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結婚を前提に交際していた彼が既婚者だった。それでも「離れられない」女性の告白

芸能人の「不倫」は世を賑わせるものです。しかし、世間は騒がないものの、我々の住む一般社会にも「不倫」はあります。今回、メルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、配偶者のいる男性と恋愛関係になってしまった女性にインタビューをしています。一度は別れを決意したものの、どうしても離れられないワケとは?

業界の暗黙知 浮気相手になってしまった方

今回の第10回目は、「浮気相手になってしまった」方にお話をお伺いしました。

下田さん(仮名)は、結婚を前提に付き合っていた彼氏が既婚者であることが発覚し、別れを決意しましたが、どうしても離れられず、現在もお付き合いを継続しています。

彼女の苦悩と、発覚当時の心境を取材しました。

浮気相手になった女性 下田さん(仮名)

下田氏の状況

未婚で、彼氏だと思い付き合っていた彼が、まさかの既婚者。

当初は既婚者とはわからず付き合っていたが、その後は奥さんから攻撃を受けながらも、付き合いを継続。

どうしたらいいのかわからず、なにかアドバイスを、ということで僕のところに相談となった。

■取材にあたり

探偵の仕事をしていると、当然のことながら「浮気をされた人」と話す機会が多くなります。

しかし、極稀に「浮気をした側」の方からの相談もくることがあり、そのときは調査をすることは無いのですが、ある種のカウンセリングのようなことを行います。

その人にとっての最善とは?今回は、「苦悩」にフォーカスして取材しました。

乗り越える部分

後藤 「発覚からは1年以上経つわけですけど、下田さんは『彼氏が既婚者だった』という部分は乗り越えているのでしょうか?

下田さん 「まだ乗り越えるという感じではないですね。とにかく、早く離婚だけ終わってほしいなっていうのはありますけど…」

後藤 「下田さんとしても、まだ自分がどうすればいいのかはわからないという感じですよね。彼のことは好きでもあるけど、自分の立場がいけないことというのもわかりつつ、離れにくい状況というのにも甘んじてしまっている」

下田さん 「そうですね…。もっと色々と決断できたらいいんですけど…」

後藤 「彼の話も聞いてみたいですよね。なんか彼の行動を聞いていると、乗り越えてるのは彼ですよね。乗り越えてるというよりも多分振り切っちゃってる。ものすごく下田さんのことが好きなんでしょうね」

彼の気持ち

下田さん 「好きというと、私はなんとなく違和感があって。言葉的には執着だと思います。執着されてしまっているというか」

後藤 「執着ですか。たしかにそういうのもあるかもしれませんね。お子さんがいて、マイホームのローンも支払い続けて…。あとは、婚姻費用ですか?となると、好きというのは超えてしまっているのかも」

下田さん 「奥さんには、婚姻費用は月に20万円払っているそうです」

後藤 「おお、まぁまぁな額ですね!」

下田さん 「そうなんです!そういうのもあるのに清算せずに私にくるのって、もうなんか好きっていう感情じゃなくて執着かなって思ってます。彼には、私のことが好きなんじゃなくて、執着心で一緒にいるの?ってたまに聞くんですけど、向こうは違うって否定しますね」

後藤 「男性は結構、好きな人の幻を勝手につくっちゃって、本人を見るんじゃなくて幻のほうを見てる感じの人が多いですよねその幻に自分の都合の良い部分をちょっと付け足しちゃうみたいな

下田さん 「本当、まさにそんな感じがします」

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奥さんへの感情

後藤 「結婚を前提に付き合っていた彼氏に、急に奥さんがいるということが発覚したわけですが、その時の奥さんに対しての感情はどのようなものがありましたか?僕が他の方に聞いた時は、憎い!という感情を持たれた方や、申し訳ないという感情を持たれた方など、様々でした」

下田さん 「それはもう純粋に、申し訳ないという感情しか出てこなかったですね。私がそれを知ったのが彼との旅行中だったんですよ。神社を歩いている時に、少し喧嘩してしまって、もう別れる??みたいな話になって。喧嘩の原因は些細なことなんですけどね」

後藤 「その時は何が一番気になりましたか??」

下田さん 「とりあえず奥さんと子供はどこに居るのって聞きました。どこに住んでるの?子供は今何してるの??ってどんどん聞きたいことが湧いてきて。でも、答えを聞く前に奥さんと子供に申し訳ないなっていう感情が溢れてきて。申し訳ないという感情と一緒に、なにかこう同情というか、かわいそうだなとも思っちゃいました。向こうからしたら、そんなこと思われたくないでしょうけど」

