販売員は自己紹介をすべきか、否か? 今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、接客のロープレコンテストを見ていて気にかかった、販売員の「自己紹介」について語っています。
販売員は「自己紹介」をすべきか?
昨日SC接客ロープレコンテストを見ていて、非常に気にかかったことがあります。
スタッフの方で、自己紹介をする人が非常に多かったという点です。
昨年大賞になった方が自己紹介をしていてそれが評価されたということもあって、今年は地区大会の時点でかなり自己紹介が増えた印象がありました。
昨日の全国大会でも同様に多くて、これが個人的には気がかりなのです。
もちろん出場者の方々を否定する気はさらさらなくて、出ていた方々が真剣に練習に取り組んできたからこそ、起こったことでもあります。
それ自体は素晴らしいことです。
ただ誰かが言わないといけないことでもあるでしょうから、あえて書いています。
僕は以前に書いた書籍の中でも、「自己紹介はどんどんしていこう」といったことを言ってきました。
スタッフとしてお客様に名前を覚えてもらい顧客化に繋げるという点でも、自己紹介はしていく方が良いのです。
ただそれは店や状況にもよります。
この状況判断をせずに、「自己紹介をすること」が目的になるとおかしなことになってしまいます。
例えば、自己紹介をすることがお客様にとってメリットになるのならやるべきです。
「社内でこういう立場にいる」「こういう資格を持っている」など、自己紹介に合わせてお客様が「この人なら安心して任せられそう」と思えるような何かがあるならやるべき。
靴屋などで言うと、「シューフィッターの資格を持っている」とわかればお客様も安心しやすいでしょう。
ランニングシューズを売っていて、「フルマラソンをよく走っている」という自己紹介があるなら、それもやはり効果的だと言えます。
一方で、そうしたメリットもなく、また価格帯的にもそこまで接客をしっかりやるような店でない場合は、下手な自己紹介はかえって逆効果です。
何気なく入った店で、早々に「私は〇〇です。よろしくお願いします」なんて言われたら、お客様からすると圧が強すぎて「もう逃げられない」と思ってしまうこと間違いなしです。
こうなると、よほど良い接客でもしない限りは恐怖の方が強くなる。
だったらやらない方がマシですよね。
結局は何のためにやるか、なのです。
それを無視して、手段が目的にすり替わってしまうとやっぱりおかしくなります。
自己紹介はわかりやすく出ていただけの話で、いろんな要素に同じことが言えます。
お客様のニーズを聞くために質問をするわけで、質問をするために質問をするのではありません。
商品の魅力をちゃんと知ってもらうために商品説明をするわけで、商品説明をするために商品説明をするわけでもありません。
くれぐれもここがすり替わらないように気をつけたいですね。
今日の質問&トレーニングです。
1)あなたが自己紹介をすることで、お客様にはどんなメリットがありますか?
2)もしメリットが思いつかない場合、どのタイミングで自己紹介をすれば、メリットを生み出すことができますか?
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