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「ChatGPT」の質を上げるのは使う人次第。上手なプロンプトの使い方

今後、会社でChatGPTを導入するようなのですが、プロンプト(応答を生成するための文章)をなかなかうまく使うことができません……。そんなお悩みに、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが回答しています。

Question

ChatGPTが大ブームなので、いろいろ触ってみています。会社にも6月から導入されるとのことで、楽しみにはしていますが、プロンプトがうまく使えません。質問しても、わかりきったような答えしか返ってきませんし、今有名な「深津式プロンプト」をやっても、一般的な回答しかなく、しっくりきません。どういうふうにアプローチすればいいのでしょうか。事業部会議をうまく進める方法とか、面倒くさい同僚をうまくあしらう方法とか、新事業案を効果的に出す方法とか知りたいのですが。

 

 

赤羽さんからの回答

ご相談、どうもありがとうございます。おっしゃる通りで、ChatGPTはプロンプトをどう作るかが重要です。今後、プロンプトを自動生成するとか、簡単なプロンプトであとは自動的に動いて聞いてくれるとか、もありますが、まずは今の状況でプロンプトを工夫し、使いこなせるようになることが今後も活用し続ける鍵になりますね。

従来は、「会議をうまく進めるにはどうしたらいいんだろう」と思ったときは、検索エンジンに「会議 進め方」といった言葉を入れて検索し、いくつかの記事を見つけて読み、そこから一定の理解を得ていたと思います。

検索ワードの選び方が重要でしたが、工夫してもそこまで差がないので、何度か検索したり、記事を多く読んだりして、必要な情報を選び取っていたと思います。

いっぽう、ChatGPTは普通に会話ができるので、何も考えずに思ったまま、「会議をうまく進めるにはどうしたらいいですか」と聞いてしまいますよね。

これが問題です。

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ChatGPTは賢そうに見えますし、人が答えてくれるような気にすぐなってしまいますが、全く違います。

単にすべての無料の日本語情報(あるいは英語情報)を読み込んでいるデータベースがあり、そこから確率的に高い言葉が紡ぎ出されているだけだからです。そこには知能も全体観も何もありません。

「会議をうまく進めるにはどうしたらいいですか」という日本語の文字列に続きがちな言葉が立て続けに出力されるだけです。

形式的な通常のチャットボットと違って、滑らかな日本語で話してくれるので最初は「わ!すごい」と感動しますが、よく見てみると、「そんなことは知ってるけど」「どっかに書いてあったけど、それだとうまくいかないんだよね」というレベルのことが延々と書かれていることに気づくと思います。

ではどうすればいいかと言えば、できるだけ設問に詳しく状況を書くことです。会議であれば、御社の会議でのおきがちな問題、出席者の主要人物の発言のタイプ、性格、仲のよしあし、利害関係などを書き込んでいきます。

書けば書くほど、具体的になり、ChatGPTからの回答も一般論ではないものになっていきます。

もう一つ重要なのは、あるべきプロンプトを最初から書くことはできないということです。詳しいプロンプトを書いたら一度保存し、ChatGPTを走らせ、不十分・おかしいところがあったらプロンプトを修正してまた保存し、再度ChatGPTを走らせる、ということを3~5回あるいはもっと繰り返します。

修正後のプロンプトを走らせるときは、ChatGPTの左上のNew Chatを選択して、前のインプットを消し、新たに回答してもらいます。そうしないと、前のセッションの記憶が残っていますので、回答がぶれてしまうからです。

ぜひやってみてください。

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image by: Shutterstock.com

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ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内24冊、海外23冊。合計113万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

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【著者】 赤羽雄二 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

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