「AI分析でわかったトップ5%」といえば、ビジネス書としてすでに定着しつつあるシリーズ。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、シリーズのなかでも営業に特化したセールス編です。
人気シリーズ営業編⇒『AI分析でわかったトップ5%セールスの習慣』
越川慎司・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、累計18万部を超え、すっかり定着した感のある、「AI分析でわかったトップ5%」シリーズの最新刊。
今回は、セールス編ということで、800社2万1,000人の営業職に調査・行動分析した結果が紹介されています。
今回、ちょっとこれまでと違うのは、セールスには「ラッキーパンチ」があるため、あえて営業成績トップではなく、「3年連続で目標を達成している人」に絞った点。
成果が安定しており、再現性のある方法論を実践しているトップ5%セールスのやり方を紹介しています。
セールス職は、時間との勝負のため、いかにムダをなくすかという点が重要ですが、本書を読む限り、95%セールスの書類関連のムダはかなり多いようです。
「営業部門の『パワポ職人』でトップ5%セールスに入っている人は13%しかいない」と著者が述べているように、ムダに色が多かったり、量が多かったりする資料はトップ5%セールスには好まれていないようです。
実際、著者らが826人の意思決定者にヒアリングしたところ、評価されるのは「10秒程度で要点が分かる資料」。
「要点が分かると、そのあとに詳細な情報が知りたくなる」のだそうです。
他にも、トップ5%セールスは自己紹介が95%セールスと違っている、「よろしくお願いいたします」で商談を始めない、など、興味深いファクトがいくつも示されています。
コロナですっかり定着したオンライン商談の成約率をアップさせるヒントなども示されており、営業職の方は、チェックしておくといいと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
既存の顧客に対して、指示されていないのに忖度をしてページを増やした経験があるセールスは68%いました
78%の意思決定者は、「パッと分かる資料」を好んでいる
「10秒程度で要点が分かる資料」が「分かりやすい」と判定されやすい
25.3%の顧客がリモートプレゼンを希望しています
5%セールスの61%は「プレゼンが苦手」
相手に好印象を与えるポイントは、「聞いている姿を相手に見せること」
(資料で)使用する色の数は少ない傾向にありました。5%セールスの資料は3色以内である割合が55%で、95%セールスは29%でした
5%セールスは「相手にメモをとらせたい言葉を事前に決めている」
「頑張っているが成果が出ない人」のよく使う言葉を調べてみると、「ダ行」で発言を始めることが多いことが分かりました。「だけど」「でも」「ですが」「どうしても」といった言葉を使ってしまうのです
5%セールスは「サ行」で褒める(「さすが」「知らなかったです」「素敵ですね」など)
5%セールスはGEP客を「相手にしない」
GEP=Good Enough Perception(十分満足の人)
5%セールスのスライドでは、挿入される画像が4点以内
5%セールスが顧客に提示するストーリーは、以下の流れでした。
(1)疑問→(2)調査→(3)解釈→(4)本質→(5)変化
◆自己紹介
一般セールスとの違いは、部署名の説明が少なく(もしくはまったくなく)、会社の実績の説明が含まれている確率が一般セールスの3,7倍でした
5%セールスがさりげなくやっていたFECの質問
事実(Fact)+経験(Experience)+相手を気遣う質問(Care question)
協力してくれた人の上司にお礼を伝える
セールスで結果を出したい人はもちろんですが、経営者や営業マネジャーが読めば、さらにインパクトのある一冊だと思います。
会社全体でどういう営業体制を取って行くか、ヒントとなる一冊だと思います。
ぜひ、読んでみてください。
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