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会社で起こる不思議な現象。なぜ仕事が集中する有能な“忙しい人”の方が“暇にしている人”よりも伝えるスピードが早いのか

あらゆるビジネスシーンで重視される高いコミュニケーション能力。物事を正確かつスピード感を持って伝えることは、生産性が求められる時代にあって必須のスキルと言っても過言ではありません。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』では「5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」の石川さんが、そんな能力を身につけるために必要な心がけを紹介。さらに忙しい人と暇な人の伝える速度の違いを例に上げつつ、「先延ばし」をやめるメリットを解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「もう明日はない」という気持ちが、今すぐ伝える力になる

「もう明日はない」という気持ちが、今すぐ伝える力になる

AI時代、能力主義になると生き残っていくためには、コミュニケーション能力が必要です。とくに必要なのは伝える力。正確に、しかも速く伝える必要があります。

私は税理士試験に挑戦しているとき、「背水の陣」を敷きました。半紙に筆で「背水の陣」と書いて、壁に貼っていたぐらいです。

当初は働きながら勉強していましたが、途中から会社を辞めて勉強に専念しました。

無職になったことで将来に不安を感じていました。妻とふたりでアパートで暮らしていましたが、家賃や国民健康保険、自動車の維持費などで毎月25万円が銀行口座から消えていきます。4カ月で100万円(25万円×4カ月)、1年で300万円が消えていくのは恐怖でしかありません。貯めるのは大変だったのに、なくなるのは一瞬です。

このまま受からなければ、夫婦ふたりで路頭に迷う、いや正確にはお腹のなかに赤ちゃんもいたため親子3人が路頭に迷ってしまう。その恐怖や不安で眠れない日もありました。こんな状況で勉強していたため、飲み会の誘いも断り、冠婚葬祭も行かずに、ひたすら勉強に打ち込みました。

背水の陣を敷くとどうなるか?税理士試験を受かることに、すべての時間を使うようになります。

背水の陣を敷くことで、24時間を税理士試験に受かることだけを考えるようになりました。

伝えるときも同じで、「動けない!」と感じていたら、自分を追い込んでみてください。背水の陣を敷いてみてください。動けないのは切迫していないからかもしれません。自分を追い込むことで、動けるようになります。

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忙しい人のほうが、なぜ伝えるのが速いのか?

仕事が速い人は、忙しい。

会社では有能な人に仕事が集まります。そのためできるビジネスパーソンは必然的に忙しくなります。そして、不思議な現象が起こります。

忙しい人のほうが、暇にしている人より伝えるのが速い。

例えば、メールの返信。忙しい人は、開いて読んだら、その場で返す。今ここで返信しなければ、次はいつ返信できるかわからないからです。次々と仕事をこなすために、メールを開いたなら読み、その瞬間に返し、その仕事を終わらせる必要があるのです。

一方、暇な人は、いつ返してもいいと思い、面倒なメールは先延ばし。何度も日を改めて、そのたびに何度も読み返し、やっと返信します。いつでも返せると思っているので、文章を作成せず返信も遅いのです。忙しい人より、2倍も3倍も時間がかかります。

仕事は、「忙しい人に頼め」といいます。忙しいので、この時間にしかできないという気持ちになります。面倒な相手にでもすぐに連絡します。時間がないので期限があります。期限は人を集中させます。

暇な人は時間に余裕があるので、面倒な相手だから伝えるのはイヤだな、明日でもいいかな、明日になったらまた明日と、伝えることを先延ばしにします。

「先延ばし」をやめる

いち速く報告や提出をすることで、多少クオリティが低くても、受け取る相手は、そのスピードに驚きます。感動すら覚える人もいます。仮に、修正点があっても「こことここを直しておいて」と、修正箇所が見つかり、そこを直せばその仕事は終わります。

暇な人は、遅くなるデメリットを知りません。時間が経ち、よりクオリティの高いものを作らなければ提出できなくなり、また遅くなるという悪循環。期限ギリギリになって提出し、方向性も違っているのでやり直し。「遅くなって申し訳ありません」という言い訳の文章を考えるのにまた時間がかかります。いかに速く伝えるかによって、仕事は片づき、生産性も上がっていくのです。

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image by: Shutterstock.com

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【著者】 石川和男 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2木曜日・第4木曜日

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