紅白で圧巻のパフォーマンスを見せたYOASOBI。YouTube楽曲再生数で世界一となった「アイドル」に使われている“ヨナ抜き音階”という手法をご存じでしょうか? 無料メルマガ「右肩下がりの時代だからこそ、人の裏行く考えを【平成進化論】」の著者である鮒谷周史さんが、ご自身も知らなかったという音階の秘密について紹介しています。
YOASOBIの「アイドル」に使われている、ヨナ抜き音階
引き続き、日課のNHKプラスとNHKオンデマンドで各番組を徘徊中。
つねにメモを片手に視聴しているのですが、気づき、からのメモる機会が多すぎてアウトプットがまるで間に合わない、のが、目下の悩み。
そんな毎日を過ごしていますが、今号では先日放映された<NHKスペシャル 世界に響く歌 日韓POPS新時代>を見て、考えたことを。
NHKスペシャルは毎度欠かさず見ていますが、今回は「世界に響く歌 日韓POPS新時代」というタイトルに、どうもテンションが上がらず、スルーしようかとも一瞬、思いました。
ただ、番組案内を読んでみると「YOASOBI」が取り上げられるみたいで、紅白での圧巻パフォーマンスが記憶に蘇ってきたので視聴することに。
番組中で、YOASOBIの「アイドル」が世界一を獲得するまでに売れた理由を、音楽プロデューサーが考察していて、曰く「アイドルは『ヨナ抜き音階』の楽曲で、それはすなわち和の音階」というような話をされていたんですよね。
私(鮒谷)は、その方面の知識がまるでなく、「ヨナ抜き音階」なんて言葉も初めて聞いたので「なんぞそれ!?」と思いました。(常識なんですかね??)
番組では、無知で不勉強な私(鮒谷)などにも分かるように、丁寧に「ヨナ抜き音階」の説明をしてくれていたのですが、要するに「四七抜き音階」のことで、「ドレミファソラシド」の4つ目の「ファ」と7つ目の「シ」を除いた5音階、つまり「ドレミソラ」だけで構成されている音階だそうです。
手元のスマホアプリを使って、この5音階だけを用いて適当に鍵盤を叩いてみたら、たしかに「和な感じ」のメロディが作れました。えらいもんですね(感動)。
さらに、その音楽評論家さんが言われるには、坂本九さんの「上を向いて歩こう」もヨナ抜き音階での楽曲だということ。
これらの5音を用いてのコードワーク、リズムワーク次第で、古くならず、洗練された雰囲気をもたらす、なんてことも言われていました。
ヨナ抜き音階の楽曲、調べてみれば他にもいろいろあるみたいでした。
たとえば童謡なんかでは
▼カモメの水兵さん
▼うみ
▼こいのぼり
▼お正月
▼赤とんぼ
▼蛍の光
演歌でも
▼北国の春
▼夢追い酒
▼リンゴ追分
▼箱根八里の半次郎
など、たくさんあるそうです。
現代の楽曲でも結構つかわれているみたいで
▼千本桜
▼夏祭り
▼にんじゃりばんばん
▼つけまつける
▼恋するフォーチュンクッキー
▼恋
などなど。
「ヨナ抜き音階」という言葉も概念も知らなかった私(鮒谷)は、もちろん楽曲を聞いても、そうした「構造」が今の今まで見えませんでしたが、音楽に詳しい人であれば、きっと曲を聞いただけで「これはヨナ抜きや!」とか分かるんでしょうね(多分)。
さらに、曲を作る人であれば、「今回はヨナ抜きでいっとこか!」とか思うんですかね(適当)。
いずれにしても、構造とか背景とかメカニズムを知らねば絶対に見えなかった世界が、構造を捉えらることによって初めて認識できるようになる、その一つの典型事例じゃないか、とこの番組を見て思ったわけですよ。
こうしたことは、音楽の世界に限らず、あらゆる世界において言えるわけで、どうせながら構造を理解し、より深く世界を捉えられたほうが、人生も楽しくなるでしょうし、能動的に仕掛けることもできそうだし、落とし穴にハマる危険の回避にも役立ちそうです。
そんなことを<NHKスペシャル 世界に響く歌 日韓POPS新時代>を見て、考えた次第です。
どこにでも学びと気づきのネタが落ちているものですね。
「日韓POPS新時代」のタイトルだけ見てうっかりスルーとかしなくてよかったです。
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