「NHK紅白歌合戦」の出場アーティストが注目される時期がやってきました。ところが今年は、米津玄師、B’z、YOASOBI、NiziUなど人気アーティストの名前がありません。メディアでは、あのYOASOBIが、NiziUが紅白に落選!?と話題になっているようです。ですが、そもそもNHKは本当に今も「アーティストを選べる立場」にあるのでしょうか?実はこれらは「紅白つぶし」の動きかもしれないのです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが師走間近の芸能界を深読みします。
すでにNHK紅白歌合戦は“オワコン”の一歩手前
昨日『第75回NHK紅白歌合戦』の出場アーティストが発表されましたね。
週始めの『あさイチ』の鈴木奈穂子アナウンサーが、前髪をパッツン!と切ってきたので、私も“あ、そういえば火曜日の昼に…”と思っていました。
駆け出しの芸能記者の頃は、鬼デスクから「NHKホールに行って、何でもいいから何かネタを拾ってこい!」なんて脅かされたことも思い出しました。
発表直後、複数の後輩芸能記者たちから、今年の見どころを聞かれました。
私の正直な感想は、誰が出る出ないも多少は関係ありますが、やはり“番組史上初、視聴率が30%割れをするか否か”が注目ポイントだと思います。
ちなみに昨年は、断崖絶壁と言っていい31.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。
その挽回の手始めは、出場者リストを一目見た視聴者が「えぇっ!」と、いい意味で驚くか否かでしょう。
少し前、番組ファンの近所の“お嬢さん”から「今年のHiromi Goは何の2024紅白スペシャルバージョンをやってくるのかしら?」なんて聞かれました。
曲目の発表は、まだ1ヶ月ちょっと先だと思われますが、『2億4千万の瞳』とか『GOLDFINGER』でしょうか…それとも『男の子女の子』とか、渋く『言えないよ』とか?
出場して当然の米津玄師、B’z、YOASOBIがいないだって!?
今年の出場アーティストで私が強い違和感を覚えたのは、NHKの看板番組でテーマ曲を歌うアーティストがいなかったことでした。
例えば『虎に翼』の米津玄師、『おむすび』のB’z…。
大晦日にその年の朝ドラのテーマ曲を聞けば、それぞれの胸に1年間の出来事が走馬灯のように蘇ってくる…“あぁ、今年は〇〇な年だったな…”という1年を締めるにふさわしい楽曲だと思うのですが、まぁアーティストの“質”もあるので仕方ないところなのでしょうけれど。
個人的には、朝の連続テレビ小説のテーマ曲を担当するということは、イコール『紅白』への出場が“もれなく付いてくる”と思っていたので、米津やB’zがどんな形で登場し、どんなステージを見せてくれるのかという楽しみが消えてしまい、とても残念に思いました。
さらに私が違和感を抱いたのが、今年の最大のビッグ・イベントだった『パリ五輪』の、NHKのイメージ・ソングを歌ったYOASOBIの名前がなかったことです。
オリンピックがあった年は、胸にメダルを携えたオリンピアンたちがステージに並び、バック・スクリーンには当時の感動的なシーンが流れ、それを背景にイメージ・ソングを担当したアーティストが生で歌唱する…こんな企画が当たり前のようにあると思っていたのですが…。
落選ではなく出場拒否なのか?米津、YOASOBI、NiziUの共通点
芸能記者として見れば、米津、YOASOBIが共に『ソニー・ミュージック』なのがとても気になってしまいます。
他にも、5年連続出場が断たれたNiziUも同レーベルです。
芸能記者の職業病として勘繰り過ぎかもしれませんが、非常にきな臭くなってきた気がします。
ここ数年通り、本番までの間に、スペシャル・ビッグ・サプライズを今だ交渉中だと思われます。
今年はどんなアーティストが追加出場発表されるのか…行方を継続して見ていきたいと思います。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
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image by:VOGUE Taiwan, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons