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もはや時間の問題。解体しても結局は自民党内に「派閥」が再びできてしまうワケ

パーティー券収入のキックバックに端を発する政治資金問題を巡り、次々と解散に追い込まれた自民党内派閥。彼らはこのまま、「派閥政治」と決別できるのでしょうか。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、そもそも派閥とはどのようなものなのかについて解説。その上で、「派閥はかならず復活する」としてそう判断せざるを得ない理由を詳説しています。

次期総選挙の前後か。かならず復活する自民党派閥

メルマガ主催の宇田川敬介です。

今年も様々な内容にして、少し違う観点から様々な内容を見てみたいと思います。

普段のブログとは全く関係なく、少し柔らかい内容で見てみたり、国民の慣習のことなどを見てみたいと思っております。

これからもよろしくお付き合いください

今回は「派閥解散後に出てくる『ネオ族議員』と『ネオ派閥』』と題して、派閥を解消した後の自民党に関してみてみたいと思います。

まだ解消したばかりで先の予想をするのは時期尚早かもしれませんが、しかし、すでに過去に自民党は一度派閥の解消をしております。

しかし今日「派閥を解消する」ということが注目されているのです。

そこで今回は派閥ということに関して根本的に学び、そしてその内容を見てゆくということになるのではないかと思います。

なお、今回の内容は、有料メールマガジン『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』とオンラインサロン「陰謀渦巻く世界情勢の中であなたが生き残る方法」の同時掲載にします。

それは、この問題が他のマスコミではあまり書いていないことと、同時にその内容がかなり重要でありこれからの政治の流れに非常に影響を及ぼす内容になると思います。

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そもそも派閥とは「政策ごとの集団」

そもそも派閥とは、「政策研究会」ということになります。

何か政策を行う場合には、様々なやり方がありまたさまざまな考え方があります。

基本的には日本という国家をよい方向にススメ発展させるということになるのですが、しかし「何が善い方向なのか」「どうやって進めるのか」「どれくらい発展させるのか」そして「どの方法を優先するのか」ということが重要になるのです。

例えて言えば、東京から大阪に行くということだと思ってください。

その場合、まず「大阪に行くことは本当に良いことなのか」ということが重要になります。

大阪に行くことがよいのか、大阪でなくてもよいのか、東京にいたままでヴァーチャルで体験してもよいかもしれません。

また大阪に行くにしても、新幹線で行くのか飛行機で行くのか、バスなのかというようその方法はたくさんありますし、また大阪に何時につくのかということも重要になります。

それは「大阪に行って何をするのか」ということが問題になりますから、その事の価値観や何を優先するのかということが重要になります。

その目的によっては江戸時代を体験するとして歩きや馬で行くというような話もあるのです。

このように単純に「よい方向」つまり「大阪に行く」といっても、その目的やその価値観、そして、その内容に関してすべてが変わってくるということになります。

それと同じで、政治に関してもどのようにするにか、どうやってやるのか、そもそもその方向が正しいのかということも全くわからない状態になります。

そのようなことで「大まかな部分」で各政党に分かれるということになるのですが、しかし、自民党のように大きくなると「大きな方向性は一緒でも、その方法論までは異なる」という形になります。

その意味で「政党」の中に派閥ができることになるのです。

その政党ごとの大きな内容に関しては、党の綱領に書いてあります。

しかし、綱領の通りにならなかったり、昔の民主党のように、綱領そのものがなかったりというようなところもあるのです。

自民党の場合は「自主憲法の制定」ということが一つになっていますが、しかし、その内容がどのような憲法なのか、また、そして何をどのように考えてゆくのか。

その様な意味で、自民党の中でも政策の考え方は変わってくるということになるのです。

その政策に関して様々に変わってくるということになります。

昔の中選挙区制の時には、一つの選挙区に自民党の議員が複数立候補するということもありましたので、その意味で政策が異なるということがあったのです。

そしてその政策ごとに政策研究会が発足し、そしてその政策研究会がそのまま派閥になったということになります。

つまり「派閥」などといいますが、しかし、それは「政策ごとの集団」であるということになるのです。

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自民党に派閥がない方が不自然

1993年、現在の岸田派と同じ宏池会の宮澤喜一内閣で自民党が下野し日本新党の細川護熙内閣ができた時に、自民党は派閥の解消を行うということを決めました。河野洋平総裁の時になります。

この時は「小選挙区制になるので、有権者は政党を選ぶのであって、自民党の中に派閥は必要ない」というのが建前であったと記憶しています。

もちろん、当時は宮澤喜一首相本人がリクルート事件での株の取引に名前を連ねていたことなどがあり、そのことから、「政治と金」というような話になっていたにもかかわらず、なぜか派閥解消というような話になったのです。

何か今回と似ている展開ですね。

しかし、結局は「政治と金の問題」であるというだけではなく、必要以上に小沢一郎氏と小選挙区制と政治改革に固執する事から、自民党何もそのやり方に反発する人々が出てきます。

