フジテレビによる“史上最低の記者会見”に視聴者が激怒し、スポンサーも次々と撤退を表明している。港社長の不誠実な説明が火に油をそそぎ、中居以外の有名芸能人や政治家にまで疑惑の目が向けられている状況だ。
フジ記者会見が大炎上、CMスポンサー総スカン
元SMAP・中居正広(52)の性加害と自社編成幹部による“女子アナ上納”疑惑をめぐり、17日に記者会見を開いたフジテレビ。港浩一社長(72)は、第三者の弁護士を中心とする「調査委員会」を立ち上げる考えを示したが、世間の反応は極めて冷ややかだ。
「フジは『調査委員会に委ねる』を盾に、まともに質問に答えませんでした。説明できないのはやましいところがあるからだ、と判断されて当然でしょう。会場が狭いという理由で記者クラブ以外を締め出した密室会見に、≪報道機関として失格≫≪単なるアリバイづくりの会見だ≫など批判が殺到しています。ライブ配信はおろか動画撮影すら禁止だったため、会見後のニュースが軒並み“静止画”になってしまい、≪家のテレビが壊れたかと思った≫との声もあがっていました」(ネットメディア編集デスク)
だが実際に壊れていたのはフジテレビだった。地方ローカルCMよろしく静止画でやり過ごすという魂胆は崩れ、会見後、スポンサー企業が次々に撤退を表明。すでに、トヨタ自動車、NTT東日本、日本生命、セブン&アイ・ホールディングス、日本マクドナルド、花王などが、自社CMの差し止めや公共広告への差し替えに動いている。
大手ナショナルクライアントのそうそうたる面々が、番組単位ではなくフジテレビという企業全体に突きつけたノー。港社長の不誠実な説明が、疑念の火に油をそそいだ形だ。
フジの説明不十分でウエンツ瑛士や今田耕司、秋元康にまで疑念の目
フジは、アナウンサー室やアナウンサー個人に対する「誹謗中傷や憶測に基づくコメント」が急増しているとして、SNS世論をけん制している。だがネット上の憶測はやまず、むしろ加熱する一方だ。
「今やネット上では中居だけでなく、『ワイドナショー』ファミリーのウエンツ瑛士(39)や今田耕司(58)、さらには作詞家・音楽プロデューサーの秋元康(66)といったビッグネームにまで、≪実は…≫≪もしかすると…≫≪今になって振り返ってみると…≫と疑惑の眼差しが向けられています。眉唾物の怪情報が少なくないのですが、それが容易に拡散してしまう背景にフジの説明不足があるのは明白。お手盛りの『調査委員会』ではなく、日弁連のガイドラインに沿った第三者委員会を立ち上げて真相を究明しないかぎり、事態を改善するのは難しいのではないでしょうか」(前同)
ただ、フジの責任大とはいえ、これらの疑惑が、あたかも確定した事実であるかのようにSNSやYouTubeで拡散されている現状は危険に感じられる。
ウエンツ瑛士は2021年9月24日放送の『NEWSの全力!!メイキング』(TBS)で、イギリス留学前の2018年、中居に“マージャン送別会”を開いてもらったと明かしたことがある。さらに今月7日放送の『ザワつく!路線バスで寄り道の旅』(テレビ朝日)で、「4ヶ月かけた」NHK朝ドラのオーディションに落ちたことをぼやいたことから、「NHKは何かを察知して“落とした”のではないか」との疑惑が広がったらしい。ただ本人は2021年当時、送別会以外で中居と深い付き合いはないとも話していた。
今田耕司は、1994年1月20日放送の『ダウンタウン汁』(TBS)で、ゲストの大竹まことに(今田が好む女性のタイプについて)「絶対妊娠しないっていう女とやって、どうして妊娠しないって言ったらまだ1●歳だって」(※●部分は放送禁止音)と、“小児性愛趣味”を暴露されたことがある。この一件は昨年、松本人志が文春砲を被弾した際にも“初潮前スキャンダル”として注目されたことがあり、「やはり大竹の暴露はネタではなくガチだったのではないか」との憶測を呼んでいるようだ。ただし、後に週刊誌が報じた別の未成年淫行疑惑では、今田は名誉毀損の訴訟を提起し実質的に勝訴してもいる。
秋元康は、2024年1月28日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ)にゲスト出演。フジ港社長とは“夕やけニャンニャン、とんねるず繋がり”の縁があるほか、自身が手がけてきた女性アイドルグループメンバーに関して「AV女優“転身率”が不自然に高すぎる」との疑問が出ている。一方で、ネット上を駆けめぐる「フジの内部通報者らしきSNSアカウントが、秋元の疑惑に言及した」との噂に関しては、MAG2NEWSでは明確なソースを確認できなかった。
こうしてみると、特にYouTubeでよく見かける“真相判明動画”の多くは、いささか以上に勇み足の印象が否めない。先日ご紹介した、中居が渡邊渚元アナの“乳首を噛み切った”とする疑惑にも言えることだが、これではフジに足をすくわれる恐れがあるのでは?
