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結婚詐欺師の常套句。経営者を名乗る悪人は「何」が「どうされた」からカネを貸してほしいと言ってくるのか?

マッチングアプリの登場により出会いのハードルが大きく下がった反面、いわゆる「結婚詐欺」の被害も急増している現代日本。詐欺を働く人間はどのような手口でターゲットからカネを騙し取るのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では著者の多田さんが、結婚詐欺師の巧妙に過ぎるやり口や「決まり文句」を紹介。さらに開運・霊感商法が使う「悩みの数値化」という手法を解説するとともに、その勧誘の撃退法をレクチャーしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:シニア層による詐欺事件が続発 巧妙な結婚詐欺に要注意! 霊感商法の手口は今も様々な場面で使われて、被害を出し続けている

巧妙な結婚詐欺に要注意

今、マッチングアプリで出会った男性からお金をだまし取られた女性の被害を取材していますが、相手の心理を巧みについた手口がみられます。こちらは後日、記事にする予定でおります。

2024年10月、結婚詐欺の容疑で、男性2人が逮捕されていますが、二人三脚で行う劇場型の手口でした。男性らは「社長」(51歳)と「秘書」(22歳)に役割分担をして、マッチングアプリで出会った40代女性からお金を借りる名目でお金をだまし取りました。

嘘の話を信じさせるために、社長役の男性は、女性との結婚を約束した上で、高級車に乗りレストランもすばらしいところに誘います。プレゼントもかかさなかったといいます。さらにダメを押すように、秘書役が運転手をつとめて演出をしていましたので、被害女性も疑う余地はなかったかもしれません。

これまでも結婚詐欺の事例を取材してきて、経営者を名乗る人物が「会社の口座が凍結されているので、お金を貸してほしい」と言ってくるケースが多くありましたが、この事件でも、口座凍結を理由に「工事代金が必要だ」といって、3,500万円以上をだまし取っています。

詐欺を見抜くポイントとしては、金持ちの経営者なのに「口座凍結」を理由に「お金がないから貸して」という言葉が出てくる。また相手の両親や会社関係者に会わせようとしない言動があった場合には疑って下さい。自分では判断できない時には、知人、友人に相談して、しっかりと相手の身元を含めて見極めてもらうことも必要です。

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霊感商法の手口は今も様々なところで使われて、被害を出し続けている

24年11月に岩手や山形の人たちに「有名な寺院で祈祷する」などと嘘をついて、お金をだまし取った疑いで、宗教法人の僧侶(67歳)が再逮捕されました。3度目の逮捕ということです。

報道によると、2020年~21年にかけて、この寺院が行った相談会にきた60代女性に「血筋のせいで悪しき現象が起きている」といって、祈祷料の名目で800万円をだまし取った詐欺の疑いです。警察によると、約280人から、3億9,000万円ほどの祈祷料を集めていたとのことです。

「血筋のせいで悪しき現象が起きている」は、まさに旧統一教会も使った「家系の悪因縁であなたの人生は不幸になっている」という手口です。

開運・霊感商法は、本当に巧妙なので、多くの人がだまされてしまいますが、相手の資産などの個人情報をつかんで誘導するだけではなく、もう一つの手が使われているのを見逃してはいけません。それは悩みの数値化です。その深さに応じて、より多くのお金を取ろうとします。

旧統一教会が正体隠しの勧誘の際に、アンケートを使っていますが「あなたの人生の満足度は100点中、何点ですか?」という質問をしています。

おそらく多くの方は、60点、70点と、答えると思います。それは想定済みで、すかさず勧誘員は「足りない40点、30点は何ですか?」と尋ねて、悩みを聞き出そうとします。

もしその時、本人の満足度が10点、20点であれば悩みが深いことになり、高額な霊感商法グッズを売りつけられたり、浄財を名目にお金を出させられてしまいます。

つまり、資産を把握された上に、悩みの深さが数値化されて、それに合わせた被害になってしまうわけです。

「100点満点で、何点ですか?」という質問に答えた時点で、相手の術中にはまっていることになりますので、「あなたの人生の満足度は100点中、何点ですか?」と尋ねられれば、「人生100点満点です」と答えることをお勧めします。

勧誘相手はおそらく、悩みの数値化ができないので「本当ですか?」と聞いてくると思います。「はい、本当です」と答えれば、勧誘する相手はなすすべなく去っていくことになります。撃退法の一つとして知っておいて頂ければと思います――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2025年1月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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【著者】 多田文明 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 14日・28日

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