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ラーメン店を悩ます「1000円の壁」。客単価を上げる取り組みとは

原材料価格や水道光熱費の高騰により、さまざまなモノの値段が上がっていますが、飲食店にとって値上げは大きな決断がいる作業です。特に客側にも大台となる「1000円の壁」に悩む業態の代表格がラーメン店かもしれません。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは、ラーメン店がなかなか値上げできない理由を解説。お店の「中心価格」を把握することから始める、失敗しにくい値上げの方法をレクチャーし、その後の分析方法も伝えています。

ラーメン業態が1,000円の壁を超える為に取り組んでいる事

ご支援先ではどんどん客単価アップを行なっていただいているのですが、難易度が高いのがラーメン業態。今日はこの辺りを深掘りし、その上でも単価増を実現すべくどのようなステップを踏んでいるかをまとめます。

利益率が悪化するラーメン業態

・原材料の高騰
・人件費率の高騰
・水道光熱費の高騰

ラーメン業態でコストインパクトがあるのがこの3つの領域になります。売上自体は完全に戻っており、各社忙しい状況になっています。しかし。上記3つの影響から利益率が悪化しており、以前ほど儲からないケースが増えています。

しかも。原価・人件費・水道光熱費全てが変動費です。そのため余程売上が上がって固定費比率が下がれば良いですが、そもそも人気店は売上に限界も。そのため、やはり売価を上げない限りは安定して15~20%の利益率を確保するのは難しくなっている状態です。

なぜ値上げが難しいのか

・お客様がプロ化しやすい
・個人店多くチキンレース

この2つが値上げを困難にしています。ラーメンの市場規模は6,000億円と言われています。専門業態として見ると本当に大きい市場ですよね。カレー・唐揚げ・とんかつなどではまずもってあり得ない大きさです。

客単価が低いにも関わらず市場規模が大きい。つまり「利用頻度」が非常に高いことがこの業界の特徴になってきます。この背景からお客様が「プロ化」しやすく、トレンドの移り変わりを激しくしています。そして「利用頻度」が高いからこそ、他店比較が他業種よりもされやすく、そこが価格にシビアなひとつになっています。

かつ、個人経営のお店が多いのでどうしても店主のマンパワーで乗り切ろうとしてしまい、それが結果全員が苦しくなっている状況。ただそんなチキンレースが続く訳もなく。次のステップに行くには値上げは必須。そのために下記の取り組みを始めています。

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中心価格を把握しよう

メニュー表をぱっとみて、「この店はいくらくらいかな?」と感じるのは下記の公式から算出します。

中心価格=√(下限価格×上限価格)

例えば、
ラーメン:800円
全部乗せラーメン:1,200円
上記の店があったとすると、中心価格は979円です。
979円=√(800円×1,200円)

ぱっと見ても1,000円の壁は超えないので、割安感を感じられるところですね。そしてこの中心価格に多く品揃えするとそのアイテム帯が出やすくなります。

そのため上記のお店があるとすると、
950円~980円
この辺りに様々な品揃えを行うと、それが出やすくなってきます。

中心価格を上げよう!

次のステップは中心価格の引き上げです。下限価格をいきなり上げるのは不安になる企業も多いので、その場合は上限価格からの変更です。

例えば。1,200円ではなく1,500円を作る感じです。そうなると中心価格は1,095円になります。
1,095円=√(800円×1,500円)

ここで1,000円の壁を突破するメニューをじわりと増やしていきます。これは単品ではなくセットメニューからまずは始めてみても大丈夫です。1,080円~1,120円くらいのラインナップをメニューの構成比率として中心に移行させてくる感じです。

そしてここで一度分析を行います。

上記でいける!となれば次のステップです──
(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年7月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by:Tupungato/Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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