「はい。ただ、これら真偽不明の怪情報を広めることに熱心なユーザーには、“擁護風拡散”を行う者も多くいて、善意のファンと切り分けるのがとても難しいんですよ。さらに、今や風評拡散の原動力は、大手ITプラットフォームのアルゴリズムであるため、いくら個人ユーザーを脅しても効果が出ません。現実には、フジ側に有効な対策はほとんどないと考えられます」(前同)
実際、検索エンジンやSNS、動画サイトで「ウエンツ瑛士」や「今田耕司」「秋元康」といったキーワードを何気なく検索すると、「中居正広」や「フジテレビ」という“ネガティブなキーワード”がサジェストされることが増えている。サジェスト汚染と呼ばれるこの現象は、主にプラットフォーム側の表示アルゴリズムに依拠するものであり、ネットユーザーに対する注意喚起でどうにかなる問題ではない。
「死人が出てもおかしくない」もう1つの危惧
一方で、中居・フジのスキャンダルが、有名芸能人“以外”に波及することに強い危機感を抱いている者もいる。都内のテレビ制作関係者が言う。
「業界関係者のはしくれとして、こんなことを言うのはおかしいのですが、フジの“女子アナ上納”疑惑の対象が“大物芸能人”にとどまっている間は、ある意味、安心してみていられます。ただ、万一にもこれが、CMスポンサー企業の重役や、国会議員など政財界に波及すると、途端にキナ臭い話になってくる。そうなれば死人が出てもおかしくありません。まさに今、その瀬戸際にある気がしているんです」(テレビ制作関係者)
フジテレビ編成幹部のA氏が“消される”恐れ!?
