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Little girl hand using a digital chatbot program for online chat with human users. Support and customer service automation technology. AI artificial technology for chatterbot or conversational agents

夏休みの宿題にChatGPTを使うのは本当に「ずるい」ことなのか?

夏休みの宿題のなかでも子どもたちを悩ませることの多い読書感想文。文科省からChatGPTの使用禁止が名言されましたが、果たしてそれは本当に「ずるい」ことなのでしょうか。無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教諭の松尾英明さんは、 読書感想文だけでなく、自由研究にも利用できるとして実際にChatGPTに相談した結果と、禁止ルールのほうに問題があるのでは、と疑問を投げかけています。

夏休みの宿題にChatGPTの活用は悪なのか

夏休みの読書感想文について、文科省よりChatGPT使用禁止が明言された。それ以前に、ChatGPTは13歳以下だとそもそも使用できず、18歳未満には保護者の許可が必要というルールがある。

以前メルマガにも書いた通りで、思い切り予想通りだが、人間は「ダメ」と言ったら止めるものでもないというのが現実である。

メルカリ等に夏休みの宿題代行業者が氾濫して大儲けした現状を見れば明らかである。

さて、これは読書感想文コンクールに限らない。

例えば、夏休みの自由研究にも利用できる。

大人の権限でちょっとChatGPTさんに相談して、ものの数分でアウトラインを出してもらった。

以下、ChatGPTさんの出してくれたアイデアである。

タイトル:浮力の不思議

■はじめに

浮力の不思議についてみんなに紹介します。みんなが水に入ると浮くこと、それは浮力という不思議な力が働いているんだよ!この研究では、浮力の仕組みを楽しく学んでみよう!

■浮力とは

浮力って何だろう?実験を通じて浮力の不思議な力を見つけ出そう!水に入る物体がどうして浮くのか、どうして沈むのかを調べてみよう。アーキメデスの原理という言葉も覚えようね。

■実験1:異なる物体の浮力を比較

いろんな物体を水に浮かべてみよう!例えば、おもちゃや果物、コインなど。それぞれの物体が水に浮く理由を考えながら、不思議な現象を観察しよう。もしかしたら、大きさや形が浮力に影響を与えるかもしれないね!

■実験2:浮力と重力のバランス

水に浮かべた物体には浮力が働いているけれど、重力という力もあるんだ。水に浮かべた物体の重さを計って、浮力と重力のバランスを確かめてみよう。ちょっと難しそうだけど、一緒に考えよう!

■実験3:船の浮力の原理

船は大きな物体だけれど、なぜ浮くのかな?紙船やアルミホイル船を作って、水に浮かべてみよう。どんな形の船が一番浮きやすいかな?不思議な船の浮力の原理を見つけよう!

■実験4:浮力を利用した物体の設計

浮力って素晴らしい力だね!実験を通じて浮力を利用した物体や構造物の設計を考えてみよう。例えば、浮き輪や船、水中のおもちゃなどを自分で考えて作ってみよう!どんな物体が浮力を最大限に使えるかな?

■結果と考察

実験の結果をまとめよう!浮力の不思議な力を見つけたり、物体の形や大きさが浮力に与える影響を考えたりしたね。浮力の大切さや日常生活での活用方法についても考えてみよう。

■まとめ

浮力の不思議を調べて、たくさん学びましたね!水に浮く現象や物体の設計など、楽しいことがたくさんありました。浮力の力って、みんなの生活にも意外と関係しているんだよ!これからも科学の不思議を追求していこうね!

■参考文献

浮力に関する本やウェブサイトのリストを紹介します。これらの情報源からもっと面白いことを学びましょう!

■付録

実験の写真や図、興味深い発見のメモなどをまとめた付録を用意しました。楽しい研究の記録を残しましょう!

何をしたらいいかわからない子どもにとって、これはかなり助けになる(そもそもインターネットサイトの存在自体が、相当な手助けになる)。

このアウトラインに従って実際に実験してみれば、それはそれで面白そうでもある。

またそれぞれの項目について「書いて」と言えばここも書いてくれる。

子どもが使用禁止だとしても、夏休みの自由研究は実質親の宿題という面もある。

どうしていいかわからない親が手助けのために使うことは十分に有り得る。

果たして、これは「ずるい」ことなのか。

明確に「不正」と明言された以上、ルール違反であることは否めない。

しかし、ルールの側がおかしいということはないか。

ルール設定者(権力者)の都合や好みという面がないかは、常に疑うべきところである。

スポーツの世界はこれが顕著である。

オリンピックの歴史でも、日本が活躍して金メダルをとるとルールが変わるということは度々起きている(オリンピックはもはや爽やかなスポーツの祭典とは言い難い、醜悪な面が方々に見えてしまい、残念なことである)。

工夫した側の努力を否定するように、あっさりとルール変更がなされる。

またChatGPTをフル活用できるリテラシーのある教員や大人はどれぐらいいるのだろうか。

実際、子どもの方はどうなのだろうか。

良い道具があるならば、それを活用する能力は、旧い制度を守るより大切ではないだろうか。

授業にもこれは言える。

もはや登校せずとも学べる時代になった。

小学校はまだしも、中学高校の知識獲得学習については、オンデマンド型で学ぶ方が効率的であることは間違いない。

教室にやる気も理解度も低い生徒が多くいる中で、全員が一緒に数学を学ぶ必然性がどれほどあるのか、疑わしいところである。

学校は、新しいものを活用する姿勢が必要である。

そのためには、古いものを捨てる必要がある。

旧態依然とした学び方やその学習内容を抱えたままでは、それができない。

学習指導要領がある以上、内容についての変更はできないが、工夫はできる。

昭和の時代から変わらないのではなく、今の時代に合った形の夏休みの宿題というものを考えてもよいはずである。

自由研究等そのものを否定している訳ではない。

本当に「研究」して大発見をしてしまうすごい子どもたちが存在することも認めている。

だからこそ、課題へ取り組むかどうかも個人の選択にして、使える道具はフル活用していいのではないかということである。

学校現場からはAIの流入や時代の変化に対し、怯えに近い否定を感じる。

「新しいものは怖い」という感覚は「古いものをそのままにしたい」という感情と裏表である(ただ一番悪いのは、古いものを抱えたまま新しいものをどんどん取り入れることである。それでは、クローゼットがパンパンになって、着られる服もダメになる。新しく買うなら古いものを捨てるのが鉄則である)。

せっかく手助けしてくれるものは使った方がよい。

また新しい時代の価値観の流れは、拒否するだけ無駄である。

それを取り入れていくしかない。

だから、古いものを捨てるしかない。

この令和の新時代に、昭和時代の夏休みの宿題が「そのまま」残っていることの方がおかしい。

読書感想文に使うなどうこう以前に、学校の在り方のおかしさが気になって仕方ない昨今である。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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