いま、日本のお隣・中国では、自動車産業が急成長を遂げています。それを象徴する数字が発表されています、なんと「1ヶ月で新車・新型車が40種類以上」と、異常なまでの発表数となっているのです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、この中国自動車市場がチキンレースの様相を帯びてきた現状について、詳しくレポートしています。
1ヶ月の新車・新型車が50車種も? チキンレース化する中国市場
2024年9月、中国の新車、モデルチェンジなどの総数が40車種以上となり、50車種に近づいた。
大型のモーターショーがあった場合に、この規模になるかどうか、という程度で、体感、毎日のように何らかのモデルが発表されるように感じる中国でもここまで多いのは珍しい。
ざっと数えてみたところ、20車種が完全な新車。
その中にはいくつか注目に値する新車もなくはないが、さすがに中国現地でもあきれる声も出始めている。
車種多すぎ、買い手不在
9月の本格的な秋の到来、天候の良好さも手伝い、10月とともに消費が活発する「金九銀十」という言葉が中国にはある。
確かに毎年、9月以降に中国の新車販売は伸び始めることが多い。
各社は間違いなくこのタイミングに合わせて、多くの新車、モデルチェンジを発表している。それがマーケティング的にも効果が最も大きい、というのは理解できる。
しかし実際には、中国の自動車市場は間違いなく競争が日に日に悪化しており、自動車のラインナップは多いが、買い手は少ない、という状況になっている。
5ヶ月連続マイナス成長
中国の新車販売データによれば、もうすでに5ヶ月連続で前年同月比マイナス成長となっている。
中央政府初め、地方政府でも盛んに自動車購入促進策が打ち出されているにもかかわらず、だ。
もしそれがなかったら、もしかすると中国の自動車市場はとんでもない冷え込みになっていたかもしれない。
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不動産不況は有利?
さすがにこの9月は6ヶ月ぶりに前年同月比プラス成長になりそうだが、それでも市場が弱含んでいることは間違いない。
一部には、長引く不動産不況が、逆にお金の使い道としての自動車に回るのでは、という観測も中国現地にはある。
しかし根幹である不動産市況が思わしくないのであれば、普通に考えて、消費を控えようとするだろうし、そうしたデータも出始めている。
成功はごくわずか
この9月に発表された50車種に迫る新車、新型車の中で、脚光を浴びることになるのはごくごくわずかだろうと推測されている。
圧倒的多数は華々しく発表された後、市場の中に埋もれていく、と考えられている。
しかし一方で、ここに参加しなければ、成長の芽もないのも間違いない。
かなりなキチンレースだが、こうした取り組みが、産業の上下流チェーンに与える、ボディブローのように蓄積される「痛み」に警鐘を鳴らす声も聞こえる。
日系も参戦しているが
この50車種に迫る新車、新型車の中にはもちろん、トヨタやホンダ、日産など日系車も存在する。
ガソリン車、HEVはダメだ、新エネルギー車(NEV)だ、というのにもすでに変化が見え始めている中国。
NEVでも勝ち負けがはっきりしすぎており、新規かそれに近い形で参入しようと思えば、小米(シャオミ)のようなインパクトがなければ無理。
ただし、シャオミが例外だっただけ、という見方もある。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202409/23I70405863C501.shtml
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
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