SNSの一部で囁かれている、「CMスポンサー企業の重役たちも“性接待”を受けていたのではないか?」との憶測について、前出のテレビ制作関係者が言う。
「芸能界は伝統的に反社会的勢力、いわゆるヤクザとの繋がりが深い業界です。暴対法などの整備によって表立っての交際は御法度となっていますが、それで過去の因縁まで消えるわけではありませんからね。両者の関係性は近年に至るまで維持されてきているんです。
このように言うと、多くの方は、大手芸能事務所が“ヤクザの力”を背景に、人身売買まがいの傍若無人を尽くしてきた――というストーリーを想像するかもしれません。でも、実態はむしろ逆で、芸能事務所側が何らかの理由で弱みを握られ、反社にゆすられるようになり、『この女優を抱かせろ』『あのタレントを抱かせろ』と繰り返し要求されるパターンのほうが多いと聞いています。
反社の側も、とりたてて“精力絶倫”というわけではありません。彼らの目的はあくまで金であり、『金さえ払えば、いつでもいい女が抱ける』という“システム”を構築して、そこで大きな利益を得ていると言います。その“システム”の中に、巨大企業の重役や政界関係者が含まれていたとしても、なんら不思議はないわけです。
重要なのは、何が彼らの絶対死守ラインなのか?を見誤らないことでしょう。これまでは“中居を切り捨ててでもフジは守ろう”のフェイズでしたが、それが怪しくなってきています。ここで、“最悪、フジ社内のあいつまでは…”という形で話がまとまったら大変なことになる。
フジ編成幹部A氏を擁護したいわけではありません。もし疑惑が本当なら相応の報いは受けるべきです。でも、口封じで命まで取られるような事態は、なんとしても避けてほしいと願っています」(テレビ制作関係者)
一部報道によれば、フジテレビ編成幹部のA氏は「報道を受け、心身の負担が募っている」との理由で出社停止になっているとされる。
これに関して、事情に詳しいアウトロー関係者が指摘する。
「世間では“逃げ切り”“雲隠れ”など批判されているようだが、もしこのAがフジ上層部から出社停止を勧められホテルなどに匿われているなら、ただちに宿泊先を変えるべきだ。自分がもしAの立場なら、絶対に会社が用意した場所には泊まらない。ヒットマンを放たれ、自分が“消される”恐れを否定できないからだ。いっそ都市部のアパホテルなどに偽名で立てこもったほうが高いセキュリティを期待できる。もちろん、移動のさいに監視や尾行をまく必要はある。さらに万全を期すならスマホを捨て、クレジットカードなどの利用も控えたほうがいい。万一、“国家ぐるみ”でスケープゴートにされたら、自分の現在位置など容易に特定されてしまうためだ」(アウトロー関係者)
ここでもまた「安倍晋三」の名前が取沙汰される理由
中居・フジの一連のスキャンダルをめぐっては、「MeToo運動の一種」から「社内の派閥争い」、はたまた「外資系ファンドによる企業買収工作」まで、さまざまな見方が浮上している。
そんな中、一部で注目されているのが、これは「自民党清和会(旧安倍派)つぶし」の総仕上げとしての高度な「政治案件」ではないか?との解釈だという。
先のネットメディア編集デスクが説明する。
「安倍元総理が『笑っていいとも!』に出演した際のことを覚えている方は多いと思いますが、実はフジサンケイグループの日枝久代表とは会食やゴルフをしばしば共にする仲でした。当時のフジテレビのワイドショー系番組では、コメンテーターが自民びいきの意見を述べる場面がよく見られましたが、それもこれも、当時は旧安倍派が自民の主流だったからだ、という見方があります。
ところが、その蜜月関係は唐突に終わりを告げました。安倍元総理の銃撃事件後に発覚した旧統一教会問題や裏金問題によって、旧安倍派の大半が自民党内で力を失ってしまったのです。
これは、先の総裁選と選挙において、実質的な“党内政権交代”が起こったとも言える状況です。“安倍さんという重し”を失ったことで、これまで世間に知られていなかったスキャンダルが大々的に報じられるようになり、その1つが今回の中居・フジ騒動なのではないか?そんなふうに解釈する人が、ネット上では少しずつ増えてきています。
そこで、やはり気がかりなのは、第一次安倍政権以降、この政権に関わって「自殺・不審死」を遂げた人物が異常に多いという事実です。同名の文書がネットに出回っていますが、これは本当に自殺なのか?と疑いたくなるケースが少なくありません。いま一部で、フジテレビ編成幹部A氏の身を案じる声があがっているようですが、その背景にはこのような事情があります」(ネットメディア編集デスク)
フジテレビの不十分な説明が世間の憶測を呼び、その1つがたまたまアンタッチャブルな誰かの“逆鱗”に触れてしまう――。十分にあり得る話だ。フジは「死人が出る」前に説明責任を果たすことができるか。動画禁止の“静止画会見”という茶番劇によって人命が失われる事態だけは、万が一にも避けなければならない。
image by: フジテレビ