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習近平に命をかける兵士は一人もいない。中国が戦争など出来っこない決定的な理由

今年7月6日、台湾への睨みをきかす東部戦区の将兵たちに対し、戦争への備えを指示したとされる習近平国家主席。巷間囁かれているような台湾への武力侵攻は果たして起こり得るのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが数々の情報を総合した上で、現在の中国には軍事侵攻を行なう力はないと判断。彼らに今できるのは挑発や弱い者いじめ程度としています。

中国軍を完全掌握できず。習近平に戦争なんて本当にできるのか?

こんにちは。

習近平主席は、就任後一貫して江沢民派の人民解放軍幹部を攻撃しています。それでも、習近平主席は、軍を完全に掌握できていません。

私には、台湾との戦争の前に、人民解放軍は習近平主席に滅ぼされるのではないかと見えるほどです。

そもそも一部の共産党幹部が富を独占しているような国で、庶民出身の兵士が真剣に命をかけて戦えるのでしょうか。

最近では、地方政府の公務員、学校の教職員までもが、給料が遅配しているとか。

人民の不満は蓄積され、習近平への批判は高まるばかりです。

これで本当に戦争ができるのでしょうか。こんな心配を裏付ける事件が多数発生しています。今日はそんなお話をしたいと思います。

1.最も米軍との戦争を嫌っていたロケット軍幹部

台湾有事はどのように始まるのでしょう。

ロシアのウクライナ侵攻では、最初にミサイル攻撃を行いました。遠距離からのミサイル攻撃で、敵国の反撃能力を奪う、あるいは、防空システムを破壊します。

多分、中国の台湾侵攻でも同様の作戦を考えていると思われます。その時、主役となるのは中国人民解放軍の陸上核弾道ミサイルと通常弾道ミサイルを担当するロケット軍です。

しかし、現在のロケット軍は非常に不安定な状況にあります。ロケット軍は特殊な技術が必要であり、他の人民解放軍とは孤立した存在でした。また、ミサイル技術については米国に留学して学んでいました。当然、米国からの協力もあったわけです。

ロケット軍幹部は、最も米軍との戦争を嫌っていました。彼らは米国の実力と自国の実力を熟知しています。戦争が始まれば、真っ先に標的になるのは、ロケット軍です。できれば、戦争をしたくないと思うのも当然でしょう。

実は、ロケット軍の詳細な情報が米国から公開されています。装備品だけでなく、それぞれの拠点の住所、組織、担当者個人の情報等が公開されたのです。中国政府は、ロケット軍幹部の中に米国スパイがいると考え、腐敗防止という名目でロケット軍指導部の大幅な入れ替えを行いました。

新しく昇進したロケット軍司令員・王厚斌氏は海軍出身で、新政治委員・徐西盛氏は空軍出身です。これは全く異例の措置で、専門家部隊のロケット軍に素人のトップが就任したということです。

指導部と現場の連携は見込めず、このままではロケット軍は機能しないでしょう。習近平が攻撃命令を出しても、ミサイルが発射されるか分かりません。ロケット軍にクーデターの意志があれば、ミサイルは北京に向かうかもしれません。ということで、ロケット軍は機能しないと思います。

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2.原子力潜水艦部隊を巡る未確認情報も

もう一つ未確認情報ですが、中国の原子力潜水艦が、中国本土と台湾を隔てる台湾海峡で乗組員全員死亡の重大事故にあったというニュースが流れています。

中国政府は公式な報道をしていませんので、ここから先はネットに流れる噂話となります。

8月15日に5人の乗組員が下痢になり、16日には20人程度に増えたそうです。そこで青島海軍基地に戻ろうとして、手前の連雲港付近で中国海軍が設置した「防潜網(数百mの長さで1トン以上のチェーン)」に掛かり、船外に出てチェーンをカットしようとしたが、潜水用の酸素ボンベが空で作業はできず、結局そのまま60名以上の乗組員が全員死亡したというのです。そして、死亡者の中には、超エリート指揮官22名が含まれていたと言います。

それが真実ならば、潜水艦部隊は正常に機能できるでしょうか。また、正常な組織が整うまでにどれほどの時間が掛かるのでしょうか。

これらのネット報道は事実関係が曖昧です。台湾で事故が起きたのか、連雲港で起きたのかも分かりません。この他にも、米国とカナダが放射線漏れの調査をしたとか、中国海軍が事故調査をしているという情報もあるので、何らかの事故が発生したのは間違いないと思います。

