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ヨハネの黙示録が現実に。ロシアとイラン、トルコ参戦で「核」が落ちる場所

エスカレートするばかりの、イスラエルとパレスチナのガザ地区を実効支配するハマスの軍事衝突。もはやイスラエル軍によるガザ地上侵攻はいつ開始されてもおかしくない状況となっていますが、紛争はどこまで拡大してしまうのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、「ガザ危機」が第3次世界大戦へと発展する可能性を考察。さらに最悪の結果を避けるために残されている道を提示しています。

ガザの病院空爆でイスラエルは不利な状況に。このまま世界はどうなるのか?

ハマスの奇襲攻撃の報復として、イスラエルは、ガザへの空爆を続けている。このため、空爆でパレスチナ人の死亡者が増え続けている。

特にガザの病院への空爆で500人以上が死亡したという報道で、世界世論は、イスラエルからパレスチナに向いてしまった。中東各国では、パレスチナ応援のデモが起こり、イスラエルへの反発が高まっている。

しかし、この病院への空爆は、イスラム聖戦のロケット弾が不調になり、病院の駐車場に落下したと、米国は分析している。

しかし、世界は、停戦の方向に向き、国連でもブラジルが一時停戦案を安全保障理事会に出したが、米国の拒否権行使で否決された。

ハマスは、即時停戦なら、人質を開放するというが、イス軍は聞く耳を持っていない。この中、ハマスが米国人人質2名を解放したが、仲介交渉したのはカタール政府である。ハマスの最高指導者はカタールにいるからだ。

もう1つが、バイデン大統領が述べたガザへの人道支援のトラックが、ラファ検問所を通過できていなかったが、国連事務局長がラファで怒って会見したことで、21日にトラックがガザに入った。しかし、合意できたのは「トラック20台」だけで、国連は「少なくとも100台必要」と訴えている。そして、20台通過後、検問所は閉鎖した。

この状態で、いつ、イスラエルがガザに侵攻するかを世界はかたずを飲んで見ている状況である。

しかし、欧米諸国は、人質解放交渉のため、イスラエルにガザ地上作戦開始を遅らせるように圧力をかけているようである。まだ、米国人が10名ほど人質にされているようであり、米国はその人たちの解放を求めている。

ハマスも外国籍の市民や女性、子供を解放する姿勢をみせており、停戦交渉を有利に進める狙いもあるとみられる。イスラエル人男性や兵士の人質については、イスラエルに拘束されているパレスチナ人との「捕虜交換」に使う可能性が高い。

そして、ドイツは、人質解放のための特殊部隊をキプロスに待機させている。英米も特殊部隊をイスラエルに派遣して、人質解放を狙う。

レバノン国境では、ヒズボラと小競り合いしている。ヒズボラは、イス軍がガザに侵入したら、本格的な戦闘を開始すると言っている。

このため、米国、英国、ドイツなどは19日までに、それぞれ自国民に対してレバノンからの退避を勧告した。この3カ国は親イスラエルとみられているので、自国民がレバノンでテロにある確率が高いからだ。

また、シリアにいるイラン革命防衛隊は、ヨルダン川西岸に入り、ヨルダン川西岸からイスラエルを攻撃するようである。バイデン大統領は、シリアに対して、紛争に介入すれば、米軍がシリアに宣戦布告すると述べている。このため、3,000人の米海兵隊を東地中海に待機させている。

この中、イエメンのフーシ派は、イスラエルに向けて巡航ミサイルと自爆ドローンを飛ばし、その巡航ミサイルとドローンを米駆逐艦カーニーが紅海で撃ち落している。

また、イラクの米国基地を何者かが攻撃している。

米国とイスラエルを、イランの手下に攻めさせているようであり、イランからは手出ししないようだ。

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この状況を見て、国連のウェネスランド特使は、紛争拡大のリスクは非常に現実的で極めて危険だと警告している。

この中、中東情勢について米EUが共同声明を発表して、

  1. ハマスを最も強い言葉で非難し、
  2. イスラエルが自国を守る権利を確認し、
  3. ただ国際法に沿った形での攻撃をすることで、
  4. 民間人保護の重要性を強調し、
  5. ガザの人道危機の悪化を懸念し、
  6. .地域のエスカレーション防止が重要とし、
  7. 人質の即時解放をするべきと言い、
  8. 国家解決こそ永続的平和への道であるという。

戦闘の中止を求めないことで、国際世論は、ロシアなど独裁国非難から欧米非難に変わってきている。

イスラエルは、予備役を36万人も召集したが、当分ガザ侵攻ができないことで、一度、予備役を除隊させる必要になっているが、いつでも、再召集できるようにするという。米英独の人質解放交渉が続く限り、ガザ周辺で待機することになる。

日本は、欧米とは違う立場でいることは重要である。国際世論に同調していることが重要だ。

第3次世界大戦への防止は

ヨハネの黙示録は、最終的にはイスラエルをロシア、トルコ、イランが攻めこむ世界大戦になるというのが1つの有力な解釈がある。その時、イラクの米軍もイスラエルに撤退していて、そこに核ミサイルが落ちるという。

それに向けて、イラクの米軍にも攻撃が開始されている。イランとロシアが攻め込むことは想像できるし、トルコもイスラム教絶対のエルドアン大統領であり、イスラム諸国の支持のもと参戦する可能性が高い。

中東戦争が拡大する可能性が大きくなり、米国は多大な戦費を同盟国に援助している。それもウクライナだけではなく、イスラエルに対しても、行うことになり、大量の国債を発行して、その国債の暴落で金利が上昇、景気の先行きが危ぶまれることになっている。

特にクレジット・ローン金利が21%に上昇して、消費が落ちることになりそうである。

その上、米国の言うことをロシアや中国だけではなく、グローバル・サウスの国々でも聞かなくなっている。米国の言うことを聞くのは、日本と欧州、カナダ、メキシコなどである。ドルの信任性も低下している。

第3次世界大戦にならないようにするためには、英米独でもなく独裁国でもない国々が一致協力して、英米独と中ロの両方に停戦の上、ウクライナの領土保全とパレスチナ国家の樹立を働きかけるしかない。

道義に基づく、国際秩序を確立するためには、英米独もおかしいし、中露もおかしい。日本と同様な考えの国は、多くあると思う。アイルランドなどは、日本の考えに近い。

日本の立ち位置を道義的な基準で見ていくことで、日本の考えを広めるしかない。この上で上川外相に期待したい。

日本の移民政策をどうするか

日本はイスラム系移民が少なく、大規模なパレスチナ支援デモも起こらない。冷静な状況に国内はある。欧州はイスラム系移民が多く、社会の分断が起きている。

日本は、移民を入れずに、工場を世界に展開して、日本企業の生産高を上げてきた。このことで、相手国の文化を尊重して、かつ、資本主義的なルールをその社会に根付かせてきた。

欧州のような自国に移民を入れて、生産高を増やすやり方では、社会の分断が起きてしまう。

日本は、これからサービス業の人員不足から移民を入れる必要があるが、全人口の10%程度で止めておくことである。それと、イスラム系移民入れないことが重要である。日本文化とあまりにも違いが大きいからだ。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年10月23日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Anas-Mohammed / Shutterstock.com

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