コロナ禍の途中から始めたカフェ事業で、2年以上赤字が続いたお店が、単月ながら「営業利益率40%」を達成できた事例があるそうです。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、そもそもカフェという業態が大きく儲けにくい理由をわかりやすく解説。ノウハウがない中で売上と利益率を上げるために取り組んだことを細かく教えてくれます。
ずっと赤字だったカフェが営業利益率40%を達成できた理由
コロナ禍でオープンされたご支援先のカフェ店舗。これが辛い事にずっと赤字でした。自社でやろう!と動いた案件ではなく、依頼されて始めたのが経緯であり、かつカフェは初参入。
2年以上赤字となり今年の頭にも「もう流石に撤退だ!」となっていたのですが、それがまだ単月ではありますが営業利益率40%に到達。この辺りの流れを本日のメルマガにまとめてみましたので、意思決定や実行の参考になる事があれば幸いです。
お店の概要
- 立地:駅徒歩3分
- 客席:64席
- 単価:1,200円~1,300円
- 客層:30代女性
赤字だった時の取り組み
- 足元商圏への毎月のポスティング
- Googleの強化
- 食べログの強化
- SNSの強化
などなど、施策としてはやる事はやっていました。しかし、そもそも論な問題がありました。
ビジネスモデルが破綻していた理由
カフェは席回転率が悪いビジネスです。一見繁盛していて毎日満席でも、その滞在時間が2時間になると、売上はもちろんあまり行きません。64席が満席になったとしても、売上230万円=1,200円×64席×30日こんな感じになってしまいます。
そしてカフェの場合重要なのは、「人件費率」をどう組むか?です。こちらの場合は35%かかる状況でした。
- 調理工数が多いので厨房スタッフが必要
- フルサービスなので接客スタッフが必要
つまり、どこまで売上を上げても利益が出ない。ビジネスモデルが破綻していた理由です。
人件費率の圧縮も限界がある
- 注文方法の変更
スタバのような事前決済もしくはモバイルオーダー - 料理内容の変更
仕込みレスにし、調理も工数が似たもののみ
これによって、変動費率で20~25%には抑えることができました。しかし、人件費率の圧縮は結局コストダウンの話。これで損益分岐点は確かに下がりましたが、利益がたくさん出るか?で見ると全く違う話。そこで決めた事があります。
どうやって売上自体を伸ばすのか
「カフェ営業で売上を伸ばしていきますか?」。そもそもゼロベースで考えるのはここでした。結論ここのご支援先では強化しない事に。
もちろん業態としてはあるのですが、
- 貸切イベント
法人系・ブライダル系 - ケータリング
法人特化 - MICE
提携の強化 - 通常カフェ
通常カフェの優先順位は最も下げました。
- カフェという業態力を活かす
- 伸びている領域を伸ばす
- 1日辺り売上最大化できるものを伸ばす
このように考えました。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
やることは包み込み
とはいえ、全て後発ですしノウハウは自社内に無い状態。そんな時はいつものステップです。
- 競合選定
自然検索・リスティング・ポータル - 競合調査
商品調査
→価格帯別アイテム数
→価格に対する品数数
→価格に対するボリューム
→価格に対するおいしさ
接客調査
→お客様の立場で電話ヒアリング
→お客様の立場でネット問い合わせ
上記から、
- 成功確率を高める
- ポイントとなる条件を把握する
この辺りを行いました。その結果、下記が定まりました。
- 販促媒体とその強化方法
- 商品MDの決定
- 付随サービスの設定
- サービスガイドの設定
この辺りです。
調べた結果、競合は5店舗。最初は「顧客名簿」が必要なので、全ての条件を包み込みました。ずっとコロナ禍だったので、競合があまり動いていなかったのも結果的に大きな利点になりました。
止めない意思決定をした理由
上記をやろう!としても、実際に動き出したのは3月以降。それまではずっと赤字だったわけです。しかし事業の継続を決めていた。それは──
(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年8月7日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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