3.軍の基地も洪水被害に?中国政府が隠すニュース

7月31日の大雨から北京市と雄安新区を守るために、8月1日の夜、北京周辺の20箇所のダムを一気に放水しました。この際、農村が大変な被害にあいましたが、実は、河北省保定市にある北京防衛のための精鋭部隊、第82軍基地も流され、ほぼ全滅したというのです。

このニュースは中国政府は隠蔽しており、公式報道としては出ていません。従って、日本の新聞テレビでも報道されていません。中国政府内部とコンタクトできる海外居住の華人ネットワークがネット上にニュースを公開しているだけです。従って、これも真偽のほどはわかりません。ネット上の噂話としてお聞きいただければよいかと思います。

さて、信じがたいことですが、李強総理は軍の基地の存在を知らずに放水したと言います。そして、約8,000人の66289旅団が全滅し、同時に。戦車、戦闘機、様々な防衛設備、食料、医療品等が流されたと言います。また、空軍が創立したばかりの無人機部隊も大きな被害を受けたとのことです。

この被害に比べれば小さい事件ですが、この洪水を視察していた人民解放軍の大型ヘリコプターが高圧電線に接触し、墜落したそうです。これには、地方政府幹部3名、軍関係者13名、計16名が死亡したといいます。

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4.できたところで弱い者いじめ程度。中国の実力

現在、習近平主席は人民解放軍のクーデターを最も恐れているといいます。人民解放軍では、兵器と弾薬を別々に管理しており、軍事パレードを行っている兵士の銃にも銃弾は入っていません。習近平主席は人民解放軍を完全に掌握しておらず、信用していないのです。

今後、軍の大粛清が行われるのでしょう。しかし、幹部を粛清しても、現場の兵士の信頼を得ることができるのでしょうか。自分の命をかけて、習近平のために戦う人がいるのでしょうか。

習近平主席は、ロシア、ワグネルのプリゴジンの乱に大きな衝撃を受けたといいます。プリゴジンがモスクワに進軍した時、人民解放軍が北京に進軍する映像が見えたのかもしれません。習近平主席は、台湾に出撃した軍が途中で折り返し、クーデターを起こすことを恐れているのです。

私は個人的に、中国政府ができるのは、現在のような、挑発行動や中国より弱い国へのいじめ程度だと思います。あとは、例えば日本と韓国の関係を壊す活動です。米国に対しても、正面から戦うのではなく、米国の大統領選挙に干渉したり、不法移民に混じって工作員を派遣します。

日本に対しても、親中議員や親中財界人に働きかけ、国の分断を図るはずです。

台湾に対しても、台湾侵攻の前に台湾大統領選挙で国民党を勝たせるような工作を行うはずです。

これらの戦い方は、孫子の兵法にも通じており、戦わずして勝つ、相手の意気を消沈させるというものです。

多分、中国が軍事侵攻を行うのは、圧倒的な軍事力の差ができた時です。それまでは、挑発、脅迫、買収等を続け、日本、米国、韓国、台湾の関係を壊すための作戦を継続すると思われます。

中国軍にも通じる中国製造業の特徴。「締めの都々逸」

「整備不良に ヒューマンエラー とても命はかけられぬ」

中国製品の品質が悪いとか、中国工場の生産管理がなっていないという話は耳にタコかできるほど聞きました。また、個人的な経験としても、中国企業は基本的にモノ作りに対する姿勢が甘く、すぐに目先の金儲けに集中してしまいます。人材育成は時間がかかるので、金で買った方が安上がりだという話もあちこちで聞きました。

この中国製造業の特徴は、中国の政府にも軍部にも共通しています。日本なら許されないような凡ミスや、あり得ないような事故が起きるのです。これでは戦争なんてできるわけがありません。

戦争は、とても緻密で計画的、かつ現場の判断が重要な巨大プロジェクトです。この巨大プロジェクトを侵攻するには、緻密な組織と指揮系統が必要です。指揮官と兵士の信頼関係がなければ、軍は機能しません。その昔、日本軍が精強だったのは、日常的に集団行動の訓練をしていたことに通じると思います。それは、基本的には現在も変わっていません。

日本人を本気で怒らせると大変なことになります。それを中国政府に理解していただきたいものです。(坂口昌章)

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image by: Alessia Pierdomenico / Shutterstock.com

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