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6週間の禁酒で驚きの効果。こんなにもあるアルコール摂取のリスク

糖質制限をしているにもかかわらず、体重が増えてしまったというメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』の読者さんは、脂肪肝があると言われたことをきっかけに禁酒を始めたそうです。メルマガ著者の糖尿病専門医の江部康二先生も驚いたその結果と、アルコールのリスクについて詳しく語っています。

禁酒と体重減少

メルマガ読者からの報告

糖質制限を継続していましたが、体重が増えてしまい悩んでいました。

最近では、BMI24.6(55歳 男性)でワイシャツもきつくなってきました。

たまたま、腹部のエコー検査を受ける機会があり、医師から脂肪肝があると言われました。

思い当たったのは酒なので、6週間禁酒しました。

6週間後には、BMIは23.3まで減少(体重は74.7キロ→70.9キロへ3.8キロ減です)しました。

体重にお酒がこれだけ影響しているとは考えもしませんでした。

まだまだ、道のりは遠いと思いますがBMI22を目指します。

江部先生からの回答

6週間の禁酒で、

身長:174.5cm

体重:74.7kg

BMI:24.5

から、

体重:70.9kg

BMI:23.3

に改善とは、素晴らしいです。

腹部エコー検査をすれば、脂肪肝は改善していると思います。

<アルコールの適量>

世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。

1杯はアルコール10-15グラムに相当します。

米国糖尿病学会は、アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としています。これは、

ビール(5%)なら600ml

ワイン(15%)なら200ml

ウイスキー(43%)なら70ml

焼酎(25%)なら120ml

糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml

に相当します。

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<アルコールのリスク>

国立がん研究センターのサイトに以下の記載があります。

アルコール飲料が食道がんのリスクであることは、世界中から報告されています。

国際がん研究機構(IARC)における評価では、アルコール飲料はヒトに対し発がん性があると結論づけられており、部位別には口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、乳がんのリスク要因とされています。

また、世界がん研究基金と米国がん研究協会(WCRF/AICR)が共同で発表している「がん予防のための食物・栄養などに関する勧告」の第二版(2007)でも、アルコールは食道がんの確実なリスク要因であると判定されています。

日本では、よく飲まれる酒の種類が欧米と異なること、日本人に多い食道がんのタイプ(扁平上皮がん)が欧米に多いタイプ(腺がん)と異なること、アルコールを飲んですぐ顔が赤くなるタイプの人が約半数いるという体質の違いがあることから、必ずしも欧米の結果が参考になるとは限りません。

今回、改めて、2010年1月までに報告された飲酒と食道がんリスクについて、日本人を対象とした疫学研究結果をまとめ、評価しました。

このテーマについて報告された疫学研究には、4つのコホート研究と9つの症例対照研究がありました。

それらを検討した結果、日本では、飲酒と食道がんリスクの関連を示す科学的根拠は確実であるという結論になりました。

それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。

その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。

以下の記載は、< e-ヘルスネット アルコールによる健康障害>からの抜粋です。

<アルコールと肝臓病>

アルコールの飲みすぎにより肝臓病がおこります。

はじめは脂肪肝で、飲みすぎれば誰にでも起こります。

飲み続けているとアルコール性肝炎になり、死亡することもあり得ます。

さらに飲み続けると肝硬変という最終段階に入ります。

ここまで来ると治すことが困難になります。

そうならないような飲み方、またアルコール性肝臓病の早期発見が大切です。

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<アルコールとメタボリックシンドローム>

メタボリックシンドロームに関わる高血圧・高脂血症(脂質異常症)・高血糖には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。

そのためメタボリックシンドロームの予防および治療には、「節度ある適度な飲酒」として、成人男子では1日平均2ドリンク(純アルコールで20g/日本酒換算約1合)程度までとし、さらに週に2日間の休肝日を入れることが大切です。

<アルコール性肝炎と非アルコール脂肪性肝炎>

アルコール性と非アルコール性、ふたつの肝炎の組織像は類似しており、肝臓内の酸化ストレスなど共通の発症メカニズムが研究されています。

両者とも進行すると肝硬変や肝臓癌に至ります。

アルコール性肝炎は常習飲酒家で大量飲酒後に発症し、救命率の低い重症型アルコール性肝炎もあります。

アルコール依存症が背景にある場合はその専門治療が必要です。非アルコール性脂肪性肝炎は、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症などに伴う脂肪肝を背景として発症します。

<アルコールと高脂血症>

血液中の脂質が基準値を超えてしまうことを高脂血症といいます。

アルコールが関係する高脂血症は中性脂肪(トリグリセリド)とHDLコレステロールの増加です。

飲酒時の摂取エネルギーを減少させれば基準値にもどる可能性もありますが、アルコールの代謝そのものに伴う脂質代謝異常もからんでいる場合は、飲酒コントロールを行うことも必要です。

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image by: Shutterstock.com

江部康二この著者の記事一覧

(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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【著者】 江部康二 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火・金曜日

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