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なぜ外食コンサルは「繁忙期に異常値を出せる店は年商が大きい」と言い切るのか?

飲食店によって異なる繁忙期と閑散期。これを見極めることで年間の売り上げが大きく変わってくると語るのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんは今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、同じブランドでも原価率に差異が出た事例を紹介、繁忙期と閑散期で注意することをあげています。

同ブランドなのに原価率に3.2%の差異がでた理由

繁忙期の大切さ

繁忙期はしっかりと売上を伸ばし切る。

多くのご支援先の店舗を見ることで確信的に感じていることがあります。

それは

「繁忙期に異常値を出せる店が年商が大きい」

この事実です。

昨今は繁忙期に内部環境を整えられず、伸ばしきれないお店が本当に多い状況。

しかしニーズがあるから繁忙期。ニーズがないから閑散期。

閑散期に頑張ったとしても費用対効果は悪く、ニーズがある繁忙期に伸ばし切れると、やはり年間売上は高まってきます。

そのため、ご支援先とも繁忙期前にはしっかり異常値を出せるか?を追っていました。

同時に大切な事も。

繁忙期のどんぶり勘定はダメ絶対!

ここでちゃんと儲けないと意味がない!特に売上が上がることでどんぶり勘定になってしまう企業さんが多いです。

売上が良い分、固定費比率は下がりますし、営業利益額ももちろん伸びます。

しかしここで在庫回転が良いはずなのに食材の管理が甘くて原価がブレると本当に大きな損失になります。

例えば今回の事例のご支援先は月商で1億円の会社さん、繁忙期なのでもっとですね。

計算しやすいように1億円だとして、2%ぶれてしまうと本来残る利益は更に200万円あった訳です。

そのため、繁忙期こそ在庫回転が良いので、原価率の低減を達成していきましょう。

同ブランドなのに原価率のブレ

12月に最高の利益率を達成するため、こちらのご支援先では9月辺りから原価率の細かい把握を進めていきました。

すると最も展開している同ブランドにて、原価率が最大で3.1%もぶれていました。

しかもこれが単発ではなく、継続してぶれやすい傾向にありました。

絶対に繁忙期前にこれを改善する!これが重要課題だった訳ですね。

ブレていた理由把握

専門業態なのに本来数字はブレ辛いはず。それにも関わらずかなりブレている。

最初は3つのロスを疑いました。

1.廃棄ロス
2.ポーションロス
3.理論原価ミス

1.廃棄ロスについて

何か捨ててるんじゃないか?また仮に捨ててなくても冷凍とかして、加工して適正売価で売れていないんじゃないか。

これを疑ったのですがどうやらそれは無し。そのため、これを追うのをやめました。

2.ポーションロスについて

ちょっとずつ大きく盛っているんじゃないか?ただここも店舗展開する上でちゃんとルールを作り、それをマネージャー陣が徹底して落とし込み。

そのため、細かく見れば少しあるかもしれませんが、そんなに大きなロスが出ないことがわかりました。

3.理論原価ロスについて

これは店別で1%程度のブレに繋がっていました。それは「野菜の高騰」ですね。

こちらは業態的に野菜の原価への影響はあり。その主要食材がこの繁忙期前から高騰。

しかも野菜の高騰の場合、
・小売りの方が安い
・卸の方が高い

このような逆転現象が生じています。

そのため、前者で購入する店は原価を抑え、後者で購入する店は原価が高くなる状況に。

そのためここは仕組みとして小口現金を解放し、毎週の仕入価格をブランド内でシェアする事で仕入れ価格の統一を進められました。

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ドリンクを適正に

3.1%のブレのうち1%は仕入れ部分で解決。残し2.1%の改善を狙う必要があります。

その中で一つ分かったのがドリンク。理由は2つありました。

1.ドリンクの価格が違う
2.1人辺り杯数が違う

1.ドリンクの価格が違う

これは本当に勿体無いケアレスミス。フードの売価変更は細かくやりますが、ドリンクは少し放置気味、

そのため、原価率が良い店はドリンクも適正価格化していたのですが、高い店は古い金額のままでした。
これは即時修正を行います。

2.1人辺り杯数が違う

これは接客におけるお代わりですよね。「お代わり必要なら言ってくださいね!」

これを徹底している店舗か、モバイルオーダーにただ依存する店舗か。

やはり前者の方が杯数が増えます。これを繁忙期前に知れて良かった!と捉え、11月中に徹底してロープレや教育を実施。

このドリンクだけで1.5%もの原価率の違いがありました。

確かにこちらのドリンクの理論原価率は19%。当たり前ですが19%の出数構成比率が高まれば原価率は下がるに決まっていますよね。

商品販売に意志があるか

交差原価率で分析した時に、スター商品を決めてそれを全員で訴求するのは大切です。

・食べて美味しい!
・粗利率が高い!
・客単価減にならない!

このような商品があればしっかり販売する。これってとても大切ですよね。

原価率が良いお店ではそれがお店の目標になっていました。

「総来店組数に対して50%以上販売する」が目標で、それを達成するための声かけなどを工夫されていました。

原価率が悪い店は特段オススメはなく、お客様が気になるものを受けるだけ。

やはり商品販売に意志がある方が粗利率はもちろん良くなります。

しかも数字だけでなくちゃんと美味しいので、満足度も高くなる傾向にあります。

面白かったのが原価率が低い店の方がーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年12月9日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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