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夫に愚痴を言う妻が同じように縛られている「素敵ママ」の呪縛

SNSなどでもよく目にする既婚女性がつぶやく夫の愚痴。女性がカチンとくる男性の言動は、「ある病気」にかかっているからだと、今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者である真井花さんは話します。そして実は、それは女性にもあてはまるようで…?

大黒柱シンドローム

さて、本日は男性が罹っているらしい病気のお話。

Twitterで最近見かけたのが、子育てがちょっと一段落した既婚女性が仕事に復帰しようとするとき、夫に言われてモヤる言葉、それが

・家のこともちゃんとできるならいいよ

だそうです( ̄∇ ̄) ああああ、なるほどなあ。

なんで仕事復帰に夫の許可が必要なんだ、一馬力より二馬力の方が圧倒的に有利なのに、なぜ応援してくれないどころか「家のこと」は女性だけがやる前提なんだよ

という怒りの声が聞こえてきそうですよね。

・これだから男は!

と主語がいきなり人類半分に拡大したら、最終戦争が始まりそうw

…さて、思うに。これを言う既婚男性は何を考えているんでしょうか。

・女は家にいろ
・オレの言うことを聞け

とか思っている…わけないよね。こう思っているに違いない!と怒り狂うのがイっちゃってる●ェミさんたちなんですよ。男性は馬鹿じゃない。口には出さないあるいは出せないだけで、それはそれなりの合理性があるはずなんですよ。

このセリフをよく検討してみましょう。

「家のこともちゃんとできる」とは、すなわち

働くってことは家にいる時間がなくなる
    ↓
その分の家事や育児はどうする
    ↓
俺じゃなくお前がやれ

ですよね。ここまではフツーに分解できます。

問題は最後の「俺じゃなくお前がやれ」です。ここ、ここが

・このセリフの謎の核心

なんです。家にいないために手が回らなくなる家事や育児、これを解決するためには、当然ですが誰かがやらなくちゃいけない。フツーに考えて

・妻
・夫
・親族(親とか兄弟とか)
・外注

の四択ですよね。

まあ、親族は居住地と関係性に左右されてしまうだろうし、外注は高額な上に柔軟性に欠ける。今日!今すぐ!みたいな状況に対応できない。

結局、妻か夫の二択。で、「お前がやれ」になっているわけです。

つまり

・夫は家事育児をしないよ

ということです。だから女性が怒るのよね。

でもさ、ホントかな?と思うんですよ。男性が考えているのは、家事育児(まあ、苦手だからやりたくない気持ちもあるけど)ということより

・仕事

なんじゃないでしょうか。

男性たちが気にしているのは、

・家事育児はしないではなくて

家事育児をやるために

・仕事が犠牲になるのがイヤ

ということなんじゃないでしょうか。いや、男性になったことがないので想像ですけど。

日本では(世界ではどうだか知らないという意味です)

・男性はちゃんと稼いで一家を養うべし

という社会的な圧力が、とてもとても強いと感じます。

稼ぎこそが家庭での権力と自由と幸せの源泉と考えていて、稼ぎにおいて女性をアテにすることは、(おそらく)

・他の男性に負けた感じ

がするんでしょう。男性は

・一馬力より二馬力の方が有利
・女性が社会で仕事をするのもいいこと
・女性の年収分の昇給はそうカンタンではない

こういうことが当然分かっていながら、妻の就労を後押しできません。これは、この「男性はちゃんと稼いで一家を養うべし」という規範を自分が叶えられなかったことをを認めなければならなくなるからであり、それはまさに女性が稼ぐはずのお金などの問題ではなく

・(リクツじゃなく)プライド的にムリ

ってことなんじゃないでしょうか。仕事はカネだけの問題じゃなく

・仕事から(競争から)引くことは、できないししたくもない

んでしょう。仕事=競争で、競争から降りることが敗北そのものと捉えられていれば、これはすごく納得できる心理です。一家の大黒柱ではなくなる感じです。

まさに

・大黒柱シンドローム

と呼ぶべき症状ですよね。

・そんなの、イマドキじゃないよ!

と思いますよね。うん、多分男性もそう思っているんじゃないかと思うんですよ。リクツじゃないところにこの話の難しさがありますよね。

でね。これってそっくりだと思ったんですよ。そう、女性が

・ステキなママ像に拘ること

に。キレイな部屋で、栄養満点の手作りの食事を家族で囲む。それができてこそステキなママで、そこに手間を費やすのが家族への愛情。

10年以上家事系メルマガを書き続けてきて感じるのは、女性が縛られているこの

・呪縛の強さ

です。

できる余裕があるならやったらいいけど、できないならやらなくてもいい。お弁当作りなんて朝5時に起きてやる必要なんてないし、冷食がダメなんてことがあるわけない。疲れているなら、レトルトでも外食でもいいし、布団干しやシーツの洗濯なんて、そんなに頻繁にやらなくても死なない。

先に家事の理想があってそこに自分を合わせるんじゃなく先に自分の生活があってそのスキマに家事を入れ込む。そのために便利な家電には投資すべきだし、苦手な家事は外注してもいい。

こういう話を繰り返し繰り返し記事にしてきたつもりです。が、

・それは分かるんだけど…

と口籠もる女性のなんと多いことか。

それは大黒柱じゃなくてもいいし、そんなことで男性の価値は損なわれないと分かっているのにそれができない男性と

・そっくり

です。よね?

男性も女性も、内面化したその呪縛から解放されるときが来ているんじゃないでしょうか。そのためには、相手に呪縛からの解放を要求するのではなく、

・自分が自分の呪縛を解く

ことから始めましょう。いや、ほら、相手のことは相手に任せた方がいいでしょ。なんとかできるのは自分のことだけなんですよ( ̄∇ ̄)

キャリアも収入も大事ですが、それは男性の人生全体、すなわち仕事だけでなく家庭も含めた全体で考えたとき、やはり一部にすぎません。パートナーに大黒柱シンドロームに罹っていることを打ち明けるところから始めてみませんか。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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