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20代で42万人の「女性あまり」現象。結婚したい人ができない深刻な事情

多くの政治家や識者が少子化の原因として上げている未婚化ですが、婚活市場において今、「女あまり」が進んでいるのをご存知でしょうか。今回のメルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』ではマレーシアに11年以上滞在する文筆家で編集者ののもときょうこさんが、そんな現実を伝える記事を取り上げ、「女あまり」現象の原因を解説。その上で自身の結婚観を記すとともに、我が国の少子化改善策を探っています。

少子化の根本に「婚活市場の女あまり」があるらしい話を考える

異次元の少子化対策が発表され、あちこちで議論が起きています。

私は「子供を産んで損だ」と思わない社会が重要では?と書いてきましたが、少し視点を広げてみると、そもそも「結婚したい人ができない事情」があるようです。

その結婚難の原因は「女余り」にあるという指摘です。

結婚願望のある20代の男性が少ないらしい

以下は、結婚願望のある若い男性が少ないという記事です。

「結婚したいと気持ちが高ぶった時に相手がいない」現代の結婚のマッチング不全(荒川和久) – 個人 – Yahoo!ニュース

20代の男性が結婚に後ろ向きなのは、「自由でいたい」というポジティブな理由というより、そもそも「結婚にふんぎれるほど経済的余裕がない」という人も多いのではないだろうか。実際、20代未婚男性の約半分は年収300万円に到達していない。

20代の未婚男女の人口を比べれば、約69万人もの「男余り」であるのに対して、いざ結婚願望のある20代の未婚男女同士で比べると、逆に約42万人の「女余り」になってしまうのである。

 

これが、お膳立てなき今の婚姻のマッチング不全を起こしている元である。「婚活現場におじさんしかいない」と感じるのはそういうことによる。

老舗の結婚相談所サンマリエのブログも同じことを書いています。

婚活市場は女余りって本当?そう言われている理由と真実を徹底解説 – 婚活なら結婚相談所サンマリエ

女余りの理由のひとつは、男女の婚活年齢の違いです。婚活中の人の年代は、女性は20~30代に集中していますが、男性は30~50代と年齢にばらつきがあります。さらに、女性が同年代の男性を希望するのに対し、男性は年下を希望するケースが多いです。

 

※参考ページ 日本人における未婚者の特性及び婚姻相手に求める要件について

確かに、20代で結婚に前向きな女性は、相手の年収にこだわるようですが、40代でもOKという人は少ないでしょう。一方で、「20代のお金持ち」はほとんどいません。かくして、マッチングができなくなっている、と。

荒川さんは、さらに婚活市場では一部の男性が、多くの女性と同時進行しているため、マッチングをいよいよ困難にしているといいます。

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結婚とは「勢い」でするものかもしれない

「無責任」って言われそうだけど、結婚とは「勢い」でするものでは、と思うのです。

20代は社会に出たばかり。そこで結婚するとは、社会に出てまだ数年の、何もわかっていないうちに結婚するに近いです。相手にお金がなくても「まあいっか」と思い切るわけです。

私は25歳のときに29歳の相手と結婚しましたが、「まー失敗したら別れるか……」くらいの軽い気持ちでした。

30代になると、理想が上がっていきます。

言葉は悪いですが、アホだから結婚できるわけで、慎重に相手を「選ぼう」とすればするほど、難しくなっていくんじゃないかなぁ。

「親友」をスペックで選ぶのはものすごく難しいと思うのですよね。

もう1つ、できるとしたら、欧米のように、いっそのこと結婚せずとも子どもを育てられるシステムにしてしまうことです。日本は特に婚外子が少ないと言われています。

婚外子が増えれば日本の少子化問題は解決する?

一方で、中絶件数は14万件もあるので、この数を出生につなげたら良いのではという意見もあります。

日本のどこかで毎日400件の中絶が起きている…出生数が80万人を切りそうな日本で中絶15万件の衝撃 他国では”常識”の「内密出産」の環境整備を国会でただちに議論すべき

2013年に自民党の野田聖子総務会長(当時)が、「年間20万人が妊娠中絶しているとされるが、少子化対策をやるのであればそこからやっていかないと。参院選後に党内の人口減少社会対策特別委員会で検討してもらうつもりだ。堕胎を禁止するだけじゃなくて、禁止する代わりに例えば養子縁組(をあっせんするため)の法律をつくって、生まれた子供を社会で育てていける環境整備をしなきゃいけない」と発言し、物議をかもした。

これが炎上したところに問題の難しさが見えます。

婚外子が差別されないようし、育てる環境ができ、「世間」がうるさくなくなれば、多少は、シングルマザーで生む人が増えると思います。

ただし、中絶禁止し、子供だけを増やした結果、浮浪児が増えてしまったルーマニアの例も検討した方がいいです。子どもは一旦産んだらそれで終わり、ではないので。

しかし、子育てを奥さんに丸投げしてきた人同士で議論しても、結論は出ないように思います。

「異次元の」と言うからには、それくらい思い切った思考の切り替えも必要なのでは。

みなさんは、どう思いますか?

※ 本記事は有料メルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』2023年4月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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image by: Shutterstock.com

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文筆家・編集者。金融機関を経て95年アスキー入社。雑誌「MacPower」を経て以降フリーに。「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集者として主にIT業界を取材。1990年代よりマレーシア人家族と交流したのときっかけにマレーシアに興味を持ち11年以上滞在。現地PR企業・ローカルメディアの編集長・教育事業のスタッフなど経てフリー。米国の大学院「University of the People」にて教育学(修士)を学んでいます。 著書に「東南アジア式『まあいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」「日本人には『やめる練習』が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。早稲田大学法学部卒業。

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【著者】 のもときょうこ 【月額】 ¥1,320/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 木曜日

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