ChatGPTが話題となっているなか、自動車分野に特化した中国版の「ChatGPT」その名も「DriveGPT」が発表されました。中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』では今回、 そのDriveGPTについて詳しく紹介しています。
長城傘下のHAOMO、車分野に特化した中国版「ChatGPT」発表
米OpenAIが開発したAIチャットサービス「ChatGPT」の話題が冷めやらぬ中、中国ではほぼ同じ機能のバイドゥ「文心一言(ERNIE Bot)」、アリババ「通義千問」が相次いで発表され、テンセントも開発中と報道される中、長城汽車系の自動運転子会社である毫末智行(HAOMO)が自動車分野に特化した中国版「ChatGPT」として、「DriveGPT(雪湖・海若)」を発表した。
発表は2023年4月11日に行われた第8回HAOMO AI DAYにおいてのこと。
DriveGPTとは?
「DriveGPT(雪湖・海若)」はシチュエーションをトークン化し、これをDrive Languageと位置付けた。現在までに50万以上のシチュエーションをトークン化、過去に発生したシチュエーションを序列化して、モデルはその歴史から、未来に発生するあらゆるシチュエーションを生成する。
つまりDrive Languageがあれば、「DriveGPT(雪湖・海若)」は学習できる。
現在までにHAOMAはランニング・モデルで1,200億件の変数を持ち、4,000万台の車両の走行データを活用、そこから各シチュエーションを生成する。
これらのシチュエーションに対して、人類の志向性から最適解を生み出し、安全かつ高効率で快適な次元を取捨選択する。人類に引き渡すデータを選別、およそ5万件を切り抜き、モデルに繰り返し訓練させている。
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
三つの能力
「DriveGPT(雪湖・海若)」には以下の三つの能力があり、それぞれで活用が見込まれている。
1.蓋然率に基づき多くのシチュエーションとその序列を生み出し、すべてのシチュエーションはフルシチュエーションの一つで、その序列は未来に起きるであろう一種の実際状況となる
2.すべてのシチュエーションとその序列が生じさせる状況下で、シチュエーションの中で最も注目する自車の行為を定量的に把握して最適な軌跡を生み出す。自車の未来の軌跡情報をアウトプットする
3.こうした軌跡情報が集約されると、さらに「DriveGPT(雪湖・海若)」ではシチュエーション及びその序列、軌跡を新たに生み出すと同時に、必要な意思決定ロジックチェーンをアウトプットする
TikTokとも連携
言葉にするとややこしいが、「DriveGPT(雪湖・海若)」を回し続けることで、自動運転に組み込むことが狙いのようだ。
HAOMAはこの演算を実現するため、TikTokで有名な字節跳動(ByteDance)の企業向けサービスプラットフォーム「VOLCENGINE」と協業、AIデータセンターを整備している。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/bPAyjDaAyx34CTpnWKSkvQ
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
image by: Shutterstock.com