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多店舗展開した後に原価率が悪化…そんな時は「2つの“あるある”」を見直してみよう

多店舗化したのに原価率がなぜか悪化してしまった。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの支援先で、そんなことが起きたようです。堀部さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、このような状況の時に「チェックしたい」2つのあるあるを紹介しています。外食産業の店舗経営者は必見です。

多店舗化したのに原価率が改善どころか悪化。そんな時にチェックしたい事

多店舗展開すればスケールメリットもあるので原価率は改善するはず!

このような期待はありますが、うまく管理しないとまったくその通りにはいきません。

むしろ個店のほうが良かったじゃないか! こうなってしまうケースも多々あります。

ではそれを防ぐために何をどうできるのか。今日はその辺りを見ていこうと思います。

■仕入れ面での失敗を防ごう

多店舗展開する上で失敗しがちなのが「仕入担当がいない」ことです。

これが進んでいくと、食材卸の会社さんは下記を実行します。

・口うるさくない社員の店に全店舗の値上げをしれっと伝える

・社員がいない時を見計らってアルバイトにしれっと値上げを伝える

これ本当にあるあるなんですよね。

しかも全店舗に値上げ報告をしない業者さんもあるので、蓋を開けてみて「なんでこんな高いの!?」となる事がめちゃくちゃ多くあります。

個店の時だったら口酸っぱく言えていた。しかし多店舗展開するとその頻度が減り、「あそこは値上げしやすい会社」ポジションへ。

これを防ぐのは会社として窓口を作ること。

・マネージャーがいる店舗

・仕入れに細かい店長がいる店舗

・本部機能があるなら本部

ここを窓口にしてちゃんと法人として交渉できる仕組みは作った方が良いです。

これさえあれば、

・主要食材は頑張ってもらう代わりに、交差原価率の影響が低いものを高めに仕入れ

・全体的な仕入れを抑える代わりに、賞味期限近いものを対応してあげる

・全店舗の仕入れ把握からスケールメリットの交渉をする

などを徐々に行えるようになります。

単一業態でなく複数業態を持っていると他店舗展開するにあたってどんどん条件が悪くなっていく。

このケースが本当に多いので仕組みで解決していきましょう!

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■適切在庫のルールを決めよう!

多店舗展開して発注のルールを決めない場合、もう一つあるあるなのが過剰在庫です。

これが起きるパターンがほぼ決まっていて、

・オープン景気の時に発注足りずに何度かやられてしまう経験がある

・その後、オープン景気が落ち着いたのに不足が怖くて発注しすぎてしまう

これがあるあるです。

過剰発注から原価率高騰するのは原因として2つになります。

・冷凍焼けからの廃棄

・適切商品にできず粗利減

前者に関してはシンプルですよね。冷凍も永遠ではないのでダメになったものは結局廃棄。

ただ「廃棄しました!」という報告って正直あまりないと思います。

多くが「捨てずに別商品にして売りました!」このような工夫が上がってくると思います。

しかしこれも本来はダメなんですよね。

・鮮度高い状況で売ればもっと高い粗利だった

・加工品が売れる代わりに他の注文1品が減る加工品なのでそれよりも粗利が低い

このようなデメリットがあり過ぎます。

なので大切なのは適切な在庫量です。

私のご支援先だとよくやるのが、原価ブレしない店舗の月末棚卸をチェック。

仮に下記の条件だったとします。

売上原価:1,500,000円

在庫金額:100,000円

在庫日数:2日=100,000円÷1,500,000円×30日

つまりこの店舗さんの場合、適切な在庫は2日分です。

これ以上の発注は原価高騰の要因に。そのため、売上予測や予算からの逆算で2日分のみの発注を行うようにする。

そこから発注量のルールを決めていき、過剰発注を防ぐ形を取ります。

■資産にならない在庫を減らそう

・仕入れ面での問題を解決する

・発注面での問題を解決する

これをやった後は在庫処理です。

昨今は来店頻度を増やすために商品開発を頑張ると思います。

そうなると「月末ちょっと余った……」がチリも積もればで多大なる量になる事も。

そのため、月末棚卸しの中で「これは早期に処理する必要がある」の優先順位を決めてフェアでなくすのが大切です。

確かにそれが在庫に残っていれば、期末棚卸額が大きくなるので計算上は原価率は良くなります。

しかし期末棚卸は勘定科目だと「資産」です。「資産」とは将来ちゃんと現金化されるもの。

本来はこのはずです。

しかしず~~っと冷凍庫に眠っているものが将来ちゃんと現金化される訳ないですよね。結局捨てちゃうだけです。

そのため、期末棚卸しの詳細を定期的に確認し、不要在庫に価値をつけて販売できる。

この仕掛けが大切になってきますーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年2月17日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

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