飲食店で欠かせないのが「仕込み」、ここにかかる人件費を圧縮すのは容易なことではありません。今回、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんの発行するメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、その人件費圧縮を改善できた支援先の例を紹介しています。飲食店経営者は必読です。
店舗仕込み人件費を80.6%圧縮した改善方法
年商90億のご支援先。
こちらでは「この業態&ブランド!」が見つかり、それによる店舗展開が加速されています。
ただもちろん課題も。
これは店舗仕込みが強みではあるのですが、それを推し進めると今の販売価格では、それを維持するのは困難という事です。
実際にこちらの人件費率は25%程度。
このバランス自体は適正だと思いますが、
35%:仕込み人件費
15%:キッチン人件費
50%:サービス人件費
このような感じになっていました。
仕込みをかなりやり切る分、営業時間内でのキッチン人件費は安価。
しかし仕込みに手間暇かけると、多店舗展開する上では重たさが出てくる。
これが意思決定のポイントでした。
■基本的な考え方
生産性向上の基本は既存店への設備投資。
飲食業では珍しくここを徹底されます。
その為毎年店舗予算に改修費も計上。
厨房機器はもちろんですが導線含め、以下に最小の動きで最大の成果を出せるか。
ここを重視して動いていらっしゃいます。
■想定する人件費高騰
25%のうち仕込みが35%なので、
8.75%=25%×35%
これが売上に占める仕込み人件費率。
今の人件費が1,300円なのですが早晩1,600円になると想定。
そうなると時給は123%に。
10.7%=8.75%×123%
こうなると仕込みだけで2%の人件費アップ。
これで人件費率を今のまま維持しようとすると売上は今より108%伸びないと合いません。
そこへの挑戦はもちろん推し進めますが、設備投資の視点での改善を考えた訳です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■こだわりは品質差別化になるのか
店内仕込みだからこそ、より美味しいものができる!
加工してから劣化が進むものはそうですよね。
鮮魚系やチルドの肉系だと、冷凍技術が進んだとは言え差が。
ただこちらの企業さんのブランドは「加工系」の肉製品。
その為、実際に食べ比べをしても
- 冷凍かチルドか味の見極めがつかない
- 手仕込みか機械か見極めがつかない
びっくりするくらい「わからない」という結論に。
そうなると自分達のこだわりが差別化にもならず
ただコスト増になる要因に。
「こだわり=品質差別化になる」
これがやっぱり前提。
そうならない部分は改善しようという話に。
■一括仕込みの利点
- 機械化ができる
- 冷凍ができる
- 品質が落ちない
この条件があてはまるものを切り替えると、仕込み人件費が80.6%も圧縮される事に。
1.69%=8.75%×19.4%
これで人件費率が約7%改善。
物凄く大きいですよね。
しかもこちらは今後FC本部機能ももち、一気に店舗を拡大されます。
そうなると加盟店側は人件費率が18%のモデルで店舗運営が可能になってくる訳です。
人手不足の今、ここも優位性になります。
■一括仕込みのデメリット
緻密な計算が必要になります。
コストを最小にするためには、ーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年4月28日号より一部抜粋。続きはご登録の上4月のバックナンバーをご購入ください、初月無料です)
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