後藤 「法律的には相手の奥さんだけど、下田さんにとっては急に現れた女性ですもんね。奥さんに対する感情は複雑になりますよね」

頼った相手

後藤 「浮気相手になってしまったという状況の時に、一番頼ったのはどなたでしたか?僕のお客さんだと、旦那に浮気をされたということはなかなか周囲に言いづらくて、頼るところがないっておっしゃる方が多いんですよね」

下田さん 「確かにパートナーに浮気されていたら周囲に相談しづらいですよね。でも私の場合は、結婚を前提とした彼氏として友達やおばあちゃんにも紹介してたので、向こうから聞いてくるんですよね。結婚はいつ??って。なのでそのタイミングで全て話しちゃいました。そういう意味では、相談相手はたくさんいましたね」

後藤 「なるほど、たしかにそうですね。急に自分だけが抱える浮気や離婚の問題と違って、結婚前提だから報告のタイミングがありますもんね」

下田さん 「そうですね。それで本当に家族や友達全員に大反対されて。すぐに離れろ!って」

後藤 「それはそれで大変ですね」

下田さん 「初めは別れろとしか言われなかったので、そこは辛かったです。もっと色々聞いてほしかったな、というのは少しありますね。でも、誰かに話すのはすごく大切だと思います」

相手が離婚しない理由

下田さん 「なかなか相手の奥さんは離婚の承諾をしてくれないのですが、何故なのでしょうか??」

後藤 「離婚しない理由で考えられるのは、主に2つですね。1つは、気持ちの問題。これは当然として、2つ目は『婚姻費用』を引き延ばしたい。今回の場合は、旦那側が浮気して証拠を撮られているから『有責配偶者』という立場になるので、旦那側からの離婚請求はしにくいので、引き延ばされやすいですよね。相手に弁護士が入っているなら、その手段を取っている可能性は大いにあると思います」

下田さん 「なるほど。そういう法的な制度が理由ということもありえますね」

後藤 「あとは別れる時の不安を持っているっていうのはあると思います。僕の依頼者の方々でも、証拠とって離婚できるってなった時に、1回立ち止まる人が多いです。それは何故かと言うと、今まで一緒にいた人と別れて新しいスタートになりますよね。それってやっぱり怖いですよね。経済面だったり、子育ての面だったり、それ全部、一人でやっていくことになるから。もちろん、分割とか養育費とかはあるけど」

下田さん 「なるほど。奥さんはそこへの恐怖があるから立ち止まっているのはあるのかも。彼のことが好きかどうかっていうよりは不安。そういう側面は少なからずありそうですね」

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同じ境遇の方へ

後藤 「最後に、同じような境遇になってしまった。つまり、知らぬ間に浮気相手になってしまった方へ向けて、なにかアドバイスはありますか?」

下田さん 「私はまだ振り切れてないので、全然アドバイスとかできる立場じゃないですけど(笑)。でも、1つ言いたいのは、『死ぬ』とかそういう破滅的なことへは向かわないでほしいです。結婚っていう幸せなことへ向かっているときに、裏切られ、絶望して、急に自分が悪者になる。その時は私、死んだほうがいいって思ってました。それでも、周りの人に支えてもらえたので乗り越えようっていう気持ちになれたんです」

後藤 「たしかに急にそんな立場になったら、ネガティブな感情が湧いてくるのは仕方がないと思います。それでもやっぱり立ち直れたのは、周囲へ相談できたからかもしれませんね」

下田さん 「本当にそうですね。一人だったら、確実に変な方に行ってたと思います。本当に、どうすればいいかわからない。感情もぐちゃぐちゃで、だれを信じていいのかわからないのに、目の前には彼しかいない。周囲に打ち明けるまではその状態です。危なかった」

後藤 「改めて聞くと、本当に危険な状態でしたね」

下田さん 「はい。なので、周りへの相談は絶対したほうがいいって言いたいです」

後藤 「ありがとうございます。誰かに届くと思います。今日は赤裸々に話して頂いてありがとうございました!」

下田さん 「ありがとうございました!」

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image by: Shutterstock.com

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平成3年生まれ。探偵歴10年。愛知県出身。好きな調査シーンは張り込み。19歳から探偵の修行を始め、他の職業をやることなく社会に出て現在までずっと探偵。中高生の頃から中南米地域に興味があった為、好きな探偵と中南米を合わせよう!ということで23歳のときに中南米で探偵をする為グアテマラ入りをする。グアテマラにて活動後、事業の基盤作りの為帰国。まずはアジアからということで現在はバンコクやマニラなどでの調査を経験しながら、国際探偵への道を走っている。多くの男女トラブルや企業内外の調査を受けている。

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