日本テレビ系の人気バラエティー番組『世界の果てまでイッテQ!』(日曜・19:58-)が2日、放映の4時間前に放送内容を変更したことが話題になりました。番組の韓国ロケの協力先が「いわゆる統一教会の関連団体だった」ことが判明したことによるもので、この件が報道された当時は事前の下調べが不十分だったのではないかと日テレに批判の声も。日テレ福田博之社長は17日の定例会見で、再発防止には「チェックを四重、五重にするしかない」と説明しています。しかし、「教団の正体隠しこそ大問題」と語るのは、教団の元信者で、メルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』の著者である多田文明さん。多田さんは、過去の信者時代を思い出しながら、この関連団体がテレビ局側に正体を明かさなかった悪質さを厳しく批判しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「イッテQ」のロケ先は、旧統一教会の関連団体 元信者の見解は? イタズラと思わせる石ころマーキング
「イッテQ」のロケ先が旧統一教会の関連団体だった
『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の番組内容が変更されて、今後も放送しないことになりました。その後、わかったことは、韓国でロケをした協力先がリトルエンジェルスだったということです。
ここは、教団の信者であった者であれば、誰もが知る旧統一教会の関連団体です。
私も信者時代に「一般の人たちだけではなく、統一運動(統一教会が自らの思想をひろめて、宗教・文化・政治の統一をするための運動)を推進するために、信者らによって作られた団体であり、ここに政治家や学者、議員らを招いて、リトルエンジェルスをきっかけに統一教会の教えを伝えていく」「多くの当時の自民党議員も公演を見にきた」とことを、たびたび上(アベル)から聞いています。
韓国のHPにも、1985年5月に中曽根康弘首相官邸へ表敬訪問したとする、リトルエンジェルスの写真もアップされていることからわかります。それにしても、首相官邸が事実なら驚きます。
リトルエンジェルスは、踊りなどの芸術イベントを通じて、教団の思想を広めるための組織の一つとして存在してきました。こうした事情から考えて、日本テレビの「放送しない」という判断は、適正だったといえます。リトルエンジェルスをテレビを通じて広く知らしめることで、教団の関連団体とは知らずにイベントなどの訪れてしまい、それをきっかけに教団に誘われる人が出てくる恐れがあるからです。
正体隠しと思われかねない教団の行動に懸念
私が信者時代には、偽ボランティアなどでのお金集めの活動や献金したものの一部は、リトルエンジェルスを始めとした統一運動に使われているという認識をもっていました。
しかし日本国内では、長年にわたる高額献金や、霊感商法などのお金集めの活動が、多くの被害を生み出して、社会問題化して文部科学省が教団に対する解散命令を東京地方裁判所に請求する状況に至っています。
本体なら、このような社会的問題を引き起こしたことを踏まえて、テレビの制作側に「リトルエンジェルスは、旧統一教会の関連団体」を伝えた上で撮影の協力をすべきだったと思います。今後も、旧統一教会が国内で活動しようとするならば、こうしたことは当然すべきことです。
「相手が気づかないから、こっそりと」は、絶対にしてはいけないことであり、これは正体隠しの行動とみられても仕方ないものといえます。
日本テレビは「確認が不十分だったことによりご迷惑をおかけした」との言葉を出していますが、教団が正直に関連団体であることを番組の制作側に告げかったことの方が問題だと思っています。
これまでも、多くの人たちが教団の関連団体が信者組織であるにもかかわらず、それを隠して、政治家をイベントなどに誘ったりして、関係を持とうしてきました。これに対する、国民の不信は大きく、本当ならこうした行為を繰り返すようなことは絶対にしてはならなかったはずです。
今回の出来事は、日本という社会の枠組みから、統一教会が、また一歩、遠くに離れてしまったように感じています。
(メルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2025年2月14日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみいただけます。また、同号では犯罪の下調べと言われる「石ころマーキング」について書かれた記事も読むことができます。ご登録は初月無料です)
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