あなたはカーフェリーに乗ったことがありますか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、以前の「雑魚寝」で「うるさく」「食べるものも粗末」な船の旅とは大違いな、現在のカーフェリーの魅力について語っています。
劇的進化!「カーフェリーの旅」が再注目されている理由。
船の旅と言えば、どんな時間を想像するでしょうか。
のんびり、ゆったり、エンターテインメントあり、食事はオールインクルーシブ、洗練された客室……。
豪華客船でのクルージングを思い浮かべた方は、船の旅は快適なものだと認識されています。
しかし、カーフェリーを思い出し、安いけれど時間が掛かる、退屈だ、食べるものも粗末、我慢するしかない。
そんな印象が浮かんだ人は、好んで船の旅を選ぶことはありません。
安さだけで利用する人の多くは、船底に近い、機械音のうるさい大広間のような客室を選びます。
知らない人がすぐ横にいて、“雑魚寝”をするのが当然です。
ぐっすり眠ることは、諦めていました。
ところが、その認識はいまや間違いであり、時代遅れだと言われてしまいます。
いま、カーフェリーは大きな変貌を遂げています。
利用客の低下を改善すべく、お客さま目線のサービスを探求し、より快適な旅の提供を目指すようになりました。
数年前からは新造船も増え、まるで豪華客船のような空間となっています。
雑魚寝をする客室は無くなり、個室が増え、バイキングレストランを備えていたりします。
こうした努力により、利用客は増え、カーフェリー復活と言えるようになりました。
その事例として、2022年4月に就航した、宮崎カーフェリー「たかちほ」をご紹介します。
神戸・宮崎間を夜出港して朝到着する、13時間30分ほどの航路です。
約1万4千トン、約194m×27.6m。定員576名、トラック163台、乗用車81台積載可能。
従来と比べて大型化しており、利用者拡大を想定しています。
もっとも違うところは、宿泊スペースがほぼ個室になっているということ。
1~4人は完全個室。
大人数なら、カーテンで仕切る2段ベッドが並ぶ「ドミトリー」。
1人分ずつ小さな仕切りのある「ツーリスト(大部屋)」は、15人部屋が2つあるのみ。
お金のある人以外には、決して快適ではなかったフェリーの旅が、まるでホテルのように生まれ変わったのです。
客室に限らず、乗船客の利便性・快適性を追求した、施設・サービスの充実も図られています。
完全個室にはテレビが設置されており、2~4人部屋には浴室も備わっています。
貴重品ロッカーもあり。
大浴場やシャワールーム、パウダールーム、ショップ、イベントスペース、ラウンジ、キッズコーナー、ベビールーム、ゲームコーナー、展望サロン、展望デッキ、自販機コーナーまであります。
自販機コーナーでは、冷凍食品も販売されており、レンジが設置されています。
また、ペットと一緒に泊まることのできる部屋もあれば、ペットを預けることのできるペットルームもあります。
珍しいサービスとしては、宮崎がサーフィンの盛んなところなので、サーフボードを預けるロッカーもあります。
乗船客にもっとも人気があるのは、バイキングレストランです。
これまでのカーフェリーでは、軽食程度しか用意されていなかったので、バイキングを楽しめるのは、大きな魅力となります。
バイキングがあるから、フェリーを選ぶという人もたくさんいます。
安い移動手段でしかなかったフェリーが、ホテルのようなサービスを提供し、快適な船の旅を約束しているのです。
2024年物流問題によって、トラックのフェリー回帰もみられます。
これにより、ドライバーの息抜き・楽しみが増えているのではないでしょうか。
カーフェリーの旅は、新たな旅のスタイルとして、定着するものと確信します。
image by: Shutterstock.com