アメリカ大統領選もいよいよ終盤。トランプ前大統領の言いたい放題が止まりません。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、日本も無関係ではいられない、朝鮮半島に関する発言をまとめています。
止まないトランプ砲:守って欲しければカネ払え!
ぶっちゃけ、本音でしゃべるのが持ち味で、絶大な人気の源なのでしょうが、そこには品性のかけらも感じられないのがトランプ前大統領です。
大統領選挙は終盤戦ですが、相変わらず、言いたい放題のトランプ砲をぶっ放しています。
今週は朝鮮半島に関する発言で、物議を醸していますが、日本にも大いに関係する話です。
このところ、北朝鮮の金正恩総書記は韓国を「敵国」と位置づけるように憲法を改正し、その上で、韓国との間にある鉄道や道路を全て爆破したりして遮断しました。
しかも、ロシアのプーチン大統領からの要請を受けてのことでしょうが、北朝鮮の兵士を少なくとも1万人ほどウクライナとの国境線地帯に派遣しています。
ロシア軍の指導の下、ウクライナでの戦闘を通じて、将来の韓国との戦争に必要な実戦的な体験を得ようとしているとしか思えません。
既にウクライナとの戦闘で命を失った北朝鮮の兵士も相当数いるようです。
そこまでロシアに肩入れする金正恩総書記の狙いは明らかでしょう。
本人が度々演説で述べているように、「韓国を地上から抹消する」ために戦いを想定しているに違いありません。
当然のことながら、韓国も座して死を待つことはあり得ない話。
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在韓米軍兵士は4万人ほどですが、更なる増員や装備の拡充を進めています。
その状況を「待ってたぜ!俺に任せろ」とばかり、口先介入してきたのがトランプ氏です。
これまで金正恩氏とは「ラブレターを交換するほど親しい」と言いたい放題だったトランプ氏ですが、「北朝鮮は何をしでかすか分からない。危険な兆候がある。北は大量の核兵器を保有してるからな」と述べ、「アメリカが手助けしてやるから、カネを払えよ」と言い出しました。
しかも、その金額が半端ありません。
「在韓米軍の駐留維持費として年間100億ドルは最低限払ってもらう」。
実は、2週間前、韓国とアメリカは2026年の在韓米軍の駐留経費を11億3000万ドルと設定し、韓国政府が負担することで合意したばかりでした。
トランプ氏は何とその10倍ものカネを韓国に請求すると言うのです。
曰く「韓国は豊かになった。アメリカのお陰だ。韓国人は喜んでいる。その幸せを北朝鮮が潰しに来るかもしれない。だったら100億ドルくらいは安いもんさ」。
不動産王として経験を活かし、北朝鮮にもリゾート開発計画を売り込んでいるトランプ氏ですが、「取れるところから目いっぱい分捕る」というのがトランプ流なのでしょう。
要は、トランプ氏にとっては、敵も味方も関係ありません。
在日米軍の駐留経費についても、トランプ氏は少な過ぎる、日本はもっと払えると主張。
ぶっちゃけ、日米地位協定の見直しを画策している石破新首相にとっては手強い相手になるはずです。
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