勝る孫権軍に対抗するために、曹操軍は船の欄干を繋いで陸地と同じようにします。

もちろんこれは孔明の策。

そして、その欄干を繋いで船が個別に動けなくしてから、黄蓋が降伏するふりをして、船に藁を積み、そのうえで、火を点け、船をすべて燃やしたのです。この時、曹操軍の多くは船と同じに川の底に沈みます。

さて、この時に、風向きが違えば船は全て沈まなかったし燃え残ったでしょう。そのことが非常に大きな問題になったのです。

その時に、孔明が「風を起こしましょう」として、祭壇を築き、その中で祈って風を起こすのです。

天候を味方につけるということはありましたが、多分、この時に「人間の意思で風を起こす」ということが出来たのではないかと思います。西暦200年ころの事です。ある意味で、日本人の最もよく知られた最も古い「気象兵器」ではないか思います。

もちろん、「祈って」ということがそのまま「兵器」ということができるのではないかという気がするのです。もちろん歴史が全て残っているわけではないので、これより古くに似たような話があったのかもしれませんが、しかし、まあ、全て似たようなものではないかという気がします。

要するに「祈り」というようなかたちになるのか、または、神の力を操るのか、ということになります。いずれにせよ、「神」が「天候を操る」ということになります。

日本の場合は、少し異なります。天照大御神など、天候など森羅万象総てを司る内容が出てくるということになります。

須佐之男命のいたずらによって、天照大御神が天岩戸の中に隠れてしまったとき、太陽が無くなり、世の中が真っ暗になったといいます。天候を操るのではなく、日本の場合はその神の行動そのものが天候や気象に繋がるということになるのです。

よって、兵器というようなものではありません。

日本の神々はそのような兵器は必要がない歴史を刻んでいました。そのことから、気象そのものをつかさどる神が動くということになっていたのです。

さて、こののち、全て「魔術」「妖術」「忍術」など「術」として、または「神が動く」ということで様々な気象や天変地異が起きることになります。これ等に関して、基本的には科学的な根拠はなく、やはり、術というか、ある意味で神の力を使うというような感じになっているのです。

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科学の力で天候をコントロールする兵器開発は可能なのか

さて、科学の時代になり、武器や兵器によって、または科学の力によって天候を左右したりコントロールするというようなことを考えるようになったのです。

同時に、核兵器を使うようになりその衝撃波が地球環境を変えたということになります。1970年代に、旧ソ連が水爆実験を行い、その時に地軸がずれることになるのです。それ以降水爆禁止の条約ができるようになります。

しかし、近年、核兵器不拡散ということも条約によって制限できなくなってきたところで、パキスタンや北朝鮮、イランのように核開発を行うということが言われるようになってきたのです。

さて、数年前にロシアの核兵器で「ポセイドン」というものが話題になったのです。これは、陸地の数キロ先で核兵器を爆発させ、その核兵器の衝撃波によって津波を起こす兵器であるといいます。

実際には、そのような兵器ができるのかということは、かなり難しいということになります。実際に、ある意味で爆発を「片方にだけ集中する」ということは不可能であり、爆発は同心円状に津波が発行するということになるのです。

その為に津波は一方向ではなく他の方向にも出てくるということになるのです。その為に、津波そのものは拡散被害が出てくるということになります。

つまりオホーツク海で爆発させれば、当然に、日本も被害を被ることになりますが、ロシアも被害が出るということになります。そのようなことでよいのかということはまた別の話になります。

津波が来ることを予想して、先に避難をさせておくということになるのですが、その津波の規模をあらかじめ計算できるのかと言えば、そうではないので、どうしても被害が出るということになります。

当然に、港湾部に被害が出てしまいますので、ロシアの海軍も壊滅状態になるということを意味しているのです。それでは揚陸艦なども被害になってしまうので、当然にその後の作戦に支障が出るということになります。

つまり、津波兵器を使うのは、ロシアから見れば、アメリカの西海岸など、ロシアに被害が出ない場所ということになります。

しかし、ではそこまで指向性の核ミサイルをどうやって運ぶのかということになれば、当然に潜水艦ということになるのですが、しかし、その潜水艦が探知されてしまえば同じになります。

空中でミサイルを撃つよりは確実性が高いかもしれませんが、しかし、潜水艦という別な課題があり、その潜水艦に搭載できるミサイルの大きさが、限界になってくるということになるのです。

このように考えると、おとぎ話的な陰謀論のように簡単にできるものではないということになります。

さて、このような内容のミサイルを北朝鮮が開発中であるということになります。

まずは北朝鮮の場合、その発射は「アメリカ」なのか「韓国」なのか、あるいは「日本」なのかということになります。

例えば、プサン沖でミサイルを爆発させた場合、それほど大きくないミサイルで、プサンと、その対岸である対馬または福岡が津波の被害になりますが、北朝鮮までは津波が届かないということになります。

同心円ということになれば、どのようなことになるのは見えてくるのかもしれません。

しかしそこまで潜水艦で運ぶことができるのかということが大きな問題になります。北朝鮮の潜水艦は、少なくとも原子力潜水艦は確認されておらず、その為にディーゼル潜水艦に核ミサイルを搭載するということになります。

SLBM(潜水艦搭載型ミサイル)の発射実験を行っている映像があるので、それはできるのかもしれないのですが、しかし、ある程度規模が小さいものになるということが見えてくるのではないかという気がします。

そのうえで、日本海などで津波を起こすことは、ある意味で「可能」ということになるのでしょう。

そのように考えると「規模の小さい津波」というか「高波」を起こすことは可能になるということになります。

ある意味で、池に意思を投げ込んで波が起きるのと同じ原理ということになり、それが核兵器によって引き起こされるということになるのでしょう。その開発を行っているということが表明されたということになるのではないでしょうか。

もちろん、北朝鮮の潜水艦がアメリカ西海岸まで出向くということはあまり考えにくいのかもしれませんが、舞鶴や沖縄など、米軍基地や日本の海上自衛隊駐屯地に関しての内容であるならば、見えないことはないのかもしれません。

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日本はどのように備えるべきか。

では日本はどのように備えるべきでしょうか。

ロシアの「ポセイドン」の時のような警戒は必要ありませんし、また、津波と言ってもそれほど大きなものではないと考えられます。それほど恐れることは、現段階ではないと思いますが、一方で、あまりなめてかかっていても問題かと思います。

同時に、「津波」であるということは、日本人はその被害の方法も見えております。南海トラフ地震などで想定されているところもありますので、その内容をしっかりと見てゆかなければならないのではないでしょうか。

いずれにせよ、周辺国の軍事情報は、しっかりと全国民が認識しておく必要があるのではないかと思いますし、その対策を講じておく必要があるのではないかと思います。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2023年4月10日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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