夢を次々と実現してゆく人と、いつまで経っても夢が夢でしかない状況が続く人。両者の間にはどのような違いがあるのでしょうか。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』では、「5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」の石川さんが、夢を夢で終わらせないために設定しノートに書き出すべき「4つの要素」を紹介。自身が税理士試験に短期合格を果たした際のエピソードを交えつつ、4つの要素がいかに人を動かす力となるかを解説しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:夢が夢のままで終わってしまう人の共通点
夢が夢のままで終わってしまう人の共通点
せっかく夢に向かって動き出したのに途中で挫折する人もいます。逆にどんどん夢を叶える人がいるのも事実。
その差はなんなのでしょうか。
実は、誰でも出来るのにほとんどの人がやっていない目標設定のやり方に秘密があるのです。
夢が夢のままで終わってしまう人の主な原因は、目標しかないからです。
例えば「痩せたい!」というのは目標でしかありません。ただ漠然とやせたいと思っているだけでは、お酒を飲みに誘われると簡単について行き、ストレスが溜まるとラーメンに半ライスをつけ、ランチで友人がデザートを頼むと自分もつられて注文してしまいます。
「なんて自分は、意思が弱いんだろう」と悲観する必要はありません。
意志が弱いのではなく、目標しかないのが原因だからです。
「痩せたい」という目標だけでなく「なぜ自分がやりたいのか」という理由がセットにならないと続きません。もっと詳しくいえば、「すぐやり続けられない」ということです。
理由の例を出すと「好きな人と一緒に海に行くから、それまでに引き締まった身体になりたい!」「20年ぶりに同窓会があるから、若く見られたい!」といったように、動機付けになれば何でも構いません。理由がなければ誘惑に負け、食事制限や運動をサボってしまいます。
仮に痩せたい理由が「健康診断でメタボリックシンドロームと判定され、その他の数値も年々悪くなっている。まだ小さい子どものためにも、健康維持して頑張らなければならない」だとしましょう。しかし実は、理由だけでは難しいのです。
以前、何かで「夢に日付をつけると予定になる」と聞きましたが、まさにその通り。期限がないと夢は夢のままで終わってしまいます。
痩せたい、試験に合格したい、外資系の会社に転職したい、独立して経営者になりたい…、どれも「いつまでに」という期限がないと、それは夢のままなのです。
夢を叶えるためには、期限をつけなければなりません。
先の例なら「来年の7月13日に行われる健康診断までに」というように期限を決めます。
期限は人を燃えさせます。さらに期限までを具体的な数字も盛り込んで、計画を立てます。
7月13日の健康診断までに残り8ヶ月。最初の月は3kg、それ以降は1kgずつ体重を落として10kg痩せる。そのためには1日8,000歩ウォーキングをして、縄跳びを100回、腕立て伏せを30回。食事は1日2,000kcal以内に抑えて、金曜日はヨガ教室に行く。
このように具体的な数字に落とし込む。夢を実現させるためには、目標、理由、期限、具体的数値、この4つが必要なのです。ひとつでも欠けていたら、せっかく動き出しても三日坊主で終わってしまう可能性が高くなります。この4つをノートに書き出してみましょう。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
私が税理士試験に合格したときは、この4つが揃っていました。通っていた高校は偏差値30の受験さえすれば全員が合格する高校。大学は名前さえ書けば受かる夜間の定時制、しかも留年……(どちらも当時です)。
そんな私でも就職できたのは、バブル景気の真っ只中だったからです。しかし、その会社は今でいうブラック企業。小さな建設会社で経理に配属された私は、簿記の知識がゼロだったため、叱られ、怒鳴られる日々を過ごしていました。
この建設会社は財閥系の子会社ですが、社長はもちろん、取締役も親会社からの出向でした。残りの役員も県や市や警察のOBの天下り。加えて古い時代の建設会社だったため、目に見えない序列があり、いや、正直、目に見えて序列がありました。現場が1番、営業が2番、積算、企画、広報と続いて、最下位層に男性事務。
「誰のおかげで、飯が食えると思っているんだ!」
「事務はいいよな~。クーラーがあるところで仕事ができて」
「現場は朝から晩まで働いているんだから、お前も朝から晩まで会社にいるよ」
様々な心ない罵声を浴び続けました。
部署内でも怒鳴られ、プライドを散々傷つけられ、出世の道も閉ざされている三重苦の会社で毎日を過ごしていました。
工事部長が紛失した携帯電話を2kmの道のりを歩いて探し回ったり、後輩で年下の現場担当者にお茶を入れ続ける毎日。
休日に上司の犬の世話をしていたとき、心の中で何かが壊れました。そして退職を決意。
しかし、年功序列、終身雇用の時代、転職はまだまだネガティブなイメージがあり、独立しないと厳しい状況でした。
経理系の仕事で独立する方法といえば税理士。税理士にならないと人生は終わる。そんな背水の陣で挑みました。税理士になって会社を退職し、人生を逆転させるという明確な目標が生まれたのです。
そして「期限」を決め、「具体的数字」に落とし込む。来年の8月の税理士試験までに科目合格する。そのためには、月に問題集20ページ、過去問1回解き直し、模擬試験2回転など具体的な数字で計画を立て、偏差値30の全員合格の高校を卒業した私が税理士試験に合格することができたのです。
目標、理由、期限、具体的数字が、あなたの夢を実現させます!
そしてこの4つがあなたを動かす原動力になるのです。
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