そのことから、結局「河野改革に賛成か反対か」ということになり、その内容で派閥が出来上がるのです。

もちろんそこに反対であるからといって党を割って出るというような選択肢もあるかもしれませんがそのような派内をしないということになります。

そして、河野氏の次の総裁選において、派閥ができるということになるのです。

自民党に限らず、総裁選挙や代表選挙というのは、政策を主張し同好の士を集めるという作業になります。

ある意味で共感を集めるという事でもありますが、そのことが仲間ができているということになります。

皆さんも、例えば高校時代の学生会の会長や何かの実行委員会、もっと少ない内容でクラスの委員長などを選ぶのでも、全会一致でない限り、何らかの派閥ができます。

当然に数十人の中でもその集団ができ、そしてその中に様々な考えた個人的な感情が出てくるということになるのです。

当然に自民党のように議員だけでも400人もの集団でその様な派閥がない方がおかしいということになります。

そのようにして派閥がまた復活します。

1994年以降30年でまた派閥解消というような話になったのです。

格言で人が3人いれば派閥ができるといわれています。

ある程度の大きな集団になれば、当然に個人的な感情や好き嫌いが出てきますので、派閥ができるものです。

政権をとった民主党でも代表選をするたびに派閥(彼らはグループといっていましたが)ができたのです。

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かならず登場してくる「ネオ派閥」

さて、今回派閥を解消しても一つの集団にしたところで結局は派閥が出てきます。

マスコミが様々なことを言いますが結局はまた人が集団であるだけでそのままになります。

つまり、また派閥ができるということになるのです。

さて、集団である以上はまた小集団が出来上がるということになります。それはそれが人間だからです。

ところで派閥は1993年に小選挙区制では政策の違いは関係がなくなるからという理由で解消したはずでした。

しかし、派閥はその後また出てきました。それは総裁選などに必要になるのです。

その様な意味でこの二つの派閥の内容を考えてみましょう。

中選挙区制の時代の派閥(旧派閥と言いましょう)は、もちろん自民党の総裁選において自分たちの政策を実現できる総裁をつける、つまり自民党=政権をそのまま自分たちの考え方で動かしたいということにつながりました。

その様な意味で中選挙区の中で一人でも多く同じ派閥から当選を果たし派閥を大きくすることが、政治を自分達の考え方で動かせる内容になります。

一方、小選挙区制時代の派閥(新派閥と言いましょう)は、そもそも小選挙区に自民党からは一人しか立候補しませんから、選挙区における派閥の争いはなくなりますが、しかし選挙区に立候補するための「公認争い」が出てくることになります。

その様な意味で「党内の力学」が必要になってくることになるのです。

そのうえ、「比例代表」になれば、名簿順位が大きくなりましたので、その内容になります。

その様な意味で、派閥は「公に選挙の中で派閥が争う」のではなく、「党内の手続きで派閥が取引する」という形になったのです。

このように考えれば、河野洋平のやった派閥の解消は透明化に逆行させたということになります。

同時に党内のやり取りは金でも動きますので、金銭が必要になってくるということになるのです。

単純に、その内容がまさに今の金銭の使い道であるということになるのではないでしょうか。

さてそのように考えれば、今後も小選挙区制が続く限り「派閥」はできるということになります。

つまり、派閥として公認の権利を持つようにならなければ、自分たちが滅びてしまうということになるのです。

一方、現職はそのままになるしまたそのように、政党か公認をもらわなくても、自力でしっかりと当選できる人は必要ないということになります。

ある意味で政策集団であるということではないので、是々非々で政治を行えばよいというような感じになります。

その様な意味から、新派閥の中においては、その様な公認争いが中心にありそしてその為の集金システムでありまた自民党の党内の圧力団体ということになるので、無所属議員も増えてくるということになるのです。

その様に考えた場合、今後「党内の公認システムや総裁選挙ということがなくならない限り」党内の派閥はなくならないということになります。

これは許認可システムがなくならない限り族議員がなくならないのと同じことになりますし、また人間味のある政治があるのであれば、当然に好き嫌いがあるので、集団ができるのは当然であるということになるのです。

逆に「派閥や党がない方がおかしい政治である」ということになるのです。

まさにこれからネオ派閥が出てくると言ことになります。

そして今回の内容から見れば、また新たな族議員が出てくるということになるのではないでしょうか。

要するに政治とはそういうものでありますし、また、政治の圧力で世の中のシステムが変わるということになれば、そのままその様な感じになるのです。

以前のような族議員ではなく、これがネオ族議員になりまた派閥も新たな「ネオ派閥」ができることになります。

だいたい今年の9月、次の総裁選挙の時にそのような内容が出てくるでしょう。そしてその内容が族議員を中心に物事ができてくるということになります。

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議員は映画や演劇と同じ「政治」という舞台における役者

政治は、映画や演劇と同じだと思ってください。

議員は役者です。

ある意味で監督や演出家の演出で動き、そして脚本家の言うとおりに話します。

その監督にあたるものが派閥の領袖であったりまたはブレーンといわれる人々になりますし、また、脚本家は「代書屋」や「スピーチライター」ということになります。

そして演劇をするのは、スポンサーが必要になります。これが献金元ということになるのでしょう。

政治家のかとは、この集合体の価値で、そしてその主役(座長)が評価されるということになるのです。

その様に考えた場合、今のマスコミにように政治家一人をやり玉に挙げても意味がありません。

単純に考えれば、これらの集合体がどのようになっているかということを考えるべきでしょう。

そしてこの集団が完全に解体しない限りにおいて派閥はなくなりませんし、また、ネオ派閥はまた出来上がるということになります。

それが政治なのです。

(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2024年1月29日号より一部抜粋。続きはご登録の上、お楽しみください。初月無料です)

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