営業利益率が42.3%。驚きのこの数字を叩き出したのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの支援先である「とあるケータリング企業」。堀部さんは今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、どうやってその状況を作り出すことができたのか、詳しく紹介しています。
営業利益率42.3%の衝撃
よく営業利益率が高い!みたいな時にある、
・役員報酬入ってないよね?
・本部経費入れてないよね?
・減価償却費入れてないよね?
など、ちょっとずるいPLもあると思います。ただ今回のご支援先はフルで全て入れた数字で、単月ではありますが営業利益率42.3%。
単月で「7,521,553円」の営業利益に。かなり効率の良い状況。
何故それができたのか? などを今日は見ていこうと思います。
■ビジネスモデルは?
法人・団体特化のケータリングです。設備としては建坪50坪程度。
三等立地を抑えられているので、坪家賃も1万円未満です。
■苦しかった時
コロナの時は本当に終わると思いました。
・売上は本当のゼロ
・ケータリングなので補助金などはゼロ
動きを止めればキャッシュアウトし続けるので、短期的なトレンドを必死にやられました。
・撤退も前提に唐揚げ専門店
・とりあえずゴーストレストラン
固定費を賄える分の売上を確保すべく、出来ることは進めていきました。
そしてコロナが収束した時に、選択と集中でその時の事業はクローズ。
ケータリングに専念できる状況にされました。
■顧客名簿数と年商が連動する
しかし数年間のブランクで
・企業様も幹事が変わってしまった
・そもそもケータリングって?
この辺りがゼロからのリスタートとなり、過去の顧客名簿が活かせない問題に直面しました。
しかしケータリングは利用頻度が低いモデル。年間平均利用回数は1.5回程度です。
となると、ちょこちょこ頑張っても売上自体を伸ばす事ができません。
その為、一気にお客様の絶対数を増やす。これに腹をくくれるか? がポイントでした。
■売上ないのに月広告費80万円
一気に事業規模を2億に戻していくには、月広告費80万円投下がポイントでした。
広告費 :800,000円
CPC :100円
クリック:8,000クリック
入電率 :0.3%
入電数 :24件
決定率 :80%
決定数 :20件
受注単価:450,000円
広告売上:9,000,000円
取り急ぎ、毎月上記の取り組みで新規様を増やし、そこから新たなリピーター様を増やしていく。
そうなると理論的には2億に戻すのは見えていました。でもこれってかなり勇気要りますよね。。
こけたら月80万円の広告費が無駄になる訳ですし。喧喧諤々議論をし、「よしやろう!」とされたこちらの社長さん・事業トップの方が凄いです。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■接客が差別化になると実感
上記をやる事によって有難い事に「入電数」は想定通り。
しかし。
そこから物凄く大変な問題がありました。
それはお客様も「ケータリングって何?」から始まるので、1件決まるのに10件以上のメールやり取りが必須という事。
毎月40案件くらいが今後の分も含めてやり取りが続く。それに対して10件以上のメールなので、400やり取りくらいあるという事。
これはめちゃくちゃ大変!! しかし、これは多分どこの企業でも出来ないなと。
言い換えれば、ここの差別化ができれば勝てる!と判断し、そこへの投資も強化されました。
■接客を差別化する為にやったこと
・初動は当日中に
・見積もりも当日中に
・コンセプトブックは競合よりも魅力的に
・メール返信は24時間以内
・やり取りが止まれば7日でフォロー
ここをやり切れる形に変更されました。その為、まずは顧客基盤のシステムを導入。
最初は「皆でフォロー」も考えましたが困難なので「CS部隊=お客様対応」を絞り込み、その上で上記をやり切る形に。
結果。
「他の企業さんメール返信とか全然なくって」
「他の企業さん融通何も効いてくれなくて」
このようなお困りごとを解決する事で、「決定数」もラグがありましたが目標を達成しました。
■商品の変化
また、商品としての変化もありました。
予算帯としては正直変わっておらず、ドリンク込みの税込5,500円くらいです。以前より数百円上がったくらいです。
昨年辺りは「個食カッププラン」が売れましたが、今は売上構成比率的に20%程度です。
残しても良いですが、製造効率はもちろん悪化するので、その手間賃は売価に乗せても問題ありませんでした。
また今すごく伸びているのが「一部ビーガン・ベジタリアン」の対応です。
全食全てがビーガンやベジタリアンの案件は海外案件くらいしかありません。
しかし「10名分だけ。。」みたいな形の一部ビーガン・ベジタリアン案件を見ると、全案件のうち50%がそれに占めていました。
そうなると、ここの強化をしないと「飽き」が来るなとそこのMDは強化。
ただ。
自分達でそのメニューを作ると、製造効率が著しく悪化してしまいます。
それが今は便利な時代、ちゃんとそれの仕入れサイトがあります。
その為、そのタイプの商品を仕入れ、最終の加工・味付けを自分達だけにする事で生産性をキープされましたーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年12月2日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com